ガンガンガンガンガン!!!!!

 

ドアを激しく蹴る音!!

な、なんだなんだ!?只事じゃないぞ!?

 

お兄さん「おい誰だ!」

女性「開けなさい!ここにいるのはわかってるのよー!!」

 

どっかで聞いたことのある声だぞ!?

ま、まさか・・・いや、間違いない、この声は絶対・・・美鈴ねえさん!!

 

美鈴「入っていったとこ見たわよー!あけなさーーーい!!」

お兄さん「おい、開けてやれ!」

黒服「はいっ」

 

鍵が開くと美鈴ねえさんが血相変えて飛び込んできた!!

 

美鈴「きーーーっ!あんたって人はーっ!?」

僕「え?え?ええっ!?」

 

僕の胸ぐらを掴んできて・・・

 

ぺしーーん!

ぺっしーーーーーん!!

 

僕「痛い痛い痛い!」

美鈴「私という妻がありながら、浮気とは良い度胸ねっ!

僕「ちょ、ちょ、ちょっと!!!」

 

耳元で蚊の鳴くような声でささやく!

 

美鈴「・・・いいから合わせなさい」

 

た、助けにきてくれた!?

よし、それなら僕も大声で・・・

 

僕「ごめんなさい!ちょっとした出来心で・・・」

美鈴「そんなの言い訳にならないわよっ!!」

 

バリバリバリバリ!!!

 

僕「ぎゃ〜〜〜〜〜!!」

 

その尖った爪で引っ掻くのは反則だよぉ!!

 

美鈴「痛い目にあわないとわからないようねっ!」

僕「うわぁっ!!」

 

宙に浮く僕の体!

柔道技かなんかで投げ飛ばされ壁に思いっきり叩きつけられる!!

 

お兄さん「おいコラ!ここで暴れんな!」

美鈴「あっそ、じゃあ表でやらせてもらうわ」

お兄さん「その前に払うものをきっちり払ってもらいましょか」

美鈴「何の事?ウチの家計に無駄に払うお金なんてないわよ?」

お兄さん「こっちはついさっき45万円のサファイアリング2個、90万円の契約したとこですぜ」

 

おいおい、倍になってないか?

45万円に安くするって、1個の値段だったのか・・・

 

美鈴「そんな契約したぁ?ア・ナ・タァ」

 

髪の毛を掴まれて頭だけ持ち上げられる・・・ひぃぃ・・・

 

僕「し・・してま・・・しぇん・・・」

由優「ひどぉい、私、騙されたぁ・・・え〜んえ〜んえ〜ん」

美鈴「おだまりっ!文句があるならいつでも相手になるわよぉ?」

お兄さん「人の店で暴れておいて、何も無しで帰る気かコラ?」

美鈴「あらぁ、お仕置きはまだまだこれからよ、この夫の歯が全部折れるとこ・・・み・た・い?」

 

ひいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!

 

お兄さん「営業妨害すんな!とっととでてけ!」

美鈴「あらそ、じゃあ続きは家でさせてもらうわ、じゃあね」

由優「許さないんだからぁ!!」

美鈴「ほら!アナタ、帰ったら指の骨全部折るからね!」

僕「ゆるしてぇ〜〜〜〜〜!!!」

 

オンボロエレベーターに乗り込む・・・

ようやく僕の髪から手を離してくれた、と思ったら頭のてっぺんを・・・

 

パシッ!!

 

僕「いてててて・・・」

美鈴「バカッ!・・・本当に大バカなんだからっ!!」

 

1階についてビルを出ると、

足蹴にされる・・・きっと連中がまだビルの窓から見てるからだろう。

よろよろになりながらコインパーキングへ・・・美鈴ねえさんの車があって後部座席には三姉妹が!!

 

ガチャッ

 

美鈴「大丈夫?1人で助手席に乗れる?」

僕「いたたたた・・・美鈴ねえさん、やりすぎ・・・」

美鈴「手加減はできないわよ、あんな修羅場じゃ・・・早く離れるわよ」

 

ブロロロロ・・・・・

 

雪巳「血がでてるー」

雪菜「凄く心配した・・・です」

雪沙「なにがあったのぉ〜?」

美鈴「弟クンは犯罪の被害者になりそうになったの、それを助けたのは雪菜ちゃんたちよ」

僕「そうだったんだ・・・・・ありがとう」

 

あ、今になって鼻血が出てきた。

 

美鈴「雪菜ちゃんから電話で弟クンが女の人に変なビルに連れていかれたっていうから・・・」

僕「き、きてたんだ、雪巳ちゃんたち、ついてきてたんだ」

雪巳「タクシーで追っかけたんだよー」

雪菜「あの女の人・・・チケット買うふりして・・・バックにお金入れてたから・・・」

僕「あ!自由劇場で・・・雪菜ちゃん、それを見てたんだ・・・」

雪沙「ねぇねぇ、あのビルのなかでなにがあったのぉ〜?」

美鈴「5000円くらいのガラス玉を高い値段で売りつけられそうになったの、みんなお手柄よ」

 

・・・あのサファイア、偽者だったのか、やっぱり!!

 

美鈴「後はそっとしておいてあげて、弟クンだって傷ついてるんだから」

僕「・・・・・」

美鈴「もちろんお説教はするけど、その前にその怪我を治してあげないとね」

 

したのは美鈴ねえさんだけど、自業自得か・・・

怖い演技だったなぁ、劇団十期顔負けだったよ、

もし僕の兄が本当に浮気したら・・・想像するの止めよう、ちびっちゃう。

 

美鈴「あんまり痛むなら薬出すわよ?」

僕「いえ、家まで我慢します」

美鈴「当然よ・・・ちゃんとその子たちにお礼を言いなさい」

僕「ありがとう・・・雪巳ちゃん、雪菜ちゃん、雪沙ちゃん」

雪巳「うんー、もう知らない人についていっちゃ駄目だよー」

雪菜「・・・お兄ちゃんが・・・心配だった・・だけ・・・です」

雪沙「なんだかわからないけどぉ、どういたしましてぇ〜」

 

うぅ・・・痛い・・・体も・・・心もぉ・・・・・

 

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