僕「ただいまー」

雪巳「お、お帰りなさーい」

僕「みんなちゃんと晩御飯食べた?」

雪菜「うん・・・食べた・・・です」

僕「そっかそっか・・・あれ?靴が多くないか?」

 

見慣れない靴がいくつも・・・いつもの倍はあるぞ?まさか!?

台所へ行くと・・・やっぱり!雅幸とか隆幸とか、雪絵ちゃん雪音ちゃんまでいる!

 

雪沙「あ〜、おにぃちゃんかえってくるのはやぁい」

僕「ちょっとこれ、どういうこと!?」

雅幸「・・・・・ふんっ」

 

パシッ!!

 

わ!雅幸が箸を投げつけてきた!!

そしてそのまま御飯を頬張って逃げてった・・・ 勝手に人の家に上がりこんだうえ、その態度はなんだよ!

 

隆幸「やっりぃ、雅幸にーちゃんの残ったおかずもーらいっ」

雪絵「これおいしぃねぇ〜」

雪音「これもおいしぃねぇ〜」

也幸「・・・・(くっちゃくっちゃもぐもぐ)」

雪巳「あのねー、これねー、お兄ちゃんの分の御飯が余っちゃったからー・・・」

 

僕が夕食に帰ってこないからって、

弟妹を黙って上げて食べさせていたのか・・・

怒りたい所だけど、昨日、雛塚家のお父さんに助けてもらった恩があるし、

それに也幸くんを上げて食べさせてる以上、他の子は上げないっていうのも・・・

お父さんも、他の子もどこかへ連れていってあげてほしいって事言ってたから、食事くらいいいか。

 

僕「しょうがない、今夜だけだよ?」

雪菜「・・・雅幸、玄関から飛び出ていった・・・です」

雪巳「怒らないのー?」

僕「今夜だけね」

雪沙「ありがとぉ〜〜〜〜〜」

 

それより僕は明日のデートの方が大事だ!

インターネットで調べよう、僕の部屋のパソコンへ行って・・・と。

 

カタカタカタ・・・・・

 

僕「ミュージカル・・・ミュージカル・・・あった、劇団十期(とき)だ」

 

どれどれ・・・明日の公演は・・・当日券情報、っと・・・

春劇場・ジャングル大帝、アニメのやつだな。夏劇場・オペラ座の怪人、難しそう・・・

秋劇場・遅すぎた生還、戦争ものか?横井さんっていう戦争が終わっても帰ってこれなかった人を題材にしたミュージカル・・・

冬劇場・ロミオとジュリエット、これかな?あ、でも貸切ってある、残念無念・・・

自由劇場・革命館、これはミュージカルじゃなく小難しい文学作品のお芝居みたい、僕はお呼びじゃないだろう。

子供劇場・魔法少女リンリン、こんなのやってるのか、子供向けじゃあ笑われちゃう。

猫劇場・CAT、劇団十期で一番有名なミュージカルだけど残念、当日券完売だ、って劇場いくつあるんだ?多過ぎ!

 

僕「うー、デートにミュージカルだなんて、僕のチョイスじゃ絶対ないからなぁ、困った・・・どうしよう」

 

こういう時には美鈴ねえさんかな!?

 

〜♪〜♪〜♪

 

携帯が鳴ってる!

発信者非通知だけど誰だろう・・・

 

僕「もしもし?」

由優「由優です、先ほどはごちそうさま♪」

僕「あ、はいっ!いえ、こちらこそ・・・」

由優「それで明日だけど、どう?」

僕「いま調べたんですけど、ジャングル大帝の劇が午後1時半からで当日券も結構あります」

由優「そ、じゃあそれね、最寄り駅は?」

僕「・・・浜松町駅ってあります、そこへ明日1時に待ち合わせで・・・」

 

一番上にあったからこれに決めちゃったけど、

いいんだろうか?アニメが題材のミュージカルだし・・・

ミュージカル自体、ほとんど見ないから僕には区別や判断がつかない。

 

由優「楽しみにしてるわ」

僕「僕も、その、デートでミュージカルって初めてだから、失礼があったらごめんなさい」

由優「別に平気よ、それよりミュージカルが終わったら一緒に行って欲しい所があるんだぁ」

僕「ええっ!?ぼ、僕でよければどこでも・・・」

由優「ふふふ・・・かわいいのね・・・そんなに緊張しないで・・・ね(ちゅっ)」

 

い、いま、キスしなかったか!?

 

由優「じゃあおやすみなさい」

僕「はいっ!浜松町の改札で、1時にっ!」

 

・・・・切れた。

携帯電話越しでも、良い声だったなぁ、

声だけで安らぐというか、心地よくってとろけるぅ・・・声優とか向いてるかも。

 

僕「よし、大人のデートに相応しい良い服を着ていこう!」

 

パソコンから離れて後ろを向くと・・・

 

雪菜「・・・・・」

僕「わっ!わっ!雪菜ちゃんっ!!!」

雪菜「・・・・・・・・」

僕「い、いつからそこにいたの?」

雪菜「・・・・・・・・・・・・」

 

黙って出ていった。

まずい・・・これはいくらなんでもまずすぎる・・・

って、何がどうまずいんだ?・・・うん、まずい、やっぱりまずい、やばい。

 

隆幸「ふ〜くったくったぁ〜」

僕「食ったんなら帰れ!!」

隆幸「なんだよー」

僕「雪巳ちゃん・・・やっちゃって」

雪巳「はーーーい!」

 

必殺!雪巳だいふくぅ〜〜〜!!

 

隆幸「んぐんぐんぐ・・・ん・・・・・」

 

はい、両腕ぶら〜ん・・・

隆幸くんがもうちょっと成長したら、

パンツの中で射精しちゃいそうな技だよな。

 

雪音「ごちそぉさまでしたぁ〜」

雪絵「ごぉちそお〜さまでしたぁ〜〜」

僕「はい、今夜だけだからね」

也幸「・・・・・・・・」

僕「也幸くんも今夜は・・・あ、今夜までで!」

 

也幸くんも帰そうかと思ったけど、

今夜はいてもらった方がいい、雪菜ちゃんが怖いから・・・

 

僕「そのかわり也幸くんは僕の部屋ね」

也幸「・・・・・(コクコク)」

雪巳「下に送ってくるねー」

僕「はいお願い・・・みんなおやすみ!」

隆幸「・・・・・(むきゅうう〜〜〜)」

 

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