僕「はい・・・はい、では夕方、5時で・・・よろしくお願いします」

 

電話を済ませた、

相談所の人は早速、今日にでも来たいらしい・・・

色々と根掘り葉掘り聞かれるんだろうか?大丈夫かなぁ・・・

 

雪菜「おにぃちゃん・・・」

僕「わ!御飯食べ終わった?」

雪菜「・・・・・半分・・・食べた・・・です」

僕「わかった、僕も行くよ」

雪菜「・・・・・・・・・です」

 

僕の胸の中の重苦しい空気を察したみたいだ、

みんなにもちゃんと言わないといけないよな・・・

台所へ行くと雪沙ちゃんが也幸くんの世話をしてる。

 

雪沙「はい、あ〜〜〜ん」

也幸「・・・・・(ぽか〜ん)」

雪沙「よくかむんだよぉ〜〜」

也幸「!!(コクコクくちゃくちゃ)」

雪巳「お兄ちゃんおかえりー、ちゃんと着替えたよー」

 

やっと安心して食べられる。

 

僕「じゃあ、いただきます・・・今日は漬物が多いね」

雪菜「旅行の前に・・・漬けておいた・・・です」

僕「そこまでしてくれてたんだ!凄いな、普通に完成品を買えばいいのに」

雪巳「料理の本よんでてー、なんだか楽しくなっちゃったのー」

僕「そうかそうか、きっと良いお嫁さんになるよ」

雪沙「おにぃちゃんのおかげだよぉ〜、ざいりょ〜いっぱいかえるもぉ〜ん」

也幸「・・・・・(くっちゃくっちゃくっちゃ)」

 

4日漬けるだけでこんなに美味しくなるのか、

僕を驚かせるためにここまで・・・よし、僕も頑張らないと!

 

僕「今日みんな、夕方には家にいる?」

雪巳「えー、どこかいくのー?」

雪菜「多分いる・・・・と思う・・・です」

雪沙「おにぃちゃんがいてほしぃならいるよぉ〜?」

僕「実は夕方5時に、児童相談所の人が来るんだ」

 

みんなの食事が一瞬止まる。

・・・・・・・・・・・・・・・也幸くん以外は。

 

僕「それで、みんな揃って出迎えないといけないからさ」

雪巳「えー、相談する事なんてないよー、私達はー」

雪菜「美鈴さんも・・・くる・・・です・・・よ・・・ね」

僕「それが来れないんだって、だから僕と君たちだけで話をしなくちゃいけないんだ」

雪沙「あのかんりにんさんのことそ〜だんするぅ〜?」

僕「そうだね、あと也幸くんの虐められてる事とか・・・」

也幸「!!!!!」

雪巳「そっかー、下の家の事と、管理人さんのこと相談すればいいんだー」

 

それだけで済めばいいんだけどね・・・

 

僕「もちろん、僕たちの生活のことも聞かれるだろうから、その・・・」

雪巳「変な事はいわないよー、雪沙、口すべらしちゃだめだよー」

雪沙「わかってるよぉ〜、おにぃちゃんからはわいせつなこ〜いはされてないよぉ〜」

僕「こら!そんな単語、変に使っちゃ駄目!」

雪菜「・・・・・美鈴おねえさんに・・・今日・・・1回相談したい・・・です」

也幸「・・・・・・・・(もぐもぐくちゃくっちゃ)」

僕「できれば3時くらいから対策会議みたいなのをやりたいな」

 

別に悪企みじゃないけど・・・いや、悪企みか?

いやいや、あくまで三姉妹を守るため・・・・・で、いいのか、なあ???

 

雪巳「ここに住めるようになるためだもーん、がんばるー」

雪菜「お手伝い・・・延長させてもらえるように・・・がんばるです」

雪沙「なりゆきもちゃんとてつだうんだよぉ〜?」

也幸「!!!(コクコクごっくん!!)

僕「はは、頼もしい・・・・・かなぁ・・・・・はぁ」

 

急に不安になってきた・・・後で色々考えよう。

 

 

 

 

朝食が終わって僕の部屋、

也幸くんは老猫ソヨカゼを心配そうに見つめてる・・・

当の老猫は薬がきいたおかげか満腹になったからか、すやすや寝てる。

 

雪巳「じゃー下の家にお土産もってくねー」

雪沙「ゆきさもいくぅ〜」

僕「うん・・・あ、そうだ、僕も行こうかな、旅行の説明しなきゃ」

雪菜「・・・・・也幸も・・・・・行く?」

也幸「!!!(ぶるんぶるん)」

 

ソヨカゼから離れたくないのか、

兄たちに虐められるのが嫌なのか、

首を思いっきり左右に振ってる・・・留守番してもらうか。

 

僕「じゃあ僕は、静岡のお茶セットでもお土産で持っていくかな」

雪巳「私達で買ったのがあるから、増やさなくてもいいよー」

僕「そうはいかないよ、僕からも一応贈っておいた方が・・・」

雪菜「お母さんいるかどうか・・・見てくる・・・・・です」

僕「いなかったらお父さんでもいいや、酔ってないお父さんがいいな」

雪沙「も〜おしごといっちゃってるじかんだよぉ〜?」

僕「え?お盆休みとかないの?あってももう終わったのかな」

 

あんまり雪巳ちゃんたちを偵察みたいに使いたくないから、

行くだけ行ってみよう、お土産だけ渡すにしても僕がちゃんと行ったって事実が重要だし。

 

雪巳「準備できたよー」

雪菜「雪沙・・・隆幸のズボン・・持った?」

雪沙「うん〜、おかしももったよぉ〜」

僕「じゃあ行こう・・・也幸くん大人しくしててね」

也幸「!!!、!!!(コクコク、手ぶんぶん)」

 

さあて・・・緊張するなぁ、

まぁ、娘さんを僕にください!とか言う訳じゃないし・・・まだ。

エレベーターを降り、三姉妹の実家である1階の雛塚家へ・・・ついた。

 

僕「じゃあ、インターフォンを・・・」

雪巳「ただいまー、旅行のお土産持ってきたよー」

雪菜「ドア開ける・・・です」

僕「ちょっと!一応、挨拶をしないと・・・」

雪沙「え〜、めんどくさいよぉ〜」

 

まあ、ここは三姉妹の家だからな。

 

ガチャッ

 

雅幸「・・・・・」

 

あ、小5で雪沙ちゃんと双子の雅幸くんが顔だけ出した。

 

雪巳「雅幸ー、パパとママはー?」

雅幸「・・・パパは寝てる・・・ママはパート・・・」

僕「あー、じゃあ無理に起こさない方がいいかな」

雪菜「みんなにお土産・・・買ってきたよ・・・」

雪沙「まさゆきぢゃまぁ〜!え〜〜〜い!!」

 

わ!雪沙ちゃん雅幸くんを弾き飛ばして入ってっちゃった!

それに続いて雪巳ちゃん雪菜ちゃんも入っていく、玄関で倒れてる雅幸くん大丈夫かな・・・

 

僕「ちょっと、どこも打たなかった?」

雅幸「・・・・・」

 

むくりと起き上がって・・・何で僕を睨んでるんだよ! で、玄関のドアを閉めた・・・ガチャ、と鍵をかけられた、っておい!

 

僕「僕は入れてもらえないのか・・・」

 

ま、あのお父さんが起きてからでいいし、

上の三悪兄弟と話す事もないし、兄弟姉妹の再会を邪魔する事もないだろう。

いま持ってるお茶セットはあらためて両親が揃ってからにして・・・・・僕は僕の家に帰ろう。

 

もどる めくる