
雪巳「何してたのー?もう遅ーい」
僕「わ!雪巳ちゃん!その格好・・・!!」
雪巳「あんまり遅いからデザート作ってたのー」
美鈴「まあ雪巳ちゃんおはよう、綺麗なエプロンねー」
雪巳「あ・・・・は、はいー、おはよー・・・ですー・・・」
さすがに雪巳ちゃんも固まっちゃった。そして僕も。
雪巳「あのねー、あんまり遅いからお風呂掃除してー・・」
雪菜「きょ・・きょう・・ちょっと・・暑い・・・です」
雪巳「うんー、でー、そのままデザート作りたくなってー」
雪沙「デザートなにつくったのぉ〜?みすずおねぇさんもたべるぅ?」
雪巳「それでー、時間がないからー、裸のままエプロンして急いでー・・・」
焦って言い訳してる、
でも美鈴ねえさんは淡々とした表情だ。
美鈴「そのまま御飯食べるのはやめたほうがいいわね」
雪巳「うんー・・・すぐ着てくるー」
美鈴「さ、弟クン、車までお土産運んでちょうだい」
僕「は・・・はいっ!!」
雪菜「手伝います・・・です」
美鈴「そんなに沢山は無いから弟クン1人で平気よ」
也幸「・・・・・(?????)」
わー、いくら美鈴ねえさんでも強烈なもの見せちゃったなー、
ていうか僕もびっくりなんだけど、いつもこんな風だと思われたら大変だ。
美鈴「行くわよ」
僕「はい・・・みんな先に食べてて」
美鈴「みんなまたね・・・也幸くんも、またねー」
也幸「!!!(コクコクコクコク)」
雪沙「もぉかえっちゃうのぉ〜?」
一旦僕の部屋へ・・・
これは怒られそうだなぁ・・・
僕は何も悪い事してな・・・いや、そうとも言えないよな・・・
美鈴「弟クン」
僕「はいっっっ!!」
美鈴「初島どうだった?」
僕「凄く楽しかったです!豪華で・・その・・・本当にありがとう」
美鈴「ちょっとハメ外しすぎちゃった?」
う・・・向こうでの事を、予測されてる!!
老猫「ふにゃ・・・」
僕「あ、餌を食べてる!」
美鈴「エリザベスカラーがまだちょっと邪魔そうね」
僕「仕方ないですよね、手術しちゃったから」
美鈴「凄い金額取られちゃったでしょー・・・あ、雪菜ちゃん、御飯食べなさい!」
え?あ、廊下からこっそり覗いてる!
とたとたとたとた・・・
逃げちゃった。
美鈴「弟クンが怒られやしないか心配で見に来たみたいね」
僕「その・・・ごめんなさい、また猫を入れちゃって」
美鈴「こうなった以上、飼うしかないわねー、かなりの年齢みたいだし」
老猫「にゃ・・・・・にゃぁ・・・」
僕「手術代もかなり払っちゃいましたからね、面倒みないと」
もう怪我が治ってから野良に帰すのは無理そうだ。
美鈴「さ、お土産持った?」
僕「はい・・・じゃあ下へ」
美鈴「車までお願いね」
本当なら美鈴ねえさんだけでも十分持てる量だけど、
きっと話たい事があるのだろう、素直に玄関からエレベーターへ・・・
美鈴「あの管理人さんには気をつけなさい、嫉妬しちゃってるから」
僕「やっぱりそうですか・・・いい歳して」
美鈴「あら、年齢は関係ないわよ?まぁ、アプローチに問題はあるわね」
僕「やっぱり解雇した方がいいんでしょうか」
美鈴「それは君が決める事だけど、君がしっかりしてれば大丈夫なんじゃない?」
1階について駐車場へ・・・まだ午前なのに暑い!
美鈴「蒸し暑いわねー、今夜雨らしいわよ」
僕「そうなんですか?初島では雨全然降らなかった」
美鈴「予報では夕べ雨かもって話だったんだけどね、あてにならないわね」
車にお土産を載せる、涼しい・・・
美鈴「はい、猫ちゃんの籠」
僕「あ!猫猫園に置いてきたんじゃなかったんだ」
美鈴「犬にも使えるし、また弟クンの所に猫が拾われてもいいようにね」
僕「まさか僕らが猫拾ってる頃だって予測して持ってきてくれたんですか?」
美鈴「まあね・・・と言いたいけど、そんな訳ないでしょ、いくら私でも超能力者じゃないわ」
だよなぁ・・・いくら先読みが鋭いって言っても。
僕「じゃあ最初から載せたままで?」
美鈴「・・・ま、もういいでしょ・・それはね、雪菜ちゃんから電話があったの」
僕「ええーーー?電話してたんですか?」
美鈴「何かあったらって携帯の番号教えてあったの知ってるでしょ?」
僕「それでSOSを出して・・・だから来てくれたんですか」
でも、それじゃあ、僕と三姉妹との生活は、筒抜け・・・?
美鈴「まあ、来た理由はそれだけじゃないわ」
僕「他にも何か・・・?」
美鈴「弟クンたちが留守の間、相談所の方がこっちへ見えたのよ」
僕「えっ!?そんな約束してましたっけ?」
美鈴「してはないけどしてるわね、日にちは指定してないけど、またくるって」
僕「つまり、抜き打ち検査・・・?」
美鈴「そうよ、よかったわねー、雪巳ちゃんのあんな姿を管理人さんや相談所の人に見られなくって」
・・・・・変な汗が出てきた。
美鈴「ああいう格好で遊ぶのはかまわないわ、私なんかもっと凄い格好するし」
僕「一応、台所に引っ込んではいたみたいだけど・・・」
美鈴「もっと、世間っていうものに注意しなくちゃ駄目よ?人の目はどこにあるかわからないから」
僕「はい・・・気をつけます、あの子たちにも言っておきます」
美鈴「そうよ、児童相談所の人にも、ちょっとまずい事になっちゃったんだから」
まずい事?何かあったのか?
僕「何か起きたんですか?」
美鈴「相談所の人がみえて、誰もいないからって下の雛塚家へ行ったみたいなの」
僕「それで?」
美鈴「あの子たちも弟クンもどこ行ったか知らないって言われたみたいで」
僕「あっちゃー・・・ちゃんと言ってなかったっけ」
美鈴「それで私の携帯に電話が来たのよ、そこでようやく事情を説明して」
僕「よかった・・・じゃあもう大丈夫ですね」
美鈴「良い訳ないじゃないの、まあ管理人さんじゃなく私に先に聞いてきてくれたのは良かったんだけど」
もし管理人の所へ行ってたら、騒いでただろうなー。
僕「やっぱり相談所にも旅行先言った方が良かったですか?」
美鈴「そこまでしなくてもいいけど、まずいのは私の事よ」
僕「えっ?美鈴ねえさん何かしたんですか?」
美鈴「つまり、相談所の人は私がついてるから安心してた部分もあるの」
僕「それって、美鈴ねえさん抜きで旅行に行ったのが、まずいと?」
美鈴「それより、このへんはうまくぼかしてたんだけど、私が実は一緒に住んではいないって事」
僕「美鈴ねえさんが、僕と一緒に住んでる事になってたんですか?」
美鈴「そう匂わせていたのよ、でも今回の事で、もう聞かれたら嘘はつけないわ」
最初から嘘はついてないけど、
ニュアンスみたいなものでごまかしてたって事か・・・
美鈴「旅行から戻ったら連絡させるって言ってあるから、弟クン電話しなさい」
僕「はい、今夜にでも!」
美鈴「夜じゃ駄目、夕べ帰ってきたんでしょ?家に戻ったらすぐしなさい!」
僕「わかりました・・・ありがとう」
美鈴「で、今回は私はその訪問には立ち会わないわ、弟クンたちだけで何とかしてちょうだい」
そっ、そんなあっ!!
僕「難しい・・・ですね」
美鈴「でも、これからあの子たちと住むには通らなければいけない道よ?」
僕「はぁ・・・・・う〜ん・・・」
美鈴「まさか、ここまできてもうあの子たちを貰わないっていう気じゃないわよね!?」
僕「ここまでって、夏休み終るまでだったは・・・ず・・・・・」
怖い顔してる・・・
まさか雪菜ちゃん、美鈴ねえさんに、
あんなことやこんなことまで話しちゃったのか!?
美鈴「ま、いいでしょ、決めるのは弟クンだからね」
僕「はっ・・・・はいぃぃぃ・・・」
美鈴「もうちょっと言いたい事があるけど、それは今度」
僕「まだあるんですか!?」
美鈴「今回を乗り切ったら話してあげる、がんばるのよ!さ、降りて降りて!」
こうして美鈴ねえさんは、
僕に重い重い宿題を残していった・・・
旅行で浮かれて遊んでた分のツケが来たみたいだ。
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