ごちそうさまをして鰻屋を出た、

おしぼりで拭いてもまだ味がついているのか、

まだ唇を舐め続ける雪沙ちゃん、ペコちゃん人形みたいだ。

 

僕「さあ、熱海城へ行こう」

雪巳「ロープウェイ乗り場はあっちだってー」

雪菜「お城・・・見てみたい・・・です」

雪沙「めいろみたいになってるのかなぁ〜?」

僕「景色とか見てみたいね、楽しみだな」

 

ちょっと歩くけど時間を潰してるんだし、

急ぐ必要もないからゆっくり歩こう・・・って、

僕と手を握ってる雪沙ちゃんがぐいぐい先へ急ぎたがってる。

 

僕「こらこら、暑いしのんびり行こう」

 

綺麗な青空・・・雨が降る気配すらないな。

 

・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・

 

雪沙「ねぇ〜、あそこぉ〜」

僕「ん?ゲームセンターだね、遊びたいの?」

雪菜「あそこの2階が・・・乗り場みたい・・・です」

僕「えっ?・・あ、ほんとだ!ここから山へ延びてる」

雪巳「ロープウェイ入口って看板もあるよー」

 

階段をあがって・・・チケットを買って・・・

乗り場でしばらく待っていると無人のゴンドラが降りてきた。

 

☆ロープウェイ☆

雪巳「ゆれてるーー」

僕「うん、船より揺れてる感じだね」

雪菜「ちょっとこわい・・・です」

僕「そう?座っちゃえばそうでもないと思うけど」

雪沙「きっと、かんらんしゃみたいなものだよぉ〜?」

 

中に入ると涼しい・・・すぐに扉が閉まって昇りだす、

僕はちょっと怖がってる雪菜ちゃんを隣にして座る。

雪巳ちゃん雪沙ちゃんは立ち上がってまわりの景色を見てる・・・

 

雪沙「あ〜、ゆうえんちがあるぅ〜」

僕「ほんと?本当だ、あれは・・・熱海後楽園ホテルの敷地だね」

雪巳「ホテルのなのー?乗り物いっぱいあるよー?」

僕「帰り、お城見終わったら寄ってみる?」

雪菜「泊まってないのに・・・入れる・・・ますか」

僕「うん、もちろん有料だろうけどね」

雪沙「わぁ〜い、ゆ〜えんちゆ〜えんちぃ〜」

 

グラグラッ

 

雪菜「きゃ・・・・!」

僕「こら!暴れちゃ駄目!」

雪沙「ごめんなさぁ〜い」

僕「もう座りなさい!」

雪巳「もうついちゃうよー?」

 

あっという間に終点についたみたいだ。

 

 

 

 

☆絵馬☆

雪巳「これなにー?」

僕「愛情岬だって」

雪菜「なんかいっぱい書いてある・・・です」

僕「絵馬だね、恋人同士が愛を書き込んでるみたい」

雪沙「かくかくかくかくぅ〜、おにぃちゃんとかくぅ〜」

 

しょうがないなあ、でも記念だから・・・

絵馬を1つだけ買ってマジックペンを借りる、

まずは今日の日付、8月16日っと・・あと名前と、あとは・・・

 

僕「あと何を書こう・・・」

雪巳「次、わたしー」

僕「わ!こら!まだ書いてる途中・・・」

雪巳「もうもらっちゃったもーん・・・んー・・・はいっ」

雪菜「次は・・・私・・・・・・書く・・・・・」

 

順番に回してる、最後は雪沙ちゃんに渡って・・・

 

雪沙「はいできたぁ〜、これぇ〜」

僕「ん?・・・・なんだこりゃ!」

 

僕の名前のところに愛々傘が!

しかも、隣にある名前が、雪巳、雪菜、ゆきさ・・・

男1人に女3人の愛々傘・・・なんて恥ずかしいんだ!!

 

雪巳「早く飾ろうよー」

雪菜「結ばないと・・・意味がない・・・です」

雪沙「ぢゃ〜ゆきさがむすぶねぇ〜」

僕「こらこらこらこらこら!!」

雪沙「・・・・・もぉ〜むすんぢゃったぁ〜〜」

 

あーあ・・・ま、いっか

 

僕「お城へ行こう、お城へ!」

 

さて、こっち・・・は秘宝館だ、あぶないあぶない。

熱海城の入口はどっちだろう?・・・あ、こっちだ、ええっと・・・ええ!?

 

☆ようこそ熱海城&秘宝館へ☆

僕「同じ入口かよ!」

雪沙「どぉ〜したのぉ〜?」

雪菜「ひほう・・・やかた・・・です」

雪巳「お城が秘宝館なのー?」

僕「そ、そんな訳はないはず・・・ちょっと覗いてみる」

 

・・・・・ほっ、先で道が別れてる。

 

僕「こっちだよ、ついておいで」

雪沙「はぁ〜い」

僕「別の道は、ぜっっっっったいに行っちゃ駄目だからねっ!!」

雪巳「はーーーい」

雪菜「お兄ちゃんに・・・ついていく・・・です」

 

ふう・・・秘宝館に間違って入っちゃう子供とかいないか心配になってくるよ。

 

 

 

 

 

☆熱海城からの景色☆

雪巳「いい眺めだねー」

僕「うん、海も山も見渡せるね」

雪菜「殿様の家だから・・・すごい・・・です」

僕「あそこが初島かな?」

雪沙「おふねもみえるぅ〜、ちっちゃ〜い」

 

なんか修学旅行みたいだな、

僕も小中学生まで戻ったような気分だ。

って、女子と一緒に行動するなんて事は夢にも思わなかったけど。

 

雪沙「このおしろを買って、べっそ〜にしようよぉ〜」

僕「ははは・・・いくらかかるんだろ」

雪巳「お城買うなら、ネズミーランドのお城みたいなのがいいなー」

雪菜「私は・・・お兄ちゃんが一緒なら・・・そこが・・・お城です・・・」

僕「雪菜ちゃん、凄く大人っぽい事いうね」

 

あ、顔が紅くなった・・・

まあ、よくよく考えると少女漫画に出てきそうなセリフだけどね。

 

僕「さ、後楽園ホテルの遊園地いこっか」

 

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