僕「・・・・・・・・・ZZZZZ・・・」
雪巳「お兄ちゃーーん、もう朝だよーーー」
雪菜「もうちょっとで・・・朝御飯の時間です・・・」
雪沙「おふろよ〜いできてるよ〜、めがさめるよぉ〜?」
僕「・・・ん・・・ぁ・・・あぁ・・・おはよ・・うっ・・頭痛い・・・」
目を覚ますと三姉妹のかわいい顔が取り囲んでる・・・
ぁう・・・頭クラクラズキズキ・・・思いっきり二日酔いになってる。
雪菜「お水・・・・・です」
僕「ん・・・ありがと・・・・んぐ・・んぐ・・・」
眼鏡の奥の心配そうな目・・・
あれ?みんな浴衣じゃない、Tシャツ姿・・・というか僕も股間がスースーする・・・
雪巳「洗濯物はもうバックに入れたよー」
雪菜「おうちに帰ったら、すぐ・・・洗うです・・・」
雪沙「ゆきさたち、も〜さきにおふろはいったよぉ〜」
僕「そっか、ありがと・・・あぅ!?」
布団から出るとパンツはいてない!
脱がされちゃってる、それに、胸や股間にキスマークの嵐・・・!!
雪巳「服着たら隠れる所にしかついてないよー」
雪菜「汚れちゃったパンツは・・・バックにしまった・・・です」
雪沙「おふろはいったらさっぱりするよぉ〜〜」
みんな僕が寝てる間に、
先に起きて夕べの宴の後始末してくれたのか・・・
おまけに、お先に風呂に入って洗い流して・・・僕も洗い流そう。
僕「じゃ、入るね・・・ありがとう」
・・・浴衣は思ったより汚れてない、
ひょっとしてティッシュか何かで拭いてくれたのかな?
だとしたら三姉妹の浴衣もそんな感じなんだろうな、よく気がきいてる。
と同時に、イケナイ事だっていう自覚もそれなりにはあるのだろう、
ばれたらとんでもない事になるっていう・・・うぅぅ・・・頭ズキズキこめかみジンジン・・・
浴衣を脱ぐと素っ裸だ、
部屋の隅にある湯船に入ると朝日がまぶしい。
・・・夕べはお盆だったのに、何て事を・・・うっすら覚えてる記憶が、生々しい。淫夢のようだ。
僕「・・・・・ふぅ」
三姉妹は夕べのことなど何も覚えてないかのように、
ケロッとテレビを見てる、いや、雪沙ちゃんがタオルを持ってきてくれた。
雪沙「えへへぇ〜〜」
僕「ありがとう」
雪沙「うんー♪」
・・・お湯の中に見える、
僕の胸にくっきりついたキスマーク・・・
お酒で酔って体が紅くなってる時につけられたせいか、
いつか家でつけられたときより、うっ血の跡がくっきりしてる気がする。
やだなあ、これが実は顔とかについてたら、外へ出歩けなくなっちゃうよ。
湯船に映った自分の顔を見る・・・
大丈夫だけど、唇がまだちょっと痺れた感覚・・・
雪菜ちゃんに拷問かっていうくらいディープキスされてたもんな。恐ろしい。
雪巳「テレビでー、夕方から雨だってー」
僕「そう?じゃあ早く帰らないとね」
雪菜「雨なのは・・・静岡で・・・東京は・・・わからない・・です」
僕「そういえば旅行中、雨降らなかったね」
雪沙「きっといいこにしてたからだよぉ〜」
いい子、か・・・ほんとにそうか!?
どっちかっていうとバチが当たりそうで、怖いんだけどなぁ。
朝食を食べ終え、帰りにお土産売り場を覗く。
僕「後は帰るだけだから、買って帰りたいのあったら言ってね」
雪沙「でもぉ、ゆきさはズボン買ってもらったよぉ〜?」
僕「もうちょっとくらいならいいよ」
犯されたようなものとはいえ、
夕べあんな事があったんだ、少しでも罪滅ぼししたい・・・
でも、あんまりたくさん買ってあげるのも、お金や物で釣ってるみたいで嫌だよな。
雪巳「じゃー、こっちがいいー」
僕「え?そっちは服とかある方だよね?」
雪巳「今日のお土産じゃなくってー、明日から使える服がいいー」
そう言いながら手にしてのは・・・
雪巳「この新しいエプロンいいなー」
僕「おっきいね、黄色いエプロンに水色の花模様か」
雪巳「これなら明日からのお兄ちゃんの世話に使えるでしょー」
うーむ、雪巳ちゃんも雪巳ちゃんで気を使ってくれてるみたいだ。
雪沙「ゆきさ、ズボンかってもらったからがまんするぅ〜」
僕「遠慮しなくてもいいよ、本当にないの?」
雪沙「ぢゃ〜・・・ゆきなおねぇちゃんにふたつかってあげてぇ〜」
そう言われた雪菜ちゃんは2つを手にして迷ってる。
僕「どうしたの?」
雪菜「このスカーフと・・この大きい帽子・・・どっちがいい・・ですか」
僕「そうだね、どっちもいいね」
雪菜「じゃあ・・・安いほうにする・・・です」
雪沙「あ〜、ぢゃ〜ゆきさ、そのすか〜ふ、ゆきなおねぇちゃんといっしょにつかう〜」
なるほど、雪沙ちゃんの分をこのスカーフにして、
それを雪菜ちゃんも使うようにすれば万事解決か、小5なのに頭いいな。
・・・前に雪菜ちゃんが機転をきかせてズボンをうまく買ったお礼みたいなものなのかな。
僕「よし、じゃあこの夏用の帽子と緑のスカーフと、黄色いエプロン、これでいいね」
雪巳「ありがとー、お家帰ったらすぐにつけてみるねー」
雪菜「私は・・・これ・・・部屋に戻ったら・・・つけたい・・・です」
雪沙「ゆきさもおおきくなったらおさがりもらうのぉ〜」
僕「ははは、じゃあ会計を済ませてくるから待っててね」
買った以上、僕も早く見たくなってきたぞ。
部屋で歯を磨き終え、
いよいよホテルを出る時間だ。
忘れ物が無いようにチェックして、と・・・
雪巳「ここももーお別れだねー」
雪菜「花火・・・綺麗・・・・・でした、とっても・・・」
雪沙「も〜いちにちいられないのぉ〜?」
僕「きりがないからね、お金もかかるし・・・さあ、出よう」
部屋に別れを告げエレベーターへ・・・
お風呂でサッパリして朝食を食べたおかげか二日酔いも大分良くなった、
さあ、後はフロントで支払いをするだけだけど・・・・いくらかかるんだろう!?さあ着いたぞ。
僕「チェックアウトをお願いします」
フロント「707号室のお客様ですね・・・それでは5万3830円になります」
僕「はっ、はい、じゃあ・・・カードで」
安い・・・1泊分を計算するとネズミーシーのホテルより安い!
4人分の食事に、あとクルーザーとかビーチの貸切もついてこの値段!
もちろん大金だけど、お徳すぎる・・・あ、子供料金が3人分あるからかな?
あとは、そもそも会員制ホテルだから、その会費でベースとなるお金は引いてあるのかも?
そうだとしたら、美鈴ねえさんに大感謝だな・・・これなら兄や美鈴ねえさんも来れば良かったのに・・・忙しいか。
フロント「それではここにサインを・・・」
僕「はい・・・・・・・・はい、どうぞ」
フロント「こちらがお客様の控えになっております・・・では、またのお越しをお待ちしております」
全て済ませてホテルを出ると、
港までの送迎バスが待ってくれていた。
僕「お、また貸切かな?・・・あれ?みんな乗らないの?」
雪巳「歩いて行きたーい」
雪菜「この島ともお別れだから・・・歩いて見ていきたい・・・です」
雪沙「おにぃちゃんも、おさんぽしようよぉ〜」
僕「う、うん・・・そういう事なら、歩いて行こうか」
どうせ帰りは下りなんだし。
僕らは潮風を香りながら、てくてく道を歩く・・・
まだ午前10時ちょっとだから、日差しも強くなくて丁度いいや。

雪菜「お兄ちゃんの買ってくれたの・・・似合う・・・ですか」
大きな帽子にグリーンのスカーフ、
髪の毛がさらさら揺れて、かわいらしい。
僕「とっても似合ってるよ」
雪菜「嬉しい・・・です」
雪巳「お兄ちゃん、こういうのが好きなのー?」
雪沙「ゆきさもぉ、もうちょっと大きくなったらこうするぅ〜」
僕「はは、この格好じゃなく、それぞれに似合う格好がいいよ」
とはいえ、つい雪菜ちゃんに見とれちゃうな・・・
雪巳ちゃん雪沙ちゃんが嫉妬しない程度にしとかないと。
さあ、坂道を下って・・・第二港が見えてきた、真理奈さんの船は・・・
僕「あったあった、マリーナ号だ」
雪巳「挨拶していくー?」
僕「んー・・・忙しいかも知れないからやめとこう」
雪沙「だまってばいばいしちゃうのぉ〜?」
僕「顔だけでも見せていったほうがいいかな?」
雪菜「でも・・・時間かかっちゃう・・・です」
僕「確かに寄り道して船に遅れたらまずいもんね、ま、いっか」
そのままてくてく歩き、
やがて第一港についた、
熱海湾への出航時間は・・・あと20分か、丁度船が来た所だ。
雪巳「降りてくる人もいっぱいいるー」
僕「そうだね、今日から泊まる人もあれだけいるって事だね」
雪菜「いっぱい客引きやってる・・・です」
僕「そうそう、僕らが来たときも凄かったっけ」
雪沙「あぁ〜、あそこぉ〜、まりなさんだよぉ〜」
ほんとだ!釣り客を捕まえたいみたいだな。
クルーザーが空いてるのか、他の釣り船のお手伝いでもしてるのか・・・
真理奈「釣りはこっちだよー、船を貸切できるよーーー」
・・・お客の側から見るとちょっとうるさいけど、
働いてる真理奈さんからすると必死で大変なんだろうなぁ・・・
あ、船で来た人がみんな行っちゃった、真理奈さんは空振りだったみたいだ。
真理奈「ちぇっ・・・次の船まで待つしかないかな・・・」
雪沙「こんにちわぁ〜〜〜〜」
雪菜「おはようござい・・ます・・・です」
雪巳「こんにちわかなーおはようかなーどっちでもいっかー」
真理奈「あ!もう帰っちゃうの?もうちょっと遊んでいけばいいのに」
今度は船に乗って帰る人が列をなして入っていく。
僕「お世話になりました、ありがとう」
真理奈「また来てよ、今度はボクの船、1日貸切とかどうかな?」
僕「はは、機会があったら、覚えておくよ」
猫「にゃ〜にゃ〜」
雪沙「ねこさんたちも、おみおくりぃ〜?」
足元に猫がちらほら・・・
普通に釣り客の魚目当てだと思うんだけど。
真理奈「じゃあまたねー、ボクも覚えておくからー」
猫「にゃ〜〜〜」

猫ひろってバイバイしてる。
雪巳「またねーー」
雪菜「お仕事・・・がんばって・・・ください・・・」
雪沙「ねこさんもばいば〜〜〜い」
僕「さようならー」
真理奈「初島にまたいらっしゃーーーい!」
思いがけないお見送りを後に、
僕たちは船の奥へ入って行った。
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