食事とお風呂を終え、部屋でのんびりくつろぐ。

楽しかった旅行も、明日にはもう帰らなきゃいけない。

 

僕「あっという間だったなぁ・・・」

 

でも濃い3日間だった、

三姉妹と、より親密になれたというか、

1人だけ物凄く親密になれたとでもいうか・・・特に今日は・・・ね。

 

僕「ちょっと今日のデートは興奮しちゃったかも・・・させられちゃった、っていうのが正しいかも」

 

それより三姉妹はどうした?

部屋の中にはいない・・・と思ったらベランダに出ていた。

 

僕「どうしたの?海でも見てるの?」

雪巳「お兄ちゃーん、あれー」

 

ひゅーーーーー・・・どーん!!

 

僕「わ!綺麗な花火だな、それにでかい!」

雪菜「この島から打ち上げてるみたい・・・です」

僕「ド迫力だなぁ、下から見上げる花火って初めてだよ」

 

☆花火〜♪☆

 

ひゅーーードーン!

ひゅ〜〜〜ドーーーーン!!

ひゅうううぅぅ〜〜〜・・・どーんどーん!!!

 

僕もベランダに身を乗り出して見上げる、

マンションの最上階から見る遠い花火と違い、

その迫力、色彩の鮮やかさ、何より熱さが感じられる。

 

雪巳「こんなのはじめてー」

雪菜「ほんとうに・・・きてよかった・・です」

雪沙「これぇ〜、しゃしんとりたぁ〜い!」

僕「・・・・・」

 

ぼーっと見とれながら考える。

何となく三姉妹もこの花火のように、

遠くて綺麗なものから近くて温かみのある関係に

変わってきたような気がする。ちょっとうるさいけど・・・

どんどんどんどん近くなった三姉妹と僕の関係は、これからどうなるんだろう。

 

・・・・・いや、どうするんだろうか?僕は。

 

雪巳「ジュース飲んでいいー?」

僕「うん、いいよ、冷蔵庫の飲んでも」

雪沙「オレンジじゅ〜すぅ〜」

雪菜「冷たいお水・・・・・いただくです・・・」

僕「じゃあ僕も何か持ってきてよ、何でもいいよ」

 

☆打ち上げ花火〜♪☆

ヒューーーーー・・・ドドドーーーン!!!

 

火花でも降ってきそうな勢いだ、

実際は落ちてこないように計算されてるんだろうけど・・・

・・・・・そういや三姉妹にしても、たまーに、

これって計算してるのでは?って事あるよな、

もちろん僕の考えすぎで、天然な事もあるんだろうけど。

 

雪巳「あー、これジュースじゃなーい!」

僕「どうしたの?冷蔵庫で騒いで」

雪巳「この氷結って書いてある缶、ジュースじゃなかったー」

僕「飲んじゃったの?」

雪巳「うーんー、まだあけただけー」

 

しょうがないなぁ。

 

僕「飲んであげるから持ってきてよ」

雪巳「えー、いいのー?」

僕「うん、流しちゃうのはもったいないからね」

 

贅沢しすぎたから、捨てさせちゃ教育にも悪い。

 

雪巳「はーい」

僕「ありがと・・・よく見るとお酒って丸で囲んで書いてあるね」

雪巳「気がつかなかったー」

僕「しょうがないよ・・・チューハイで良かった、これなら大丈夫」

雪巳「ごめんねー・・・お兄ちゃんありがとー」

 

んぐんぐ・・・よく冷えてておいしい。

 

雪沙「オレンジジュースおいしい〜〜〜」

僕「あ、雪巳ちゃん、ジュース取り直していいよ、飲みな」

雪巳「うんー・・・あー、雪菜どうしたのー?」

雪菜「・・・・・私も・・・間違えたです・・・」

僕「え?お水飲んだんじゃ・・・?」

 

持ってきたのは蓋の開いたワンカップ大関!?

 

雪菜「ごめんなさい・・・お水と・・・まちがえ・・た・・です・・・」

僕「ほ、ほんとに?うそー?それはちょっと強引・・・」

雪菜「・・・・・ほんとに・・・まちがえた・・・です・・・ひっく・・・」

 

あ、泣いちゃいそう!

 

僕「あーー、もういいよ、それも呑むから!」

雪菜「・・・・・」

僕「冷たいお水が飲みたかっただけなんだよね?」

雪菜「・・・・ちがう・・です・・おうちと・・まちがえ・・・て」

僕「え?家と間違えたって?」

 

雛塚家では雪菜ちゃん、お酒呑んでるのか!?

 

雪菜「冷蔵庫あけたとき・・・お父さんが酔って暴れてたの思い出して・・・」

僕「・・・それで慌ててワンカップ開けちゃったのか」

雪菜「はやく渡さないと・・・何かとんでくるから・・・」

僕「かわいそうに・・・いいんだよ、全部僕が呑むから」

雪菜「ありがとう・・・・・ごめんなさい・・・・・」

 

とはいえ缶チューハイにワンカップ大関・・・

花火を見上げながらお盆に僕は何やってんだろう。

 

雪沙「オレンジジュースも〜のんぢゃった〜、もっと〜」

僕「いいよ他のも飲んで。雪菜ちゃんもね」

雪菜「・・・・・水道のお水・・・いま飲んでます・・・」

僕「チューハイって思ってたより呑みやすいなぁ」

雪巳「ジンジャーエールもらったよー、おいしいー」

 

☆花火がいっぱい〜♪☆

ドーン!ドドドドドーーーン!!

ドンドンドーーン!!!パチパチパチ・・・・・

 

僕「綺麗だから見とれて缶チューハイ全部呑んじゃったよ」

雪沙「ここにおふとんひいてねたぁ〜い」

僕「花火見上げながら寝るの?眩しいよ」

雪巳「でもー、ここ星が綺麗だから星見ながら寝たいかもー」

僕「そうだね・・・う、ワンカップ、アルコールきつっ」

 

猫のようにちびちび舐める・・・

でも花火を見ているうちに自然にカップが傾いて・・・

・・・社会に出たら宴会でお酒飲まされる事もあるんだ、

その練習のつもりで一気にいっちゃえ!でも、あれ?確か、

一気って危険だったような・・それに頭がなんだかクラクラ・・・

 

雪菜「お兄ちゃん・・・顔が・・・真っ赤・・・です」

雪巳「ほんとー、花火がお兄ちゃんの顔にうつっちゃったー」

雪沙「ほっぺにー、コーラのびんつけてあげるぅ〜〜」

僕「あ〜〜〜・・・花火がいっぱい・・・お酒全部のまなきゃ・・・」

雪菜「あごから・・・こぼれてる・・・・・です」

 

・・・・・・・・のんだ〜〜〜〜〜もうだめぇ〜〜〜〜〜〜・・・・・

 

雪巳「ふらふらになってるー」

僕「ね・・・寝る・・・・寝るうぅぅ・・・」

雪菜「だいじょうぶ・・・です・・・か」

僕「ベット・・・あう・・こける・・・」

雪沙「ゆきさにつかまってぇ〜〜〜」

 

違う種類のお酒を2本いちどに呑むと酔いやすいんだっけ・・・?

 

雪巳「ベットこっちだよー?」

僕「・・・・・もうだめ・・・床でいいや・・・」

雪菜「きたない・・・です・・・」

雪沙「たたみのへやにいこ〜よ〜〜」

僕「ん・・・もうどうにでも・・・・して・・・」

 

ごろん、と畳みに寝かされる・・・

くらくらくらくら天井がまわってるぅ〜〜・・・

三姉妹の顔もまわってて・・・あ・・・ルーレット・・・

誰で止まるなのかなー・・・止まった女の子と恋人に・・・

でも・・・どんどんルーレットが早くなって・・く・・暗くなってきて・・・あああぁぁ・・・・・

 

雪菜「お水もってくる・・・です」

雪巳「お布団に入れてあげるー」

雪沙「あせふいてあげるぅ〜〜」

雪巳「タオル水で濡らしてきてー」

僕「・・・・・・(きゅうううぅぅぅ〜〜〜・・・)」

 

ああぁぁぁ・・・そういや・・・

前も・・・こんなこと・・あった・・よ・・ぅ・・・な・・・・・

 

ドーン!ドーン!・・・ドドドーーーン!!!!!

 

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