よし、雪菜ちゃんと行こう。

 

僕「今日は雪菜ちゃんと、のんびりしたいな」

 

その言葉に、嬉しそうにはにかんでる。

 

雪菜「はい・・・・・です」

 

あ、顔が紅くなった・・・

 

雪巳「えー、私とだってのんびりできるよー」

雪沙「ゆきさものんびりのんびりのんびりるぅ〜」

僕「のんびりるって何だよ・・・雪菜ちゃんと行くから2人は2人で遊んでてね」

雪菜「あの・・・水着用意する・・・・・です」

僕「じゃあ僕も・・・みんな1時半くらいに部屋集合ね、お昼はみんなで食べよう」

 

昼食も別々だと、雪巳ちゃん雪沙ちゃんそこまで我慢できそうにないしな。

 

雪巳「いいもーん、エステで綺麗になるからー」

雪沙「ゆきなおねぇちゃん、おにぃちゃんに、てぇだしちゃだめだよぉ〜」

雪菜「・・・・・準備できた・・・・・です」

僕「よし、僕もこれで大丈夫、1時半にはここに戻ってきてるようにね」

雪沙「おにぃちゃんにはやく会いたいからおくれないよぉ〜」

 

・・・そんなこと言われると、ちょっと胸が痛むな。

でも誰か1人を選んでみることに決めたんだ、別に悪い事じゃない・・はずだし。

 

僕「じゃあ出るよ、鍵は僕が持ってるから、僕らより先に戻ったらロビーかどこかで暇潰しててね」

雪巳「うんー、エステの券も持ったー」

雪沙「さみしくなったらぁ、おにぃちゃんをさがしにいっちゃうかもぉ〜」

僕「3・4時間くらい我慢しなさい!さあ出た出た出た」

雪菜「あ・・・タオル・・・・・おっきいの・・・・・」

 

バスタオルも風呂場から借りて、と・・・

ドアを閉め、廊下を歩いてエレベーターに乗り込む・・・まだ4人で。

 

雪沙「えへへぇぇ〜、もうすぐ会えなくなるからいまのうちにさわるねぇ〜」

僕「こら、べたべたしない!外から見えるんだから」

雪巳「私もー、お兄ちゃんに忘れられないようにするー」

僕「どうせ昼食ですぐ会うんだから!」

雪菜「・・・・・・・」

 

なんてやってるうちに1階についた。

 

僕「ビーチはあっちだから、じゃあね」

雪沙「ん〜、さいごにちゅ〜〜」

僕「だーめ!そのかわり・・・なでなで」

雪沙「わぁ〜〜〜い」

雪巳「私も私も私もーーーーー!!」

 

なでりなでり、と・・・

 

雪沙「えへへぇぇ〜〜」

雪巳「じゃあ後でねー」

僕「はいはい、綺麗になっておいで」

 

ようやく納得してホテル敷地内の方へと歩いていった・・・

ふう、ちょっと分かれるだけでもこんなに苦労しちゃうもんだ。

 

雪菜「・・・・・・・」

僕「じゃ、行こう」

雪菜「・・・・・・・・・はい・・・です」

 

きゅっ、と雪菜ちゃんの方から手を握ってくる、

ひょっとして、軽く嫉妬しちゃったのだろうか。

さ、さて、さてと・・・プライベートビーチ、僕らのは・・・

 

☆海岸へ☆

僕「確かこっちのはず・・・あったあった」

雪菜「この奥みたい・・・です」

僕「そうだね、看板の通りだとこの小道みたいだ」

 

・・・とはいっても先が見えない、

道はあるけどまわりが草木でいっぱい・・・

本当にこの先に海岸があるのかなー、ちゃんとしたビーチが・・・

 

僕「足元気をつけてね」

雪菜「お兄ちゃんが・・握ってくれてるから・・・」

僕「うん、手を離さないようにね」

 

海岸へ進んでるはずなのに、

なぜか山奥へと入っていくような感覚・・・

でも波の音がちゃんと近づいてるから、もうすぐ・・・

 

僕「あれ?道が・・・ない?」

雪菜「くだり・・・です」

僕「ほんとだ、細い道がそのまんま階段に変わってる」

 

☆海岸への階段☆

傾斜が急だし、しかも暗い。

 

雪菜「お兄ちゃん・・・」

僕「うん、じゃあ・・・」

 

抱きかかえてあげたいけど、それにはちょっと重過ぎる。

ここはペースを雪菜ちゃんに合わせて、ゆっくり一歩ずつ・・・

 

きゅっ

 

僕の胸に抱きついてきた、

髪の良い香り・・・を、潮風が打ち消す。

ならばと胸に雪菜ちゃんのぬくもりを包み込みながら階段を降りていく。

 

ザッ、ザッ、ザッ、ザッ・・・・・

 

僕「ほらもうすぐだからね」

雪菜「・・・・・・・・・・」

 

あれ?雪菜ちゃんの足がさらに慎重になった、

まるで僕の胸の中で階段を降りる時間を、もっと稼ぐように・・・

・・・ここならもう傾斜もゆるいし、そーれ!!

 

ガバッ!!

 

雪菜「きゃ・・・!?」

 

一気に抱きかかえて階段を降りる!!

 

たたたたた・・・・・

 

僕「はい、到着」

 

降りた所に広がっていたのは、

紛れもなく白い砂浜のビーチだった。

 

☆プライベートビーチ☆

僕「確かに砂浜だけど、ミニビーチだね」

雪菜「でも・・・2人なら気にならない・・・です」

僕「うん、ひと家族用って大きさだね、それに奥まってるから人目につかない」

 

崖の下って言っていいくらいの場所だから上から覗けないし、

浅い入江みたいになってるから船も近づけない、岩のおかげで波もおだやか。

まさに秘密のプライベートビーチだ、誰にも邪魔されずに泳げそう。

 

僕「じゃあ着替えようか」

雪菜「その・・・着替えるとこが・・ない・・・です」

僕「うん、更衣室もシャワーもないね、しょうがないよ」

雪菜「トイレもない・・・・です」

僕「あと、ビーチなのに監視員さんもいないね」

雪菜「・・・・・いた・・・です」

僕「え?どこどこどこ?うそー?」

 

視線の先を見ると・・・

 

☆猫の監視員☆

猫「にゃぁ〜〜〜」

 

砂の上でごろんごろん転がってる・・・

気持ち良さそう、日なたぼっこかな?

足でもつって、いざとなったら助けてくれるんだろうか。

 

僕「上からは覗けないし、海からも船は見えないよ」

雪菜「ん・・・・・」

僕「だから樹の陰で・・・そうだ!僕がバスタオル広げててあげる」

 

樹の前でバスタオルを両手で垂らす、

ちょっとUの字にすることで体をかなり隠せるだろう。

 

僕「これでいい・・・かな?」

雪菜「・・・・・・・・はい・・・・・です」

 

間に入り込んで、いそいそと着替え始める・・・

僕は見ないように見ないように真上を見るんだけど、

服を脱ぐ音、特に下着をしゅるしゅる脱ぐ音が耳に入って、想像できてしまう・・・

 

ごそごそ・・・ごそごそごそ・・・・・しゅるしゅるっ・・・

 

雪菜「お兄ちゃん・・・」

僕「・・・・・」

雪菜「おにい・・・・ちゃん・・・・・」

僕「・・・・・・・・・え?な、なあに?」

雪菜「着替え・・・おわった・・・・・です」

 

その言葉に顔を下ろす・・・

無事終わったようだ、でも誰もいないのに、

あいかわらず水着の上に何かさらに着てる、上も下も・・・

 

僕「雪菜ちゃん、あ・・・あのね・・・」

雪菜「・・・・・はい」

僕「その・・・・・僕も着替えるから、ちょっと離れててくれないかな」

雪菜「・・・今度は私が・・・持ってる・・・です」

僕「いや、バスタオルでついたてしてくれなくてもいいからさ」

 

ちょっと離れて急いで服を脱ぐ、

そして速攻で海水パンツに・・・はい終了!!

 

僕「じゃあ準備体操ね」

雪菜「はい・・・」

 

・・・・・う〜ん、準備体操してると、

雪菜ちゃんが腰に巻いてるスカートっぽいのが気になる、

ひらひらして中のグリーンな水着が・・・水着とわかっててもチラチラ見えると、えっちぃ。

 

雪菜「・・・・・?」

僕「あ、いや、その、なんだ、準備体操も眼鏡つけたままなんだね」

雪菜「砂浜だから・・・・・足元が・・・・・です」

 

・・・・・準備体操終了!

よし、思い切って言ってみるか。

 

僕「雪菜ちゃんにお願いがあるんだけど」

雪菜「なに・・・・・です・・・か」

僕「その、上に羽織ってるのと、下の、スカートみたいな・・・」

雪菜「パレオ・・・・・です」

僕「うん、そ、それをさ・・・外して・・・緑色の水着だけで・・・ね?」

 

・・・・・うつむいて紅くなっちゃった。

 

僕「大丈夫、他の人は見れないし・・・こらそこの猫!見るな!!」

雪菜「・・・・・ちょっと・・・はずかしい・・・・・・です」

僕「でも、その方が動き易いし泳ぐ練習にもなるかなって」

雪菜「お兄ちゃんに・・・見られるの・・・はずか・・・・し」

僕「い、嫌なら、どうしても嫌なら、あきらめるけど・・・」

 

何を今更はずかしがってるんだろう、と思ったけど、それが女の子ってものなんだろう。たぶん。

 

雪菜「わかっ・・・・た・・・・・です」

 

僕に背を向け、

海を見ながら脱ぎはじめる・・・

やがて鮮やかなグリーンの水着姿になると・・あ、海へ走り出した!

 

僕「そんなに走ると危ないよ!」

雪菜「・・・・・きゃ」

 

パシャッ!!

 

浅瀬で転んじゃった。

 

僕「怪我はない?」

雪菜「・・・・・」

 

近づいて見てみると・・・

 

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