☆レストラン&お土産☆

雪巳「レストラン大きいー」

雪菜「お土産も・・・売ってるみたい・・・です」

雪沙「でもまだおひるだよー?」

僕「疲れたからデザートか何か食べよう」

雪沙「わぁい、おやつおやつぅ」

 

身も心も疲れたプールを終えてレストランへ・・・

あれ?中はガラーンとしてて人がいない?本当に誰もいない・・・

 

僕「やってないみたいだね」

雪巳「でも涼しい〜」

雪菜「レストランの・・・ぬけがら・・・」

雪沙「つぶれちゃったみたいー」

僕「でもテーブルも椅子も綺麗・・・あ、あそこ!」

 

☆レストラン内部☆

カウンターに冷水機があって、

「ご自由にお飲みください」って書いてある。

エアコンがついてる事といい、ちゃんと整備はされてるみたいだ。

 

雪巳「お水くんでくるねー」

僕「手伝うよ」

雪沙「ゆきさがおにぃちゃんのはこぶ〜」

僕「あ、ありがとう」

雪菜「トイレいってくる・・・です」

 

レストランの窓からプールが覗ける、

あれだけ人がいるのに、なんでここ潰れちゃったんだろ?

・・・そうか、きっと港の食堂がお客さんを取り合ってたから、みんなあそこで済ますのかな。

 

雪沙「ん〜、せなかちょっとひりひりするう」

僕「どれどれ?あ、紅くなってるね」

雪沙「お水でひやす〜〜」

 

汲んできた冷水をピチャピチャつける。

 

僕「日焼けも酷いと火傷になっちゃうから、ホテルで薬塗ったほうがいいかな」

雪巳「私もちょっと焼けてきたかなー」

僕「うーん・・・どうだろうね、帰る頃には焼けてるかも」

雪巳「今はどうー?みてみてー」

 

シャツの首のところをずらし、

水着のヒモの跡をみせてくる・・・

 

僕「ちょ、ちょっと焼けてるね」

雪巳「やっぱりー?水着の跡ってすぐ治るよねー?」

僕「う、うん・・・・・多分」

 

それより中1の水着の跡を、

あんな風に見せられた事にドキドキ・・・

 

雪沙「ゆきさも〜〜」

僕「こ、こら、ここで服を脱ぐんじゃない!」

雪菜「ただいま・・・です」

僕「おかえり・・・あれ?そのアイスどうしたの?」

雪菜「買ってきた・・・です」

 

いつのまに!そしてどこで!?

 

雪菜「お土産売り場にあった・・・です」

僕「どこどこ?あ、あそこか」

雪巳「他に何か売ってたー?」

雪菜「シャツとか・・・帽子とか・・おもちゃ・・・」

雪沙「みたいみたーーい」

僕「それよりアイスのお金出してあげるよ、いくら?」

雪菜「400円・・・です」

 

ちゃんと渡してあげて、と。

 

僕「ありがとう・・・じゃあ、いただきます」

雪巳「いただきまーす!・・・おいしいねー」

雪菜「私は・・・モナカです・・・んむ・・・・」

雪沙「かき氷アイスおいしい〜〜、おにぃちゃんもひとくちぃ」

僕「ありがと・・・んー、おいしいね、じゃあ僕のカップアイス1口あげる」

雪菜「私のモナカも・・・かじって・・・」

雪巳「もう1個買っちゃおかなー」

僕「あんまり食べると、お腹壊すから!」

 

・・・なんか心が温かくなる。

人のいない、レストラン跡地の休憩所で、

100円のアイスを分け合って食べる・・・なんか家族だ。

豪華な食事ばかりで忘れてたけど、こういうのも幸せだな・・・

今までも三姉妹は数少ない食べ物や元気を、こうして分け合っていたのだろう。

 

僕「・・・・・さあ、みんな食べ終わったね」

雪沙「ごみすててくる〜」

雪巳「お水飲んだコップも戻すねー」

僕「えらいえらい・・・最後にお土産見ていこう」

雪菜「椅子ちゃんと戻すです・・・」

 

みんなしっかりしてる、

特に雪沙ちゃん、僕の家に来たばっかのときは、

靴を脱ぎちらかしたり食事もボロボロこぼしてたよなー・・・

 

 

レストランと繋がっているお土産売り場へ入る。

 

僕「静かだね」

雪巳「誰もいないよー?」

雪沙「でもいっぱいうってる〜」

僕「商品は豊富だね、貝殻のアクセサリーとかもある」

雪菜「ひものもある・・・です」

 

たくわんまで売ってる、

麦わら帽子もあって、PIKOのシャツも・・・

こっちは・・・アイスが入ってる、さっき食べたやつだ。

 

☆木のおもちゃ☆

雪沙「これおもしろ〜い」

僕「昔のおもちゃだね、木のやつだ」

雪菜「こういうの作れる人・・・すごい・・です」

雪巳「でも買ったら困りそー」

僕「1日で飽きそうだよね、でも飾り物みたいなもんだよ」

 

・・いや、也幸くんなら1ヶ月はもちそうだw

 

僕「買いたいのあった?」

雪沙「これ〜〜」

僕「貝殻の髪留めだね」

雪菜「これがいいです・・・」

僕「初島のポストカード・・・こんなのでいいの?」

雪菜「思い出に・・・する・・です」

雪巳「これ買っていいー?」

 

チリンチリン♪

 

僕「風鈴か〜、あるといいね、よし買おう!」

 

合計は・・・1400円か。

代金を払わなきゃ・・・ってどこへ?

 

僕「雪菜ちゃん、どこで払うの?」

雪菜「あそこ・・・・・です」

 

受付っぽい所に壊れたレジが置いてある、

その横に木でできた、しっかりした貯金箱が・・まさか!

 

「代金はこちらへお入れ下さい」

 

ここまで無人にしていいのだろうか?

まあ、離島だから悪い事しても船で出る前に捕まるか。

 

雪巳「黙って持ってく人とかいるのかなー」

僕「いたら嫌だね・・・はい、1400円、っと」

雪菜「監視カメラとか・・・ない・・ですか」

僕「あるかもね、従業員がいないからそれくらいはしてそう」

雪沙「いるよ〜〜?でぐちでみはってるぅ〜〜」

 

まさか・・・またか!?

 

☆お土産見張り猫☆

猫「・・・・・」

僕「ちゃんとお金入れたかチェックしてたみたいだね」

雪菜「目、そらしたです・・・」

雪巳「働き者の猫ばっかりー」

雪沙「おきゅうりょうはおさかなぁ〜?」

僕「餌あげてる人はちゃんといるんだろうね、さあ出よう」

 

外は夕方・・・

プールから帰るお客さんの流れができてる。

 

僕「まだちょっと蒸し暑い・・・」

雪沙「あしたもくるぅ〜?」

僕「うーん、でも混んでるし海水だしなぁ」

雪巳「じゃあ今夜くるー?」

僕「それはちょっと・・・」

雪菜「あ・・・あれ・・・・・綺麗」

 

☆夕方〜☆

丘の上では植物園の高い木木が黄昏ている、

まるで僕たちを見送ってくれているようだ。

 

雪巳「せっかく水着買ってもらったから、家に帰ったらプール行こー」

僕「うん、それがいいよ、お友達と行っておいで」

雪沙「ゆきさはおにぃちゃんといく〜」

雪菜「そのときは・・・私も・・・行く・・・・・です」

僕「みんなで行こうよ、豊島園でもサマーランドでも」

 

・・・とはいえ知り合いに見つかったら、ちょっと恥ずかしいよな。

 

雪沙「ぜったいだよぉ〜?」

僕「はは、多分・・・・・ね」

雪菜「たぶん、は、いや・・・です」

雪巳「来年でもいいよー?」

僕「か、考えとくよ、うん」

 

そろそろ決断を迫られてるのかな、僕。

家に戻ったら本格的に色々考えて調べよう、

養育費がどれだけかかるかとか、美鈴姉さんとかにも色々聞いて・・・

 

☆本来の入り口☆

やっぱり無人な正門をくぐり、

ホテルへ戻ろうと港へ向かって歩く・・・

 

チリンチリンチリン♪

 

雪巳「ほんとに良い音ー」

僕「気に入ったみたいだね」

雪巳「ホテルにもぶら下げるねー」

雪菜「・・・・・(ぎゅっ)」

僕「はは、雪菜ちゃんは僕にぶら下がってるんだ」

雪沙「ゆきさも〜〜」

雪巳「私もお兄ちゃんにぶらさがるー」

僕「わわ!服がのびちゃうから、そんなに引っ張らないで!」

 

・・・3人1度にぶら下がってきたら重いよ・・・

ほんと、この子たちの僕への想いも、重たいよなぁ・・・

 

雪巳「ねー、来年は隆幸連れてきちゃ駄目ー?」

雪菜「雅幸も・・・ここならきっとかんしゃく起こさないです・・・」

雪沙「也幸が来たらすっごくよろこぶよぉ、ねこだらけだもぉん」

僕「来年・・・来年かぁ・・・」

雪巳「ママもパパも来れたらいいなー」

雪菜「雪音と雪絵も・・・泳げるようになる・・・です」

雪沙「みすずねえさんもつれてきてもいいよぉ〜?」

 

・・・やっぱり本当の家族とも来たいよな、

血より濃い水は無いっていうし、寂しくなってきちゃったのかな?

そうだよな、ネズミーランドとシー行ったときは1泊2日だったし、

マザー牧場でもっと外泊したときの雪菜ちゃんはホームシックにかかってた。

僕がこの子たちと本当の家族になるのは・・・しっかりけじめをつけてからだろうな。

 

雪巳「む、無理にじゃないよー?」

雪菜「お兄ちゃんがいるのが・・・一番です・・・」

雪沙「おにぃちゃんとふたりっきりでもいいよぉ〜、そのほ〜がいい〜」

 

あれ?三姉妹が、あせってる?

きっと変な表情してたんだろうな僕が。

確かに、この子たちが家族の事をこうやって語るの珍しいから・・・

 

☆スキューバ基地☆

僕「あ、あれ見てごらん、スキューバダイビング受付だって」

雪沙「すっきゅ〜ばぁ〜〜?」

僕「そう、海に潜って泳ぐやつ」

雪巳「簡単にできるのー?」

僕「確か2・3時間くらい授業受ける必要があったかな」

雪菜「眼鏡かけて・・もぐれ・・・ますか」

僕「難しそうだね、お金もかかるし、雪菜ちゃんがやるなら高校に入ってからがいいかも」

雪沙「でもこどもよ〜も、ほしてあるよ〜?」

僕「ほんと・・・って、あれ沢庵だよ?」

雪巳「まぎらわしーーー」

 

さて、港からホテル直行バスを使おう・・・

 

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