ホテルで干した水着を回収して、
一息ついてミニ遊園地へ向かう僕ら・・・
向かうといってもホテルのすぐ隣だから、ちょっと歩けばすぐそこだ。

雪巳「灯台があるー」
雪菜「中・・・入れないみたい・・・です」
雪沙「がっかり〜」
僕「うん、中に入れるようにしてあれば観光に良いのにね」
雪沙「ゆーえんちいこ〜」
しっかり腕に絡み付いて先を急がせる雪沙ちゃん、
あんまりくっつくと暑い・・・そして背後の視線が涼しい。というか恐い。
雪沙「ねぇおにいちゃん」
僕「ん?どうしたの?」
雪沙「はしってふたりっきりになろうよぉ」
僕「だ、駄目だって!」
雪沙「なんでぇ〜?ねぇ〜〜〜」
甘い甘い声で誘ってくる・・・
これが大学生の女の子だったら恋愛ドラマみたいだけど、
相手は小学5年生だからな・・・あれ?後ろで2人が止まってる?
雪巳「こっちが入り口みたいだよー」
雪菜「看板でてる・・・です」
僕「ごめんごめん、行き過ぎちゃった」
雪沙「にゅ〜じょ〜りょ〜いくら〜?」
僕「さあ?ホテル宿泊者は無料のはずだけど」
地図だとこっちは確か裏門のはず・・・
僕「あ、ゴーカートコース!」
雪巳「ほんとだー、でも走ってないよー?」
雪菜「おやすみ・・です・・か」
雪沙「いりぐちどこ〜?」
僕「ええっと・・・なんか自動販売機があるぞ」

えっと、入場料400円・・・
まずはここで買わなきゃいけないらしい、
しかもこれ、500円玉が使えないやつだ。
僕「でも僕らは無料で入れるはず・・・だよな」
雪巳「証明するものあったっけー?」
僕「さあ?部屋にはなかったよね?多分」
雪沙「ゆうえんちのひとにきこうよぉ〜」
雪菜「でも・・・入場券渡す人が・・いない・・・です」
僕「ほんと?・・・うん、このまま真っ直ぐ行くと園内だね」
遊園地といっても大きい公園みたいに見える。
僕「見えないだけで先へ行くとどこかに門が・・・」
雪沙「あ〜〜〜〜!!ここだよぉ〜〜」
僕「ん?あ!あった!入場券販売機の隣に!!」

入場券はこの箱にお入れください、って・・・
いいのか?無人で・・・それで僕たちも素通りしていいのか?
って、人がいないんだからしょうがない、そうだ、ゴーカートで一応聞いてみよう。
雪巳「通っちゃっていいみたいー」
雪菜「いちおう・・・買い・・・ますか」
僕「いいやいいや、今から港側の入り口に回っても時間かかるし疲れるし」
雪沙「みんなだまってと〜れちゃうねぇ〜」
僕「こらこら、こういうのは信頼で成り立ってるんだから」
監視カメラくらいあっても良さそうだけど・・・
本当に誰もいない、ちゃんとした門すらもない。
雪沙「あ〜、みはってるぅ〜」
僕「え?何が?」
雪沙「ぢゅうぎょういんさんいるよ〜」
指をさした方を見ると・・・

仔猫「んにゃぁ〜」
僕「あ、こんにちは・・・」
雪巳「おじゃましまーす」
雪菜「ホテル泊まってる・・・から、入場券は無いです・・猫さん・・・」
雪沙「あそんでくねぇ〜」
入場券入れの向かいの岩に寝てる仔猫・・・
なるほど、あの猫がちゃんと入場券を入れるかチェックしてるのか、
さすが猫の島、従業員まで猫なんだな・・ってそんな訳ない。
僕「行くよ行くよ」
ゴーカートの入り口の方へぐるりと回る、
それにしても暑い・・・それに人の気配が無さ過ぎる・・・
雪菜「お休みじゃ・・ないです・・よね」
僕「夏休み期間はプールもやってるから毎日開いてるはずだけど・・・」
雪巳「ゴーカート乗り場あそこだよー」
僕「でも誰もいない・・・暑くてお休みかな?」
雪沙「ゴーカートのチケットうりばがあるよ〜」

1人乗り400円、2人乗り550円・・・
ここでも自動販売機か、注意事項が貼ってある、
えっと、運転は小学5年生以上でないとできません、か。
僕「これはお金出さないと・・・どうする?みんなでレースする?」
雪沙「ううん〜、みんなでデートするぅ」
僕「デート!?」
雪沙「2人乗りがいい〜」
僕「じゃあ、2人ずつに別れてレースしよう」
雪巳「じゃあお兄ちゃんと一緒に乗るー」
雪菜「私・・・運転むり・・お兄ちゃんに運転して・・ほしい・・です」
雪沙「ゆきさちっちゃいからおにぃちゃんのとなりがつりあうよぉ〜」
僕「うーん・・・4人で乗る訳にはいかないし・・・」
困ったなぁ・・・
雪菜「じゃんけんする・・です・・」
雪巳「みんな隣に乗れたらいいのにー」
僕「・・・そうだね、じゃあ僕3周するから1周ずつ順番に乗って!」
雪沙「おかねかかるよぉ〜?」
僕「2人乗り3回で1650円なら安い安い」
2人乗りチケットを3枚買って、っと・・・
僕「チケット入れは・・この隣の丸いカゴか」
雪沙「ごみばこみたぁい」
僕「・・・ほんとにゴミが捨ててある、悪い奴いるなぁ」
雪巳「でー、どうやって動かすのー?」
僕「んー・・・乗ってスイッチ捻るみたい」
従業員本当にいないのかな?
メンテナンスとかどうしてるんだろう、
何より事故とかあったら・・・ほんと、のどかな島だ。

僕「じゃあ最初は・・・酔い易い雪菜ちゃんから」
雪菜「ゆっくりはしって・・・です」
雪沙「つぎゆきさねぇ〜?」
僕「いいよ、雪巳ちゃん最後ね」
雪巳「待ってるー」
エンジンをかけて・・・
ブルルンッ・・・ブブブブブブ・・・・・
僕「よし・・・出発!!」
ブオーーーーー・・・
雪菜「きゃ・・・」
僕「しっかり安全ベルトに捕まってて!」
雪菜「ゆっくりが・・いい・・・です」
アクセルを浅く踏んで・・・
コースなりに走ると遠くに灯台とホテルが見える。
ブロロロロ・・・
僕「あれ?もう半分か・・・コース短いね」
雪菜「・・・・・」
僕「雪菜ちゃん?もう酔っちゃった?」
雪菜「そんなこと・・ない・・です」
僕「そう、それならいいけど・・・」
なんか僕のほうに傾いてる、
きっと体を密着させたいんだろうけどベルトで固定されてるから・・・
僕「どうせならホテルを一周するくらいのコース作ればいいのにね」
雪菜「・・・・・」
僕「でもそれじゃあ無人にできないか」
ぽーーーーーっと僕に見とれてる・・・
2人きりのドライブを、愛おしむかのように。
僕「もうついちゃった、雪沙ちゃんと交代だよ」
雪菜「・・・・・うん」
雪沙「ゆきなおねぇちゃんはやくぅ〜」
入れ替わってベルトをしっかりつける・・・
僕「2周目出発!」
雪沙「わぁいわぁい」
ブロロロロ・・・・・
僕「雪沙ちゃん、手とか出しちゃ駄目だよ」
雪沙「うん〜、はやくはしってぇ〜」
僕「すぐ終わっちゃうよ?」
雪沙「でもはやいほぅがたのしぃ〜」
僕「よし、じゃあとばすよ!!」
キキッ!ブオーーー・・・
雪沙「おにぃちゃん、うんてんじょぉずぅ」
僕「ほら、ドリフトだよ!」
雪沙「もっともっとぉ」
僕「・・・あー、もう終わりだ」
雪沙「もういっかいまわってもわかんないよぉ」
僕「だーめ!雪巳ちゃんと交代!」
雪沙「はぁ〜い」
素早く雪巳ちゃんに交代・・・ってあれ?僕のほうにきた?
雪巳「運転してみたーい」
僕「できる?まあ、ゴーカートだから難しくはないけど・・・」
雪巳「まかしてーーー」
よし、それじゃあベルトを外して・・・
僕が助手席へ、雪巳ちゃんが運転席へ座った。
雪巳「いくよーーー」
ブロロロロ・・・
僕「おお、ちゃんと運転できてるね」
雪巳「だって簡単そうだったもーん」
僕「そうだね、でも楽しいけどすぐ終わっちゃうのが・・・」
ブロロ・・・キキッ!!
僕「あれ?止まっちゃった」
乗り場から一番奥の、
丁度半分・折り返しのあたりでカートを止めた雪巳ちゃん。
僕「どうしたの?故障?」
雪巳「うーん、ちがうよー」
いそいそとベルトを外している・・・
何か落し物でもしたのか?と思ったら僕の首に腕を巻きつけて!
雪巳「お兄ちゃーん♪」
僕「わわっ!!」
唇を・・・重ねてきた!!
んちゅーーーーー・・・ちゅ・・
舌が入ってくるぅ・・・
ちゅちゅっ・・・にゅちゅっ・・・ちゅぷちゅぷっ・・・
僕がベルトしたままで身動きできないからって・・・
遠くで見てる雪菜ちゃん雪沙ちゃんは僕らがどうなってるか見えてるんだろうか?
それより・・・雪巳ちゃんの熱く情熱的な、本気のキスに・・・僕の脳みそが沸騰しそうだよぉ・・・
ぺちゃ・・・ちゅぴゅっ・・・にちゃっ・・・ぬちゅちゅ・・・れろれろぷちゅ・・・
雪巳「・・・・・・・んはぁっ」
たっぷりとキスをされてしまった・・・
満足げにヨダレをふきながら運転席へ戻る雪巳ちゃん、
僕は突然唇を奪われて放心状態・・・あ、カートが走り始めた。
ブロロロロ・・・・・
雪巳「もうつくよー?」
僕「う・・・・・うん」
雪巳「ほらーついたよーー」
ゆっくり停止する・・
あぁ、雪菜ちゃん雪沙ちゃんの顔が見れない・・・
雪沙「おかえりぃ、とちゅうでとまってたぁ?」
雪巳「ベルトおかしかったからかけなおしたのー」
雪菜「・・・・・」
僕「さ、行こう、次へ行こう・・・」
雪沙「あ〜、ぢゅうぎょういんさんがみてる〜」

すごくちっちゃい仔猫がじっと見てる・・・
かわいいカート係りさんだ・・・それより舌にまだ雪巳ちゃんの感触が・・・
雪沙「ぢゅうぎょういんさん、おかねちゃんとはらったよ〜」
雪菜「ゆきさ・・・いくよ・・・」
雪巳「待ってー、ジュース飲んでいいー?」
僕「いいよ、ジュースの自販機か・・・僕も飲もう」
雪沙「ゆきさものむぅ」
オレンジジュースで舌の感触を流そうっと。
それにしても油断しちゃったな・・・ああいう手でくるとは・・・
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