
今日から待ちに待った初島旅行だ!
東京駅で新幹線を待っている、晴れて良かったな〜・・・
とりあえず売店で朝食の駅弁を買おう、小分けできるのがいいな・・・
僕「スポーツ新聞も買って・・・雪巳ちゃん、欲しい雑誌ある?」
雪巳「んー、あんまないー・・・あ、これー」
僕「少女漫画ね、いいよ、雪菜ちゃんは?」
雪菜「持ってきたのが・・あるから・・・いい・・・です」
僕「じゃあ雪沙ちゃんは?」
雪沙「これとこれがいい〜〜」
僕「2冊?でも文庫本だからいいか・・・」
ネズミーシーで見た人魚姫の本と、あと・・・
水木しげるの妖怪大百科!?なんちゅう本を・・まあいいや。

雪巳「電車きたよー」
会計を済ませ乗り込む、
座席は・・・右側の2人座椅子2列だ。
僕「座席回そうか」
雪巳「えー、駅弁食べるテーブルなくなっちゃうー」
僕「そっか、じゃあ・・・」
あれ?みんな、なんで座らないんだ?
僕「座って座って」
雪沙「ゆきさおにぃちゃんのとなり〜」
雪菜「・・・・・」
雪巳「私が隣だよー」
僕「誰でもいいよ、すぐつくし」
そうか、僕を待ってたのか、
僕が座ったらその隣を素早く座ろうと・・・
朝からもうバトルが始まってる、恐いなぁ。
僕「じゃんけんで決めなよ、じゃんけんで」
雪巳「じゃーんけーん・・・」
雪沙「ゆきなおねぇちゃんあとだしー」
雪菜「あとだしじゃない・・・」
僕「こらこら、通路開けないと他の人の邪魔になっちゃうよ」
結局、僕の隣には雪菜ちゃん、
前の席には雪沙ちゃんと雪巳ちゃんが座った。

僕「はい、駅弁とお茶配るよー」
雪沙「このはっぱはたべられるのー?」
僕「駄目!それは捨てるものだよ」
雪巳「もって帰ったら何かに使えるかなー」
僕「そんなこと言ってないでこの袋に捨てなさい!」
雪沙「まどあかないのぉ〜?」
僕「新幹線は開かないよ、もっと落ち着いて」
雪菜「あ・・・動いた・・・」
雪沙「しゅっぱぁ〜つ♪」
♪び〜あんびしゃ〜す、という感じで新幹線は熱海へ向けて走り出した、
みんな朝食まだだったから、柿の葉寿司をむしゃむしゃ食べてる、僕も食べよう。

僕「うん、うまいうまい」
雪菜「たべやすくて・・・おいしい・・・です」
雪沙「ちょっとすっぱい〜」
僕「おとなしく食べなさい!」
雪巳「お茶すぐなくなっちゃうよー」
僕「売店のワゴンが来たら買ってあげるから、いちいちこっち振り向かないの!」
雪沙「はぁ〜い」
雪巳「食べ終わったら向かい合わせになろー」
僕「駅に止まったらね、動いてる最中は駄目!」
もぐもぐもぐ・・・
むしゃむしゃむしゃ・・・
ごくごくごくごくごく・・・
ぱくぱく・・・ごっくん・・・むぐむぐ・・・
がさごそ・・・はむっ・・・あむあむあむ・・・ごくごくっ・・・
前の2人、やけに食べるの早いな、
雪菜ちゃんはゆっくり・・・でもないか、
雛塚家の食卓で修羅場くぐってるもんな、それなりに。
雪巳「食べ終わったよー」
雪沙「はいゴミぃ〜」
僕「早いな、ゴミはこっちのと一緒にまとめて捨てるよ」
雪沙「えきまだかなぁ〜」
雪巳「でも出発したばっかりだよー?」
♪〜♪♪〜♪♪♪〜〜〜
車内アナウンスだ。
アナウンス「次は品川、品川に止まります」
そうだ、東京駅出ると10分ちょっとでもう品川駅だった。
雪沙「はやぁ〜い」
僕「そうだね、その次の新横浜はさらに15分ちょっとだし」
雪巳「はやく回そー」
雪菜「まって・・・まだ食べてる・・・」
僕「じゃあ雪菜ちゃん、テーブルのある窓際と代わる?」
・・・・・とか言ってる間に品川駅についた、
雪菜ちゃんがお弁当箱を膝に乗せると雪巳ちゃんがテーブルを畳み、
あっという間に椅子を回転・・・これで向かい合わせになった。
雪沙「や〜、おにぃちゃんの前ぢゃない〜、まどぎわぢゃない〜」
僕「でもそこの席に座ってたんでしょ?」
雪巳「そうだよーねーお兄ちゃーん♪」
雪菜「・・・・・」
僕「あ、そうか、テーブル欲しいよね、はい場所交代」
僕が窓際を雪菜ちゃんに譲ると、
自動的に僕の前は雪沙ちゃんになる。
雪沙「わぁ〜、きてくれたぁ〜」
僕「わっ!抱きつかないの!!」
雪巳「いいなーお兄ちゃん逃げちゃったー」
雪菜「・・・・・お茶、おいしい・・・」
僕「ワゴンの売店は新横浜過ぎてからかな・・・」
席の移動1つで大騒ぎ・・・
3泊4日もこんな調子で僕、もつかな・・・
いっそ1人に決めてしまえば楽に・・って何を決めるんだよ何を!
雪沙「えへへぇ〜」
僕「そんな、じっと見て・・・熱海までずっと見つめてる気?」
雪沙「そ〜しよ〜かなぁ〜」
僕「・・・スポーツ新聞読もう・・・」
雪沙「あ〜顔かくしちゃったぁ〜・・ゆきさも本よも〜」
雪巳「漫画読むねー」
雪菜「・・・・・動いた・・・景色きれい・・・」
油断してると新幹線の中でもキスされそうな予感・・・
♪〜♪♪〜♪♪♪〜〜〜
アナウンス「次は新横浜、新横浜に止まります」

雪菜「あ・・・富士山・・・」
雪巳「ほんとだー、綺麗ー」
雪沙「はじめてみるぅ〜」
僕「そうなの?富士山見るの」
雪沙「ちゃんとしたのみるのはじめてぇ〜」
・・・この子たちの事だから、新幹線自体も初めてかも。
僕「ということは、もうすぐ熱海だな」
雪巳「そうなんだー、もうついちゃうんだー」
雪菜「・・・・・景色ぼーっと見るの・・・・好き」
雪沙「おにぃちゃ〜ん、本2冊とも読んだよ〜」
僕「早いね、どうだった?」
雪沙「ん〜、人魚姫と海で会ったらどうしたらいいとおもう〜?」
僕「ええっと、ネズミーシーのあの人魚姫だよね?・・・王子様に会わせる、とか?」
雪沙「あのねぇ〜、穴のあいたひしゃくを渡すんだよぉ〜」
僕「・・・・・それ、2冊の本がごっちゃになってるぞ!?」
♪〜♪♪〜♪♪♪〜〜〜
アナウンス「次は熱海、熱海に止まります」
いよいよ到着だ!
僕「降りる準備して!」
雪巳「海が綺麗ー」
雪菜「忘れ物・・・ない・・よね」
雪沙「おにぃちゃんいっしょにおりよ〜」
僕「ほらほら、妖怪大百科の本が落ちたよ」
椅子を戻して僕らは熱海駅に降りた。
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