朝・・・

廊下を歩くと良い匂い・・・

ハムの焼けた匂いだ、おいしそう・・・

 

雪巳「おにーちゃんおっはよー」

僕「おはよう、今日は冷麦か」

雪菜「ハムも切って焼いた・・・です」

僕「ハムのサイコロステーキ、粒こしょうで焼いてあるね」

雪沙「下のレタスとマヨネーズでたべるとおいしいよ〜」

隆幸「はやくたべよーぜ」

雪菜「ハムにはポン酢もあるです・・・」

雪巳「麦茶はーい」

僕「ありがとう、さ、食べよう・・・いただきます」

雪沙「いただきまぁ〜す」

雪菜「いただきます・・・」

隆幸「いただきー」

雪巳「いただきまーーーす」

 

みんな元気だ、

夕べの沈んだ雰囲気が嘘のよう。

 

雪巳「つめたくっておいしー」

僕「うん、麺つゆがカツオだしでいい味だね」

雪沙「たかゆきハムばっかりたべてる〜」

隆幸「なんだよーレタス少ないからえんりょしてんだよー」

雪菜「レタスだけじゃなく・・・きゅうりもあるです」

僕「うん、ハムステーキおいしいね、朝に丁度いい」

雪巳「あー、雪沙ポン酢にマヨネーズまぜてるー」

雪沙「こうするとおいし〜よ〜」

隆幸「んぐ・・・ハムもう半分しかねーぞ」

雪菜「いっぱい作ったのに・・・」

雪巳「お兄ちゃーん、足りなかったら御飯もあるよー?」

僕「ありがとう・・・でもこのハムステーキいつ買ったっけ?」

雪菜「ディナーショーの・・・お土産・・・です」

雪巳「丸ごとハムとローストビーフがセットで1人1箱入ってたよー」

僕「へー、じゃあ3人で丸ごと3個か」

雪巳「ローストビーフは今晩のおかずねー」

隆幸「ビーフってまじ?うわ、今夜すんげー楽しみ」

雪沙「あ〜、たかゆき、ゆきさのハムとった〜」

隆幸「マヨネーズとぽん酢まぜたのも、うまいなー」

雪菜「・・・たまご・・・今からゆで・・ますか」

僕「いいよ、朝食だからハムそんなにいらないし」

隆幸「ゆでてゆでて!2個食うから!2個!!」

雪沙「おにぃちゃ〜ん、きゅうりにマヨネーズもおいしぃよ〜?」

僕「あれ?雪巳ちゃん、冷麦をポン酢で食べてない?」

雪巳「こーするとすっぱくっておいしー」

隆幸「うめ、うめ、全部うめー、さいこー」

雪菜「たかゆき・・・めんつゆとばしてる・・・きたない・・・」

 

いつもより少し余計に賑やかな朝食、

そしてハムのサイコロステーキと冷麦が無くなった。

 

僕「ふう・・・ごちそうさまでした」

雪巳「ごちそーさまー」

雪菜「ごちそうさま・・・です」

雪沙「ぢゃあかたずけてあらうねぇ〜」

雪巳「プレステやっていいー?」

僕「いいよ」

隆幸「やるやるー」

雪菜「私は・・・お掃除する・・・です」

僕「そうだね・・・って、おい!」

 

なんで普通に隆幸が溶け込んでるんだ!!

 

僕「朝食食べたんなら出てけよ」

隆幸「なんでだよー入れたんだからもーいいじゃんかよー」

僕「駄目だ駄目だ!そもそも僕は入れた覚えが無いんだから」

隆幸「也幸が出たんだから次入ってもいいだろー」

僕「そんな順番は無い!今すぐ出ていけ!ほらほら」

隆幸「ぜってー出ないからなー、もうここ住む!ぜってー住む!」

僕「・・・・・お前、何もできないだろ、家の手伝い」

隆幸「できるもん、仕事」

僕「何の?」

隆幸「・・・ねーちゃんたちがちゃんと仕事してるか、見張る・・・仕事」

僕「・・・・・あきれた」

 

お引取り願おう。

 

僕「さあ、出て行かないなら追い出すだけだぞ」

隆幸「つかまんないもんねー」

 

だだだだだ・・・

 

僕「こら!台所を走るな!」

雪沙「も〜、たかゆき〜」

雪菜「あの・・ちゃんと、出ていくように、言う、です」

雪巳「私が連れてきたんだからー、私が連れ出すよー」

僕「え?ほんとに?」

 

廊下へ逃げた隆幸を追う雪巳ちゃん、

突き当たりで捕まえて、じたばたする隆幸くんを・・・

 

雪巳「えいっ!」

 

ばふっ!!

 

おっぱいに顔をうずめた!?」

 

隆幸「ふが!んがんが!・・・んん〜〜〜!!」

 

・・・あ、じたばたしてた手足がピクピクしてきて・・・

やがて、だらーん、と糸の切れた人形みたいに、おとなしくなった・・・

 

僕「・・・隆幸くん、死んじゃった?」

雪菜「のぼせてるだけ・・・です」

雪巳「おとなしくなったよー、ほらー」

隆幸「〜〜〜〜〜・・・・・」

僕「ほんとだ、ふにゃ〜ってなってる」

雪沙「ゆきみだいふくしたの〜?」

僕「何それ?」

雪沙「ゆきみおねえちゃんのおっぱいにたかゆきの顔うめておとなしくさせるわざだよ〜」

雪巳「じゃあ下の家に送ってくねー」

僕「う、うん、よろしく・・・」

 

恐ろしい技だ・・・必殺・雪巳だいふく!!

かけられたいかも・・いや、かけられた事がすでにあるような・・・・・

 

雪菜「掃除機・・・掃除機・・・」

雪沙「しょっきあらってくるぅ〜〜」

僕「う、うん・・・部屋に戻ってるよ」

 

雪巳ちゃんは隆幸くんを抱きかかえたまま玄関を出て行った・・・・・。

 

 

 

 

 

雪沙「しょっきあらうのおわったよ〜」

雪巳「隆幸も帰してきたよー」

僕「お疲れ様・・・そうだ、雪沙ちゃん、これ」

雪沙「な〜に〜?おかしぃ〜?」

僕「ううん、肝油ドロップっていう栄養剤、かな?子供は1日1個」

雪沙「くれるの〜?」

僕「ごめん、これは美鈴ねえさんが也幸くんにって。だから也幸くんに1日1個あげてくれる?」

雪沙「いいよぉ〜、呼んできてもいい〜?」

僕「うーん・・・そうだね、玄関までなら」

雪沙「つれてくるぅ〜」

 

今度は雪沙ちゃんが外へ・・・

 

僕「それと雪巳ちゃん」

雪巳「なーにー?」

僕「明日から旅行だけど、水着欲しいよね?」

雪巳「買ってくれるのー?」

僕「確かそう約束してたはずだから・・・雪菜ちゃんも雪沙ちゃんも」

 

スクール水着で海やホテルのプールを泳がせられないよ。

 

僕「これから買いに行こうよ」

雪巳「わかったー雪菜に言ってくるねー」

僕「うん、掃除をちょっと止めてもらってね」

 

・・・さて、どこへ買いに行こう、

っていうか僕が選ぶ訳にはいかないよ・・・な?

美鈴ねえさん、はここんとこ呼び出し過ぎだから控えよう。

ジーンズメイトって水着も売ってたよな、もちろん子供用のも・・・

デパート行っちゃうのもいいかも。デパートなら店員さんに選んで貰えそうだし・・・

 

雪巳ちゃんが雪菜ちゃんを連れてきた。

 

雪菜「水着買う・・・ですか」

僕「うん、外行き用のをね」

雪菜「もったいない・・・です」

僕「でも、ちゃんとしたのを着て欲しいから、さ」

雪菜「・・・お兄ちゃんが・・そう言うなら・・・」

 

ちょっともじもじしてる。

 

雪巳「お兄ちゃんは水着あるのー?」

僕「あるよ、海水パンツ。後は雪沙ちゃん待ちか」

雪沙「おに〜ちゃ〜ん」

 

玄関から声が聞こえる。

肝油ドロップを持って、っと・・・

 

僕「也幸くんおはよう」

也幸「・・・・・」

僕「これ、美鈴ねえさんから也幸くんに、1日1回食べるやつ」

雪沙「どろっぷだってぇ〜、はい、あ〜ん」

☆ぽかーん☆

也幸「・・・・・(ぽかーん)」

雪沙「・・・ぽいっ」

也幸「・・・・・(ぱっくん!くっちゃくっちゃ・・ごっくん)」

僕「毎日1つずつ食べるんだよ、栄養になるから」

雪沙「あ〜、ゆきさたち明日からりょこ〜だから〜、4こわたしとくね〜」

 

ぽいぽい、と也幸くんの手に筒から4個・・・

それを口の中へ!あ〜あ、一気に食べちゃった。

 

也幸「・・・(くっちゃくっちゃくっちゃくっちゃ・・・)」

雪沙「も〜、いちにちいっこなのにぃ〜」

僕「・・・・・おいしい?」

也幸「・・・・・(コクコク)」

僕「じゃあ次は5日後だからね、1日1個雪沙ちゃんがくれるから」

也幸「・・・・・・・・」

 

あ、またぴゅーって出てっちゃった。

まあいいや、5個1度に食べても毒にはならない・・・はず。

 

僕「そうそう雪沙ちゃんお出かけだよ、水着買いに」

雪沙「ほんと〜?」

僕「うん、雪巳ちゃんも雪菜ちゃんも待ってるから、行こう」

雪沙「うん〜♪わぁ〜い♪」

僕「さて、サイフ、サイフ・・・」

 

もどる めくる