ふぅ〜〜〜っ

ふうぅぅ〜〜〜〜〜っ

ふうううううぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜っ

 

んんん・・・生臭い・・・

顔になんか風がかかってきてる・・・

 

ふうふうふうううううっ

ふふふうう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ

 

んー・・・朝か・・・

これは、顔に息を吹きかけられてるな・・・

よし、今度こそは絶対に逃げられないように、思いっきり抱きついてやる!

 

ふ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・

 

せーの・・・

 

僕「こらっ!!」

 

がばっっっ!!!

 

雪沙「あ〜〜〜〜〜〜ん!!」

僕「・・・・・え!?」

雪沙「おにぃちゃん、だいたぁ〜〜〜ん」

 

わわ!抱きついちゃったもんだから目と鼻の先に顔が!

 

雪沙「ちゅ〜〜〜〜〜」

僕「んっ!!!」

 

ちゅううっ!!

 

やわらかい唇が重なり、

ふいに舌まで入ってくる!!

ふあぁ・・・ぼーっとした頭に快感がジンジンと・・・

 

ぴちゃ・・・ちゅちゃっ・・・ちゅうっ・・・

 

ずいぶんと本格的なキスだ!

そんなに舌をからめさせられると、

顔全体が、耳まで熱くなってきて・・・あぁぁ・・・

 

僕「ん・・・んん〜〜・・・」

雪沙「・・・・・」

 

ちゅぶっ・・・ちゅぷちゅぷっ・・・

 

激しいキスによだれがこぼれてきた・・・

い、いけない、このままじゃ・・お、落ちちゃうっ・・・

で、でも、このまま、されるがままに・・はぁぁ・・・ぁぁぁぁぁ・・・・・

 

也幸「・・・・・」

僕「!!!」

 

見てる!

ドアの隙間から、也幸くんが、見てるううっっ!!

 

僕「んぐぐぐぐ・・・」

雪沙「・・・・・?」

僕「んんんんんーーーーー・・・」

 

ちゅぽんっっ!!

 

僕「こら!朝からなんてことを・・・」

雪沙「だっておにぃちゃんから抱いてくれたんだもぉ〜ん♪」

僕「それは・・・とにかく!もう起きるから!」

雪沙「おにぃちゃん・・・・・・ゆきさ、キスうまくなかったぁ〜?」

僕「な・・・!!」

 

言い逃げして出て行く雪沙ちゃん!

 

雪沙「あ〜、なりゆきおはよ〜、ごはんだよぉ〜」

 

まったくもう・・・・・よだれ拭こう。

 

 

 

 

 

ぴんぽ〜ん

 

僕「来客?誰だろう」

 

時計を見ると午後4時半、

美鈴義姉さんが来るにはちょっと早いよな、

ひょっとして爆弾娘がもう来ちゃったとか・・・?

 

雪巳「お兄ちゃん、ゲームしていいー?」

僕「いいけど、インターフォン誰だったの?」

雪巳「也幸が帰ってきたんだよー」

僕「え?あ、そっか、一旦出ると自分じゃ入れないもんな」

雪巳「公園へ遊びに行ってたみたいだよー」

 

也幸くんにも也幸くんなりのプライベートがあるもんな。

 

雪沙「おにぃちゃ〜ん、今日のショー、これ着てったらいいかなぁ〜」

僕「・・・それでもいいと思うけど、胸くらいは隠しなさい」

雪沙「え〜、ブラつけておにぃちゃんの前に出るほうが、なんかはずかしぃよぉ〜」

 

今更何を恥ずかしがってるんだか・・・

 

雪沙「そ〜だ〜、わかったよ〜」

僕「何が?」

雪沙「なんでなりゆきがぁ〜、防犯ブザー止め方知ってたか〜」

僕「どうして?」

雪沙「がっこ〜で、教室で悪い男の子が、女の子のランドセルについてる防犯ブザーならすいぢわるするんだってぇ〜」

 

へー、今の小1の教室はそんなことして遊んでるのか。

 

雪沙「でぇ〜、止まらなくって困ってる女の子を、なりゆきがたすけて止めてあげるんだってぇ〜」

僕「それで止め方を学習したのか」

雪沙「うん〜、お昼に公園でそう聞いたよぉ〜」

僕「也幸くんから?」

雪沙「なりゆきのかのじょのぉ〜、まいなちゃんからぁ〜」

 

かかか、彼女ぉ!?也幸くんのぉ!?

 

ぴんぽ〜ん

 

僕「また来た!」

雪沙「みてくるぅ〜」

僕「ま、待って!上に何か着てから・・・」

 

と話しているうちに廊下を雪菜ちゃんが歩いて行った。

 

僕「もうそれでいいから、着て着て!」

雪沙「ん〜、中になにか着たい〜」

僕「行っておいで、ほらほらほら」

雪沙「おにぃちゃん着せてぇ〜」

僕「それは年齢一桁が言う事だから!」

 

まったく、来たのが児童相談所だったらどうしてくれるんだよ!

下着を履かせてる所とか見られたら、微笑ましいですわねおほほ、じゃすまないぞ?

 

美鈴「こんにちは、夜からちょっと雨降りそうよ?」

雪巳「こんにちはー」

雪沙「こ〜んに〜ちわぁ〜」

美鈴「あいかわらず仲良さそうねぇ〜弟クン?」

僕「ははは・・・・・まあ」

 

雪菜ちゃんが遅れて入ってくる。

 

雪菜「あの・・・今日着ていく服・・これでいい・・ですか」

美鈴「いいんじゃないの?子供らしくって」

雪巳「Tシャツじゃ駄目だよねー」

美鈴「そうね・・・雪沙ちゃん、服はどこ?コーディネートしてあげるわ」

雪沙「おにぃちゃんに選んでほしぃ〜」

美鈴「でも弟クンは一緒に行かないから・・さ、いらっしゃい」

僕「行っておいで」

雪巳「私も行くー」

 

テレビゲームも途中のまま、美鈴義姉さんについていった・・・

そして部屋に残ったのは僕と雪菜ちゃんだけ・・・ちょこんと僕の隣に座る。

 

雪菜「お兄ちゃん、あの・・・」

僕「どうしたの?」

雪菜「私、やっぱり、残って・・お兄ちゃんと・・いる・・・」

僕「な、なんで!?」

雪菜「お兄ちゃんと一緒が・・・いい・・・です」

 

・・・・・僕によりかかってきた。

そういえばここ数日、也幸くんがいるおかげで、

何だかみんな僕へのアタックを自粛気味にしてたっぽいもんな、

今朝は雪沙ちゃんにみっちりキスされちゃったけど・・・

雪菜ちゃんと2人きりでゆっくりしてる時間って、取れてなかったよな。

 

僕「でも、せっかく美鈴ねえさんが用意してくれたんだし・・・」

雪菜「お兄ちゃんが一緒に来てくれないなら・・・残りたい・・・です」

僕「駄目だよ、確か・・・3名ご招待だから」

雪菜「也幸がかわりに行く・・・です」

僕「でも・・ほら、年齢制限があるって・・・」

 

よりかかりすぎて眼鏡がずれる雪菜ちゃん、

そっとそれを直してあげる・・・顔を薄紅色に染めているようだ。

 

僕「・・・・・僕と離れて遊びに行くのも、1つのお仕事だよ」

雪菜「だって・・・」

僕「美鈴ねえさんから行ってきて欲しいって頼まれてるんだから、ね?」

雪菜「お兄ちゃんが楽しまないで・・私達が楽しむの・・・悪くて楽しめない・・・です」

僕「悪くはないから、気にしないで・・・僕のお願いだから・・・」

 

・・・ドアの方をちらっと見た僕は、

いないのを確認すると雪菜ちゃんのおでこにやさしくキスをした。

 

僕「・・・わがまま言わないで・・・ね?」

雪菜「・・・・・・はい・・・です」

僕「うん、いい子だ」

 

雪菜ちゃんの顔がさらに紅く染まっていく・・・

 

僕「まだ夏休みは半分だからさ」

雪菜「お兄ちゃん・・・その・・・おくち・・にも・・・」

僕「ん?」

 

とたとたとたとたとた・・・ガチャッ!

 

雪沙「おにぃちゃんどぅ〜?リボンつけてもらったのぉ〜」

僕「かっ、かわいいよ、うん!」

雪菜「・・・・・」

 

あらら、雪菜ちゃん慌てて僕のそばから離れちゃった。

 

雪巳「セーラー服で行くことになっちゃったー」

僕「あ、持ってきてあったんだ・・・うん、いいんじゃないかな」

雪巳「お化粧もしてもらったのー」

 

そう言われると顔がちょっと違う・・・

 

美鈴「薄くだけどね」

僕「ほんとにすみません」

美鈴「ま、これでもう大丈夫でしょう、で、招待券は?」

僕「えっと・・・どうしたっけ」

雪菜「持ってます・・・です」

 

あいかわらず、しっかりしてるな。

 

美鈴「タクシーの手配はもうしてあるわ、ここの住所はみんな知ってるわよね?」

雪巳「うんー、だって1階に住んでたもーん」

雪菜「帰りは運転手さんに・・言えばいいですか」

美鈴「ちゃんと話はつけてあるから、ホテルから専用の帰りのタクシーが用意されてるわ」

雪沙「おかねもちみた〜い」

 

そして美鈴ねえさんも、しっかりしている・・・

一番だらしないのは、下手すると僕なのかも知れないや。

 

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