シャカシャカシャカ・・・
・・・・・ん?
シャカシャカシャカシャカシャカシャカ・・・・・
この音は、なんだ!?
耳元でうるさい・・・何をシェイクしてるんだ?
シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ・・・・・・・
薄目で見ると也幸くんが、
両手に持った・・これはマラカスか、
ネズミーランドのディナーショーで配られたやつだ、
それを僕の両耳のそばで振って、起こしているようだ。
毎朝よく新しい方法を思いつくなぁ・・・よーし、こうなったら・・・
いつも、ぴゅーーーって逃げられるから、今日は・・・
僕「こらっ!!」
ぶわさっ!!
也幸「!!!」
僕は掛け布団ごと也幸くんを捕まえる!
両手両足をジタバタさせる也幸くん、面白い!
也幸「〜〜〜〜〜!!」
僕「捕まえたぞっ!」
也幸「・・・・・」
すぽっ!!
僕「すっぽぬけた!!」
たたたたた〜〜〜!!
逃げてった・・・
はぐれメタルみたいだ。
僕「明日はハーモニカあたりで起こすのかな・・・」
昼食も終わり部屋でまったりする。
昨日、食材いっぱい買ったから朝食昼食と量が多かった、
ちょっと食べすぎ・・・横になってゆっくりしよう。
雪巳「郵便きてたよー」
僕「ありがとう、どれどれ・・・」
・・・招待状・・あ、これは美鈴ねえさんが入れておいてくれたやつだ、
白くて豪華な封筒だな、どれ・・すでに1度あけてあるのをさらにシールで止めてある。
僕「開けて、と・・・ふむ・・・清水アキラのものまねディナーショー・・・」
なるほど、確かにこれなら雪巳ちゃんたちでも見れそうだ、
てっきりピアニストだとかプリンセステンコーだとかのかと思ってた。
雪巳「それー、明日のショーなのー?」
僕「そう、お笑いのショーだから心配ないよ」
雪巳「お兄ちゃんはほんとに行かなくていいのー?」
僕「いいのいいの、楽しんでおいで」
雪巳「わかったー」
ええっと、出演・・・清水アキラ、斉藤ルミ子・・誰だそれ?
梅垣義明、ぽかすかじゃん、安田大サーカス・・・知らないなぁ・・・
会場は・・京王・・・こ、ここってかなり有名なホテルなんじゃあ!?
大丈夫かな、美鈴ねえさんは服装気にしなくっていいって言ってたけど、
もし僕が行くことになったら、どんな服着て行っていいか困っちゃうよ・・・
雪巳「みせてー」
僕「はい、どうぞ・・そうだ、メール!」
インターネット繋いで・・・
美鈴義姉さんから来てるかな〜・・・
・・・・・メールチェック!・・・・・来てる!
『ディナーショーは先方に全て連絡しておくので心配しなくても大丈夫、
雪香ちゃんは私が直接話して何とかしましょう、夕方にはそっちへ行きます』
良かった、僕は何もしなくても大丈夫そうだ、
雪巳ちゃんたちがディナーショー見てる間に雪香問題は解決する・・・
美鈴義姉さんは本当に頼りになるな、御礼の返事しておこうっと。
僕「でも也幸くんは留守番なんだよな・・・」
しょげたりしてないか心配だな、
三姉妹だけ楽しみに行くんだもん・・・
そういや今、何してるんだろ?ちょっと気になる。
僕「也幸くんは?」
雪巳「んー、猫の部屋じゃなーい?」
僕「そうか・・・ちょっと見てくるね」
雪巳「ねー、このディナーショーいくらくらいなのー?」
僕「さあ?それは招待券だからわからないけど・・気にしなくていいよ」
猫の部屋に入る・・
也幸くんは・・・ロフトにいるみたいだ、
階段を上がると・・お、いた!何かやってる。
也幸「・・・・・」
母猫をなでてるみたいだ、
窓際では仔猫3匹がインチキサイコロのぬいぐるみに群がって、
かみついたり、ひっかりたり、捕まって猫キックしたり・・ボロボロになるのは時間の問題みたいだ。
僕「也幸くん?」
也幸「!!!(ビクッ!)」
僕「あ、用事とか無いから心配しないで」
ちょっとこっちを見た後、
また母猫の方を向いて座って・・・
何をやってるんだろう?何か転がしている?
ころころころ・・・
これは・・・昨日デパート屋上で買ってあげた、サイコロの消しゴムだ。
インチキサイコロのぬいぐるみと違ってこれはちゃんとサイコロとして使える。
出た目は3・・・と、也幸君が母猫の頭をなでる、さらにサイコロを振って、次は背中を・・・
僕「・・・・・あ、わかった」
サイコロの目が2になると母猫のおしりを2回なでる、
次に6が出ると母猫の頭を6回なで、4が出て背中を4回なでて、
1が出ておしりを1回なでて、また1が出て、また頭に戻って1回なでて・・・
也幸「・・・・・」
母猫の頭・背中・お尻を、サイコロの目が出た数だけなでるルールのようだ。
って、何か意味はあるのか?そもそもこの遊びって、面白いのだろうか・・・うーん・・・
こういう子供特有の、意味の無いルールの遊びは理解できない・・・でもまあ本人が楽しいなら・・・
母猫「・・・ZZZzzz・・・」
母猫も気持ち良さそうに寝てるし、ま、いっか。
僕「じゃあね」
也幸「・・・・・(コクッ)」
雛塚家でもきっと、何も遊び道具が無い中で遊びを考えてやってたんだろうなぁ・・・
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