ゲームセンターから階段を降りると、

ちょうど目の前にはおもちゃやさんがある、

テレビゲームやロボット、人形と並んで奥にはぬいぐるみがいっぱい・・・

 

也幸「〜〜〜!!」

雪沙「おにぃちゃぁ〜ん、取れなかったからぬいぐるみ買ってよぉ〜」

僕「うーん・・・でも、なぁ・・・」

雪沙「だってぇ〜、なりゆきがわかいそ〜なんだもぉ〜ん」

也幸「・・・・・」

 

・・・1度買ってあげるって最初に言ったんだから、仕方ないか。

 

僕「安いのならいいよ、1個だけね」

也幸「!!!!!!!!!!(コクコクコクコクコクコクコクコクコクコク!!!!!)」

 

け、痙攣か発作みたいだ・・・

 

雪沙「よかったねぇ〜」

 

たたたたた・・・

 

ぬいぐるみコーナーに突っ走る也幸くん、

キョロキョロキョロキョロして・・・選んでる選んでる、

いっぱいあるもんな、こういう時って也幸くんなかなか選べないんだっけ?

 

雪沙「あと30びょ〜だよ〜」

也幸「!!!」

雪沙「はやくしないと時間切れだよ〜?」

 

手馴れてるなぁ、雪沙ちゃん。

さすがお姉ちゃん・・・雛塚家では也幸くんの世話担当だったのかな?

 

雪沙「ぢゅ〜、きゅ〜、はぁ〜ち・・・」

 

はやっ!!

 

也幸「〜〜〜・・・!!!」

雪沙「きまったってぇ〜」

僕「どれかな?・・・・・これ!?」

 

このぬいぐるみ・・・サイコロ!?

☆増田ジゴロウ☆

也幸「!!!」

雪沙「真ん中のがいいってぇ〜」

僕「う〜ん・・・あんまりかわいくないような・・・」

 

いくらだろ?プレートがある、これは・・・

値段じゃなく「これは見本品です 従業員をお呼びください」って書いてある。

いくらだろ?あ、商品に直接値札が・・値段は・・・ちょっとだけ思ってたより高い、かな?

 

僕「すみませーん、これくださーい」

 

・・・見れば見るほど、かわいくない・・・

しかもサイコロなのに4・5・6しか目がない、

インチキ用のサイコロだし・・・悪影響ないといいけど。

 

従業員にお金を払い、

也幸くんにインチキサイコロぬいぐるみを渡す。

 

僕「はい、どうぞ」

也幸「・・・・・」

 

ぎゅむ〜っ、て抱きしめてる、

よっぽど気に入ったんだろうな、

でもこれ・・・雛塚家に持ってって、無事に済むんだろうか?

 

雪沙「ちゃんとお礼言うの〜」

也幸「・・・・・(ぺこり)」

僕「悪いお兄ちゃん達に取られないようにね」

也幸「・・・・・」

雪沙「え〜?ゆきさの分はいいよぉ〜」

 

さーてと・・・ちょっとトイレに行きたくなってきたぞ。

 

僕「ちょっとトイレ行ってもいいかな」

雪沙「ゆきさもいく〜」

也幸「・・・・・(コクコク)」

 

みんなでトイレへ入る、

雪沙ちゃんは女子トイレ、

僕と也幸くんは男子トイレへ・・・

 

僕「・・・ふう」

 

じょぼじょぼじょぼ・・・

也幸くんは大きい方に入っていったみたいだ。

外で終わるの待とう・・手を洗って、っと・・・よし!

 

僕「出たところで待ってるからね」

也幸「・・・・・」

 

しばらく待っていると雪沙ちゃんが出てきた。

 

雪沙「あれ〜?なりゆきはぁ〜?」

僕「大きいほうやってるみたいだよ」

雪沙「そっかぁ〜」

 

壁に背をもたれさせ、雪沙ちゃんと2人ならんで待つ・・・

 

雪沙「ねぇ〜おにぃちゃ〜ん」

僕「ん?」

雪沙「あのね〜・・・あんなに楽しそうな也幸、はじめて見たよ〜」

僕「そうなの?」

雪沙「うん!だってデパートめったに行かないし、ゲームなんていつもはさせてもらえないしぃ〜」

 

そうか、あのビッグマザーだもんな、貧乏だし・・・

 

雪沙「屋上のショーもママだったら時間の無駄、とか言って見せてくれないよ〜?」

僕「じゃあ、はじめてゆっくり見れたのかな」

雪沙「きっとそ〜だよ〜、それとね〜、ゆきさもすっごいたのしぃ〜」

 

おっ、也幸くんが出てきた、何かいっぱい持って・・・って!

 

僕「ちょっとそれ、トイレットペーパー!」

也幸「・・・」

僕「しかも5つも!だ、駄目だよ!そんなの持ってきたら!」

雪沙「そ〜だよ〜、ママいないんだから持ってこなくていいんだよ〜」

僕「え!?そ、そういう問題じゃ・・とにかく戻さないと!万引きになっちゃう!!」

 

持ってきたトイレットペーパーを慌てて奪い、

トイレの奥へ戻す!う〜ん、ビッグマザーはいつもこんな事させてたのか・・・

まったく酷い話だ、小学1年生に、こんな盗みさせてたなんて・・・也幸くんが可哀想だ!!

 

僕「・・・・・也幸くん!」

也幸「!!(ビクッ!)」

雪沙「なりゆき、おにぃちゃんにお返しがしたかったんだってぇ〜」

僕「でも盗みはいけないよ・・・もうああいう事しちゃ駄目だよ?」

也幸「・・・(コクコクコク)」

 

でも・・・またビッグマザーに命令されたら逆らえないんだろうなー・・・

あんまり責めるのは可哀想だ、今も雪沙ちゃんの背後でちょっと怯えてるし。

 

僕「じゃ、服でも見てこようか」

雪沙「なりゆきぃ〜、いくよぉ〜?」

也幸「・・・・・」

僕「也幸くん、靴の次は服だよ、シャツ買ってあげるからね」

也幸「!!!」

 

 

 

 

 

気がついたらもう夕方か、

也幸くんの服を買い終え、あと僕のも買ったし、

今は食料品売り場で明日以降の食材を買い終わったところだ、

也幸くん試食を食べまくって、おなかがふくれてる感じだな、

おかげで予想以上に買うおかずも増えた・・試食しちゃったら買わないと申し訳ないし。

 

雪沙「ふくびきだよ〜?」

僕「そうだね、さっきの買い物が多かったから4回引けるよ」

也幸「・・・」

 

多めの荷物を床に置き、福引券を渡す。

特賞はハワイ旅行かぁ、一等でパソコン、二等でも自転車・・・

一番下の七等がネピアの箱ティッシュ、ハズレは無しか、よーし・・・

 

雪沙「四等のカルピスセットがいい〜」

僕「四等は・・・黄色い玉か、よーし!」

 

ガラガラガラ・・・ぽとん

 

黒だ・・・

 

ガラガラガラガラガラ・・・ぽとん

 

黒2つ目・・これは?

 

雪沙「黒はティッシュだって〜」

僕「う〜ん・・よし、雪沙ちゃん回して!」

雪沙「ぢゃあかわるねぇ〜?」

也幸「・・・・・」

雪沙「かるぴすかるぴすぅ〜!」

 

ガラガラガラガラガラガラ・・・・・ぽとん

 

雪沙「みどりいろ〜」

僕「えっと、みどりは・・・六等、みりん一本!」

雪沙「え〜〜〜」

僕「あと1回・・・そうだ!也幸くん回して」

也幸「!!!」

 

背が届くかな・・・

と思ったら下から器用に本体を回してる、

ゆっくりゆっくり回って・・・いい色出ろ!!

 

ガラ・・ガラ・・ガラ・・ガラ・・ガラ・・・ガラ・ぽとっ!!

 

僕「・・・・・ピンク!?」

 

カランカランカラ〜ン!!

 

従業員「おめでとうございま〜す、特別賞で〜す」

僕「特別賞!?」

従業員「ではこちらのくじを引いてください!」

 

今度は手を入れるタイプのくじだ、

也幸くんが、うんしょ、と手を入れて出したのは・・・11番。

 

従業員「11番ですね、えっと・・・こちらになりまあす!」

僕「わ!馬のぬいぐるみ!」

雪沙「おっきぃ〜」

也幸「!!!」

僕「也幸くんより、ひとまわりきくらい小さいかな」

 

値段にしたらいくらだろう・・・5千円くらい?

 

従業員「これはここのスイッチを入れると・・・」

 

ヴィ〜〜〜〜ン!!

 

僕「わ!振動した!」

雪沙「おもしろ〜い!」

也幸「!!!」

 

乗ると楽しそうだ!

でも、どうやって運ぼう・・・

 

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