僕「さあ、屋上についたよ」

 

北海道物産展を後にした僕たちは、

そこのチラシにあった屋上レストランを目指しやってきた。

特別に北海道名産メニューが限定提供されているらしい・・・

 

僕「レストランはどこかな・・・」

雪沙「おにぃちゃん、あれ〜」

僕「え?あった?・・いやちがう、あれは・・・」

 

☆乗り物☆

 

懐かしい、コインを入れて歩く、動物の乗り物だ。

 

僕「也幸くん、あれ乗ってみる?」

也幸「・・・(ぶるんぶるん)」

雪沙「子供っぽいからいやだってぇ〜」

僕「そうか・・・どんなのならいいんだい?」

也幸「・・・(さっ)」

 

指をさした、その先は・・・

 

☆ガチャポン☆

 

僕「ガチャポンが、いいの?」

也幸「・・・(コクリ、コクリ)」

 

そんな、当然だよと言わんばかりにうなづかなくても・・・

 

雪沙「あ〜、かわいい飾りもある〜」

僕「女の子用のアクセサリーだね」

雪沙「ゆきさもやりたい〜〜!

僕「じゃあ、えっと・・・1人3個ずつね、はい、300円」

雪沙「ありがと〜〜〜」

 

急いでコインを入れる雪沙ちゃん、

ガチャリ、ガチャリ、ガチャリ、とあっという間に3つカプセルを出す。

也幸くんは・・・どれにしようか迷いに迷って、まるでうなってるみたいだ。

 

雪沙「はやくえらばないと、おいてくよ〜?」

也幸「・・・・・・・」

雪沙「も〜〜、ゆきさがてきと〜にきめちゃうよ〜?」

也幸「!!!」

雪沙「ほらほら〜」

 

せっつかれて、あわてて100円玉を入れた・・・

出てきたのはスーパーボールだ、懐かしい、まだあったんだ・・・

別のガチャポンに100円玉が入る、今度はちゃんとカプセルに入ってる。

 

也幸「・・・・・」

雪沙「あかないの〜?」

也幸「・・・・・・!!!」

雪沙「あけてあげる〜」

也幸「・・・」

雪沙「とったりしないって〜」

也幸「・・(コクッ)」

 

カパッ、と簡単に開けるとそこには大きなサイコロが!

 

雪沙「これ、消しゴムでできてる〜」

也幸「・・・」

雪沙「よかったね〜♪」

也幸「・・・・・(コクコク)」

僕「いいのが出て良かったね」

 

博打とか覚えなければいいけど・・・

 

雪沙「あと100円はどれにする〜?」

也幸「・・・・・」

雪沙「ぢゅ〜、きゅぅ〜、はちぃ〜」

也幸「!!!」

雪沙「ななろくご〜よん・・・」

 

ガチャガチャガチャ!!・・・コロンッ

 

僕「今度は僕が開けてあげるよ」

也幸「・・・(コクコク)」

僕「でも、何系を買ったんだ?」

 

・・・カパッ!!

 

僕「わ、ちっちゃい・・・」

雪沙「ハーモニカだよね〜?」

也幸「・・・」

雪沙「良かったね〜、あげた笛こわれちゃったからね〜」

僕「あげた笛って?」

雪沙「ビニールのやつ〜、お家出る前、猫にひっかかれてやぶれちゃったの〜」

也幸「・・(コクッ)」

 

そうだったんだ・・・

 

僕「じゃあ今度は正真正銘、也幸くんのだから、遠慮なく吹けるね」

也幸「・・・」

雪沙「まだふいちゃだめ〜!」

也幸「!(ビクッ!)」

雪沙「おにぃちゃんにお礼言ってから〜」

 

もぢもぢしながら僕の前へ・・・

 

也幸「・・・・・(ぺこりっ)」

僕「はは・・今度は猫に壊されないようにね」

也幸「・・・」

 

プープププー♪

 

雪沙「も〜、もうふいてる〜!ちゃんと声に出して言うの〜!」

僕「いいよいいよいいよ、お昼ご飯食べよう」

也幸のハーモニカ「プープププププーー♪」

僕「レストラン入ったら吹いちゃ駄目だよ」

也幸「・・・・・」

 

少し歩くと屋上レストランがあり、僕らは入った。

 

僕「ここだ、どれどれ・・・北海道フェア期間限定メニュー・・」

雪沙「ジンギスカンってな〜にぃ〜?」

僕「羊の肉だよ」

雪沙「このサラダとめんがいっしょのたべた〜い」

僕「也幸くんは?」

 

じーーーーーっ、とお子様ランチを凝視してる・・・

 

僕「わかった、じゃあそれね」

雪沙「ジンギスカンは〜?」

僕「よし、じゃあ・・・店員さーん!」

店員「はい、ご注文でしょうか」

僕「サラダ麺2つとジンギスカン2つとソーセージ2本とお子様ランチを!」

 

也幸くんの方を見ると・・ハーモニカを口につけた!?

 

雪沙「だめ〜!!」

也幸「!!(ビクッ!!)」

雪沙「ふいたらすてるよ〜?」

 

・・・あきらめてズボンに閉まっちゃった。

 

☆昼食☆

 

並べられた料理、

也幸くんはお子様ランチの旗をじーーーっと見ている。

 

僕「そんなに見つめなくても減らないよ」

雪沙「いただきま〜〜〜す」

僕「いただきます」

也幸「・・・」

僕「ん・・・サラダ麺、結構おいしい・・・」

 

雪沙ちゃんも美味しそうにパクパク・・・

也幸くんは僕や雪沙ちゃんをちらちら見ながら

お子様ランチを気にしている・・・どうしたんだろう。

 

僕「食べていいんだよ?」

雪沙「なりゆきぃ〜、トマトいっこあげるぅ〜」

也幸「・・・・・・・・」

僕「ジンギスカンも美味しいね、雪沙ちゃん食べられる?」

雪沙「へ〜きだよ〜?おいし〜よ〜」

 

あ、也幸くんやっと食べはじ・・あれ?

 

雪沙「あれ〜?旗はぁ〜?」

也幸「・・・(ぶるぶるぶる)」

僕「ひょっとして・・・旗、食べちゃったの?」

也幸「・・・・・(ぶるんぶるんぶるん)」

雪沙「・・・ぽけっとからてぇ〜だしなさい〜!」

也幸「!!!(がくがくがく)」

僕「・・・あ!也幸くん、お子様ランチの旗は別に持ち帰ってもいいんだよ?」

也幸「!!!!!」

 

ポケットから手を出すとお子様ランチの旗が!

 

雪沙「きにいったのぉ〜?」

也幸「・・・(コクッ、コクッ)」

僕「別にお店が使いまわす訳じゃないからさ、持って帰って平気だよ」

雪沙「でもぉ〜、猫にさしちゃだめだよ〜?」

也幸「・・・・・(コクコクコク)」

 

安心して食べ始める也幸くん、

ほんっと、これくらいの子供って面白いな。

いい子なんだろうな、悪い事したらすぐばれちゃうタイプだ。

 

雪沙「ソーセージおいしぃ〜」

也幸「・・・・・」

僕「也幸くんのもうない?じゃあ食べていいよ、はい、どうぞ」

也幸「!!!」

僕「でも大人のだからちょっとからいかもね」

 

大人のソーセージをぱくっ、と食べて、

口に入れたままオレンジジュースを飲み含んで、

一緒にくちゃくちゃ・・・あ、味は、大丈夫なのか!?

 

雪沙「おにぃちゃ〜ん、あっちぃ〜」

 

外を指差してる、そこには・・・

 

僕「おお!ヒーローショーじゃないか」

雪沙「1時からだってぇ〜」

僕「何人かもう座ってるね」

雪沙「みにいこ〜よ〜」

僕「そうだね、也幸くんも行こう!」

也幸「?????」

僕「早く食べよう」

 

ヒーローショー・・・懐かしい響きだ。

 

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