朝食を終え、歯を磨いて自分の部屋に戻る。

 

僕「あれ?なんでこっちに踏み台が・・・」

 

電灯を交換したり高いところの物を取るための大きい踏み台が、

どういう訳か僕の部屋にある、使った覚えはないんだけど、はて・・・

 

ぴんぽーん

 

インターフォンが鳴った、

雪巳ちゃんが行って・・すぐ戻ってきた。

 

雪巳「也幸だったよー」

僕「あ、そうか、1度外へ出ると自分では入れないもんな」

雪巳「そだー、私、今日は友達と遊んでくるねー」

僕「行ってらっしゃい」

雪巳「家の中の事は今、雪菜がやってるからー」

 

雪巳ちゃんと入れ替わりで入ってきた也幸くん、

胸には本やノートを抱えて・・・あれは・・夏休みの宿題?

それを踏み台の上に乗せて・・なるほど、也幸くん用の机に丁度いい。

 

とたとたとた・・・

 

雪沙「なりゆき〜、お風呂洗い終わったから宿題みてあげるね〜」

也幸「・・・(コクリッ)」

 

斜め横に座る雪沙ちゃん、

漢字ドリルを開く也幸くん。

エンピツとかボロボロだな・・雪沙ちゃんが自分のを取り出す。

 

雪沙「こっちつかっていいよ〜」

也幸「・・・・・」

雪沙「えんりょしなくていいの〜」

 

勉強をはじめたようだ、

邪魔しないように本でも読むかな・・・

と思ったら仔猫たちが也幸くん、雪沙ちゃんの方へ・・・

白黒の猫が也幸くんの背中をよじ登って、頭の上にちょこんと乗っかる。

それにかまわず漢字を書くのに一生懸命な也幸くん、そして雪沙ちゃんは・・う〜ん、この格好は・・・

 

雪沙「も〜、ちがうでしょ〜、それは入れるって字で、人は逆でしょ〜?」

 

☆お勉強中☆

 

雪沙ちゃんの上半身、これは部屋着なのか?それともブラなのか?

肩紐片方はずれかかってるし・・・下半身は・・思いっきりショーツだよなぁ、

上と下、お揃いのピンク色ってことは、やっぱりセットになってる、下着、だよ、なあ・・・?

 

雪沙「あ〜〜、ばってんになっちゃった〜」

也幸「・・・・・」

雪沙「ほら〜、はい消しゴム〜」

 

よし、あれはブラとショーツだ!

よって、これ以上は見ないようにしよう、決定!

・・・って、何でそんな格好で勉強教えてるんだよ。

 

雪沙「も〜、目って漢字は口の中に棒2本なの〜、3本ぢゃないの〜」

也幸「・・・・・」

雪沙「タテくわえちゃだめ〜!!」

 

とたとた・・・

 

雪菜「ゆきさ・・・スカートはくの忘れてるよ・・」

雪沙「は〜〜い」

也幸「・・・・・」

 

ピンクのスカート・・・

そうか!ショーツ・スカート・そしてあのブラみたいなのと、

三点セットだったのか!・・となるとあれは部屋着、ということか?

 

うーん、小学生とはいえ女の子の服は謎が多いぞ。ま、いっか。

 

 

 

 

 

昼食が終わって自分の部屋で横になる僕。

雪巳ちゃんはお出かけしたまま夕食には戻るらしい、

雪沙ちゃんは洗い物、雪菜ちゃんは書斎に篭ってるみたいだ。

 

僕「静かな部屋だ・・・あれ?母猫は?」

 

仔猫3匹を置いてどこへ・・・あ、戻ってきた、

ナワバリの見回りでもしてたんだろうか・・・あれれっ?

三毛の仔猫を咥えて、再び廊下へ・・どこへ連れて行くんだろう?

水のみ場を教えているのか、それとも・・・そういえば也幸くんもいないぞ?

宿題はもう片付けられてるから、どこか遊びに行ったんだろうか、それとも・・・

 

母猫「にゃぁ〜」

 

また戻ってきた、仔猫は咥えていない。

そしてまた、次は白黒の仔猫を首根っこ咥えて、

廊下へ・・なな、なんだ!?廊下に蠢く物体は!?

 

也幸「・・・・・」

 

何だ、也幸くんか、でも母猫みたいに四つんばいで入ってきた、

そして同じように残った虎模様の仔猫を首根っこ咥えて、母猫の後を追う!

 

僕「な、なりゆき・・・くん?」

 

廊下からくるっ、とこっちを振り向いた!

 

☆仔猫運び中☆

 

也幸「・・・」

虎仔猫「みぃ〜みぃ〜」

僕「はは・・・」

 

仔猫は全然嫌がってる様子はない、

うまく甘噛みして運んでるみたいだ、

とっとことっとこと廊下の先へ四つんばいで歩いて行った・・・

 

僕「どこへ行くんだ?」

 

僕は気になって廊下へ出た、

丁度、也幸くんの足が1つの部屋へ入っていってる。

 

僕「あそこは確か・・・」

 

・・・・・やっぱり!

中はあんまり使わない、ロフトのある部屋だ。

前にここ入ったのはいつだろう?ロフトへの階段を登りきった母猫、

そしておしりを揺らしながら階段を仔猫咥えたまま四つんばいで登る也幸くん。

ロフト部分は大きな天窓がついていて、太陽の光りがさんさんと降り注いでいる。

 

僕「・・・そうだ、思い出した」

 

前にこのロフトへ来たのって、

確か何とか流星群を見ようと冬に・・・

僕も階段を登ると、前に来た時に置きっぱなしにしてた毛布の上で、

母猫が運んできた仔猫たちをなめている。也幸くんも咥えた仔猫をぽとっ、と毛布に落とす。

そんな也幸くんに母猫はご苦労様、とでも言いたげに体を擦り付ける・・・なるほど、仔猫の引越しかぁ。

 

そうだよな、僕の部屋は人の出入りが多くテレビやゲームの音もうるさい、

さらに雪巳ちゃん雪沙ちゃんが、しょっちゅう仔猫をいぢって、母猫は迷惑そうだった。

それに確か、猫って日なたぼっこが大好きなはず、ここなら静かだし、日中はほぼ太陽の日があたる・・・

部屋も涼しいし・・ってなんで?そうか、前にこの部屋に来たときから、空調付けっぱなしだったんだな、きっと。

あと、ここは一応、猫の大好きな「高いところ」だし・・・引っ越したんならトイレとお水、こっちに移動させた方がいいよな?

 

僕「ここを猫たちの部屋にするか・・・」

 

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