ぺちぺち・・・

 

僕「・・ん・・・」

 

ぺちぺちぺち・・・

 

僕「な・・なんだ・・・」

 

なんか、顔をぺちぺちされてる、

しかも、ちっちゃいもので・・んん・・・?

朝か・・・それより、僕の顔を一体何が・・んんんっ!?

 

僕「これは・・・???」

 

ぺちぺちぺちぺちぺち

 

目の視界が合ってきた、

これは・・こ、これはーーー!!

 

ぺちぺち

ふにふにふに

ぺちぺちぺちぺちぺち

 

☆ぺちぺちぺち☆

 

僕「に、にくきゅう!?」

 

ぺしぺし・・・ぺったんぺったん

 

僕「うっぷ・・・」

 

目が覚めてもなお、

僕の顔を肉球がぷにぷにと・・・

これは、母猫か・・也幸くんが母猫を抱えて、

腕をあやつって、肉球でぺちぺちしてきている。

これは・・・僕を起こしておるんだろうなあ、きっと。

 

☆にっくきゅ〜☆

 

ぺちぺちぺち・・・

 

僕「あー、もうわかったわかった、起きる起きる!!」

 

ベットから体を起こすと、

母猫を床に置いて逃げる也幸くん。

うー・・・顔洗ってこよう・・・微妙な起こし方だなあ。

 

台所の前を通ると雪沙ちゃんの声が聞こえてきた。

 

雪沙「なりゆき〜、ちゃんとおにぃちゃん起こしてきてくれた〜?」

 

なるほど、雪沙ちゃんに頼まれてたのか、

ちゃんと役に立つっていう所を見せるためにしたようだ。

 

母猫「にゃぁ〜〜」

 

匂いにつられて台所へ入っていく母猫、

それを見た雪沙ちゃんが廊下を歩く僕に気付いた。

 

雪沙「おにぃちゃんおっはよ〜」

僕「おはよう、もうご飯?」

雪沙「そうだよ〜、ね〜なりゆきぃ〜」

也幸「・・・・・(コク)」

僕「起こしてくれてありがとう、顔洗ったら食べるよ」

 

雪沙ちゃんなりに、也幸くんを溶け込ませようとしてるんだろうなぁ・・・

まだ小学5年生なのに、実は結構、面倒見のいいお姉さんなのかも知れない。

也幸くんのおかげで、また違った面の世話焼き雪沙ちゃんをよく見られそうだ。

 

 

 

 

 

僕「いただきまーす」

 

今日は雪沙ちゃんの作った朝食だから、

簡単なコーンシリアルと牛乳とフルーツだ。

雪巳ちゃんは食べ足りないといった感じでチーズも頬張ってる、

雪菜ちゃんはいつも通り、ちまちま食べているようで結構早口だ。

雪沙ちゃんは、椅子の上に座布団重ねて座っている也幸くんの世話をしながら食べてる。

その也幸くんは器用にバランスを取りながら口を牛乳でべたべたにしつつシャクシャク食べてる。

 

雪沙「ほら〜こぼしちゃだめだよ〜」

也幸「・・・・・」

雪菜「あ・・・猫さん・・・」

母猫「んにゃ〜〜〜」

僕「お、もう猫缶食べ終わったのか?」

 

しゅたっ、と食卓に跳び乗った!?

 

母猫「にゃああああ〜」

 

也幸くんの方へ行き、

ペロペロと口の周りの牛乳を舐めてる・・・

猫の舌が痛くて困った顔をしつつも、されるがままの也幸くん。

 

雪巳「テーブルに乗っちゃ駄目ー!」

 

ぺしんっ!!

 

母猫「ふにゃ〜〜〜!!」

 

あ、雪巳ちゃんに思いっきり叩かれて逃げちゃった、

そりゃそうだ、人間の食卓に猫が乗ったらこうなるって、

しっかり躾けないとな・・・也幸くんは母猫が逃げた方をじーっと見てる。

 

雪沙「きたないからふくよ〜?なりゆきぃ〜」

雪菜「毛が・・ちょっと落ちてる・・です」

雪巳「食べ物にはかかってないよねー?」

僕「大丈夫だと思うけど・・・」

雪沙「なりゆきぃ〜、ちゃんとお母さん猫に言っとかないとだめだよ〜?」

也幸「・・・・・(コクコク)」

僕「はは、也幸くんってあの母猫と喋れるんだ」

 

・・・本当にテレパシーで会話してそうだ。

 

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