雪巳「お風呂出たよー」

雪菜「先に入って・・・ごめんなさい・・です」

雪沙「お湯たしといたよ〜」

僕「じゃあ僕も入ろう」

也幸「・・・・・」

 

僕の分のチョコドリンクを見つめる、裸の也幸くん。

 

雪沙「も〜、1本半のんだでしょ〜?みすずね〜さんのも〜」

也幸「・・・・・」

雪沙「はもみがいたから〜、お水しかだめ〜」

 

1本半・・・美鈴姉さんの・・・ははぁ、

さては義姉さん、チョコドリンクで也幸くんを手なずけたな!

なんてお手軽なんだ・・・まあいいや、さっさとお風呂へ行こう。

 

雪巳「也幸の着替え取りに下いってくるねー」

僕「うん、お願いするよ」

雪沙「なりゆき〜、ゆきさのせなかにパウダーつけて〜」

也幸「・・・(コクリ)」

雪菜「猫のトイレ・・・掃除する・・です」

 

 

 

 

 

お風呂から出ると部屋では・・・

 

雪巳「仔猫っておもしろいねー」

雪沙「コマみたいにくるくるまわせるよ〜」

也幸「・・・・・(汗たら〜・・・)」

僕「おいおい、無茶するんじゃないよ、おもちゃじゃないんだから!」

雪菜「はい・・・お兄ちゃんのチョコレートドリンク・・・」

 

やっと飲める、お風呂上りに・・ごく、ごく・・・ぷはぁ!!

 

僕「おいしぃ〜〜!量が少ないのがちょっと、だけど凄くおいしい!」

雪巳「仔猫の耳に息ふきかけると面白いよー」

雪沙「ほんと〜、ぶるぶるしてる〜」

也幸「・・・・・(おろおろ)」 

僕「いいかげんにしなさい!はい、もう寝た寝た」

 

母猫と也幸くんの、仔猫への心配そうな顔を見ると、もう追い出したくなったぞ。

 

雪巳「えー、いつももーちょっと起きてるよー?」

僕「僕が寝たいんだから。本とか持ってっていいしテレビは向こうで見て!」

雪菜「はい・・おやすみ・・・です・・ゆきさ・・いくよ・・・」

雪沙「え〜?おにぃちゃ〜ん、いっしょ・・に・・・」

也幸「・・・・・」

 

ん?雪沙ちゃんが也幸くんの方を気にした。

 

雪沙「なりゆき〜、いっしょにねよ〜」

也幸「・・・・・(ぶるぶる)」

雪沙「も〜〜・・ぢゃあ、お兄ちゃんおやすみね〜」

 

あれ?随分と素直に・・・いつもなら僕と寝たいってもうちょっとゴネるのに・・・

あ、そうか、也幸くんがいるからか・・さすがに也幸くんの前では変な事できないもんな。

ということは、この部屋に也幸くんがいてくれれば、僕の貞操は安全ということか・・・

 

雪巳「おやすみー」

雪菜「なりゆき・・・わたしたちの部屋・・わかるよね・・・」

雪沙「おやすみなさ〜い」

僕「おやすみ」

也幸「・・・・・」

 

出て行った三姉妹、

残るは也幸くんと母猫と、

いぢくり回されまくってボロボロの仔猫3匹・・遊びすぎだよ。

 

也幸「・・・・・」

 

心配そうにそっと仔猫を両手ですくおうとする也幸くん・・・

 

母猫「フシャーーー!!」

也幸「!!!(ビクビクビク!!!)」

 

あーあ、怒られちゃった、也幸くんかわいそうに・・・

仔猫を助けようとしたのに、母猫はもう人間に触らせたくないみたいだ。

也幸くん、ちょっと泣きそう・・母猫は仔猫をぺろぺろ・・・

 

僕「さて、歯を磨いて寝よう・・也幸くんも歯、磨いた?」

也幸「・・・(コクコク)」

僕「そうか・・じゃあ、もう寝ようね、雪巳ちゃんたちの部屋でもいいし、僕の部屋なら一緒に・・・」

也幸「・・・・・」

僕「え?そこで寝たいの?」

 

バスタオルの山にもぐっちゃった、

そこへ一緒に入っていく母猫、仔猫たち・・・

まるで也幸くん、この猫ファミリーのお父さんみたいだ。

 

僕「お腹冷やさないようにね」

也幸「・・(コクッ)」

 

本人があそこがいいなら、それでいいか。

僕は部屋の電気を夜光灯のみにして、歯を磨きに洗面所へ行った・・・

 

 

 

 

 

ちょっと早くベットに入ったせいか、なかなか眠れないな・・・真っ暗にしたのに。

時間は・・目覚ましは・・もうすぐ0時か・・・静かだ・・猫たちは・・ん?ムクリと人影・・

也幸くんが起き上がったみたいだ、そしてドアをあけて廊下へ・・・トイレかな?

それか、やっぱり布団で寝たくて三姉妹の所へ・・って、也幸くんって普段はちゃんと、

布団で寝てたんだろうか?ひょっとして赤ちゃん以来、布団らしい布団に入ってないとか・・・?

 

ジャー・・・とたとたとた・・・

 

帰ってきた、やっぱりトイレだったみたいだ。

ドアを開けて入って・・ん?入ってこない?

 

也幸「!!!!!」

 

どうしたんだ?

ドアの隙間からじーっと、

猫たちの方を見て・・あ、母猫仔猫みんな目が覚めてるみたいだ、

也幸くんをじーーっと見つめて・・ああ!そうか、なあるほど!!

猫ファミリーの、暗闇に光る8つの目にビビっちゃってるのか!!

 

也幸「・・・・・(びくびく)」

 

ちょっと恐がってる・・でも、ゆっくり入ってきた・・

ほほえましいな、夜の公園とかだとネオンがあるからそれほど光らなかったんだろうな、

也幸くんの、猫へ恐いんだけど一緒に寝たいっていう感じで近づく感じが面白い・・・あ、やっとついた。

 

ほんっとに面白すぎる子だ・・・

 

僕は睡眠を妨害されていた変にはりつめた神経が解け、

吸い込まれるように眠りについたのだった・・・也幸くんのおかげだな・・・おやすみ・・・

 

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