女性職員「いえ、その・・・」

男性職員「お伝えしていいんじゃありませんか?」

女性職員「そうですね、オーナーさんですし・・あの・・・」

僕「はい」

女性職員「雪沙ちゃんに命令して、管理人さんを、蹴らせた、とか・・・」

僕「はぁあ!?」

雪沙「うそつき〜〜〜!かんりにんさん、うそつき〜〜〜」

雪菜「そんなこと、お兄ちゃんが言うわけ、ない、です」

男性職員「やはり問題は管理人さんの方だったようですね」

雪巳「そうだよー」

 

・・・なんでそんな、すぐばれる嘘を!!

 

女性職員「これではっきりしました」

男性職員「そうですね、管理人さんは・・・」

僕「1階にいます、住み込みですから」

女性職員「あの、とりあえず管理人さんへは私どもの方から問題なかったとお伝えしますが・・」

男性職員「逆に管理人さんの方を気をつけてください」

僕「ええ、もちろん」

女性職員「・・・管理人さんも寂しいんでしょうか・・・」

僕「そうかも知れませんね、それで・・・」

 

・・・いや、単なるロリコンだと思うぞ・・・

僕も人のことは言えないけど(ノ∀`)タハー

 

也幸「・・・・・」

 

ちょっと也幸くんが重くなってきたぞ。

 

僕「この子、寝かしてきます、ちょっと失礼して・・・」

 

也幸君を抱えて廊下へ出る、

僕の部屋のベットへ入れて・・・猫たちもバスタオルの山で寝てる、

仔猫たちの事、あの相談所の人に相談しようかな・・いや、猫は専門外か。

 

 

僕「お待たせしま・・あれ?もう帰るんですか?」

女性職員「ええ、管理人さんとのお話もありますから」

男性職員「きちんと説明しておきますから」

雪巳「美鈴おねえさんはいいのー?」

男性職員「はい、よろしくお伝えください」

女性職員「次は月末あたりに、よろしいでしょうか?」

僕「あ・・・はい、わかりました」

雪沙「ばいば〜い」

雪菜「おやすみ、なさい、です」

男性職員「それでは失礼します」

 

・・・・・・・・・・・出て行った。

見送った後、三姉妹は来客用居間へ戻って、キョロキョロ・・・

何を探してるんだ?座布団めくったり、湯飲みの裏まで見て。

 

僕「何してんの?」

雪沙「・・・と〜ちょ〜き、ないみたい〜」

雪菜「忘れ物も、無いみたい・・・です」

雪巳「大丈夫みたいー、お兄ちゃん、もー安心だよー」

僕「そっかそっか、そういえば前にそんな話が出たもんな」

 

この子たちの方が慎重なんだな・・・

 

雪巳「おにーちゃんのいない時に、これもらったー」

僕「ん?相談所の人の名刺・・・とテレカだ」

雪沙「そ〜だんがあったらいつでもかけてきてって〜」

雪菜「あと・・・お兄ちゃんのこと・・・」

雪巳「お兄ちゃんに、覗かれたり変なとこ触られたりしてない?だってー」

 

ぎくぎくぎくぎくぎく!!

 

雪巳「そんなことないのにねー」

僕「う、うん・・まあ・・そうだね」

 

一緒にお風呂入ったり、逆に僕が変な所触られたりしてるけど、ね・・・

 

ぴんぽーん

 

僕「戻ってきた!?」

 

もしくは美鈴義姉さんか・・・

管理人が怒って怒鳴り込んで、くるにはまだ早いよな。

 

雪巳「見てくるー」

僕「いや、僕が行くよ」

 

玄関のモニターに映っていたのは・・・

うわっ!ビッグマザーだ!!なんで雛塚母が!?

 

僕「・・・はい、なんでしょうか」

雛塚母「ちょっと!ウチの也幸が朝から見えないんだけど、知らないかいっ!?」

僕「あ!!・・・・・うちにいます」

 

そうだ、連絡も何もしてなかった・・・あちゃー。

 

雛塚母「やっぱりそうかい・・・也幸もメイドにやとうんだね?」

僕「ええっ!?だって也幸くん・・・小1ですよね?」

雛塚母「じゃあ、また1か月分の家賃頼んだよ!!」

僕「ちょ、ちょっと!!」

雛塚母「わかったね!!」

 

と言いながらエレベーターに乗って降りて言った雛塚母、

言い逃げかよ・・・也幸くんを雇うって、何をさせればいいんだ?

雪沙ちゃんの言ってた、猫の世話係くらいしかさせられないよな・・・う〜む。

 

雪巳「ママだったねー」

僕「わ!見てたの?」

雪巳「おっきー声が聞こえてたー」

僕「よく通る声だよね・・・そうそう、也幸くん黙って来たみたい」

雪巳「あー、言って来るの忘れてたー」

 

・・・僕が気付いてあげるべきだったな、

雪巳ちゃんたち、よく家の手伝いしてくれるとはいえまだ中1〜小5なんだから。

最近、いろんな意味で油断しつつあるような・・・だから管理人に付け込まれる隙があるのかも。

 

僕「じゃあさ、雪巳ちゃん、也幸くんが寝てる間に抱いてこっそり下へ・・・」

 

ぴんぽーん

 

またきたぁ!?

モニターには・・あ、美鈴ねえさんだ。

安心した・・・でも何でインターフォンを?あ、入ってくる!

 

僕「荷物が大変そうだ、玄関を開けてあげなきゃ・・・」

 

ガチャ

 

美鈴「はぁ、はぁ・・・間に合ったかしら?」

僕「いえ、もう行っちゃいました」

美鈴「え?相談所の車はまだあるみたいだけど」

僕「あー、管理人さんのとこかな?」

美鈴「・・・じゃあ、こっちはもう終わったってことね」

雪巳「いらっしゃーい」

美鈴「はいこんばんわ、うまくいった?」

雪巳「うんー、言われた通りにしたよー」

 

また指示をしてくれたみたいだ。

 

美鈴「じゃ、お邪魔するわね」

僕「はい、僕の部屋にみんないますから・・・」

 

戻ると・・・あれ?ベットに也幸くんがいない?

と思ったらいつのまにか猫たちの寝てるバスタオルの山で、一緒に寝てる・・・

何もわざわざあっちに行く事ないのに、ベットの方が気持ちいいはずなのになぁ・・・

 

雪菜「こんばんわ・・・」

雪沙「こんばんわぁ〜」

美鈴「はいこんばんわ、あら、あの子が電話で話してた・・・」

雪巳「也幸だよー」

美鈴「と、猫ちゃんたちね」

 

荷物を置いて机の前に座る美鈴ねえさん。

 

僕「えっと・・・とりあえず相談所の人は納得してくれたみたいです」

美鈴「何を?」

僕「その・・・この子たちの事」

美鈴「どうせ管理人さんが、この子たち欲しさに相談所に変な電話入れたんでしょ」

僕「そう・・・かな?そう・・・です」

 

話が早い。

 

美鈴「だから、その男の子・・・也幸くんを、君になつかせたのよ」

僕「ええ?あれって、指示だったんですか?」

美鈴「そうよ、雪巳ちゃんにお願いしてね」

雪巳「也幸ぐずってたけどー、猫のためって言ったら言う事きいたよー」

僕「そうか・・・人見知りの也幸くんが相談所の人たちの前に出てくるから、おかしいとは思ったんだ」

 

でも・・・なぜ!?

 

美鈴「これで相談所の人には、女の子だから、とかいう偏見が無い事がわかってもらえたはずよ」

僕「あ・・・そういう事か」

美鈴「そう、変な噂を否定して相談所の心象を良くするため」

 

確かに、男の子は嫌だ!って選り好みするような保護者は駄目だよな。

 

僕「あの・・・下の、管理人の所へは行かなくても・・・」

美鈴「んー、納得はしてもらえたんでしょ?」

僕「はい」

美鈴「じゃあ、これ以上変に取り繕う必要はないわ」

雪菜「あの・・・麦茶持って・・くる・・です」

美鈴「あ、待って!お土産があるの・・・はい、これ」

雪沙「じゅ〜すだぁ〜」

美鈴「チョコレートドリンクよ、お風呂上りに飲むと良く眠れるのよコレ」

 

☆白い恋人☆

これは・・・白い恋人ドリンク!!

 

僕「これって北海道名産なんじゃ?」

美鈴「そうよ、デパートで北海道物産展やってて、それでね・・はい、どうぞ」

雪巳「ありがとー」

雪菜「ありがと・・・です」

美鈴「飲んだらちゃんと歯を磨くのよ?」

雪沙「ありがと〜いただきま〜〜す!」

 

プシュ!!

 

もう開けちゃった。

・・・ん?その音に反応してムクリと起きる也幸くん、

と猫たち・・・也幸くん、美鈴ねえさんを見て、ああっ、ベットの影に隠れちゃった。

 

美鈴「んもう!これは猫缶じゃないの!」

母猫「にゃあにゃあにゃあ」

美鈴「毛がつくでしょ?もうっ!これ、外用の服なんだからっ!」

僕「あ、すみません、離します・・・」

雪沙「こら〜、なりゆき〜、ちゃんとあいさつしなきゃだめなんだよ〜」

 

じーーーっと、こっちを、

というより、チョコレートドリンクを見てる・・・

 

美鈴「これ、よく振って飲むと泡だって美味しいのよー・・・」

 

シャカシャカシャカ・・・プシュ!・・・ごくごくごく・・・

 

美鈴「ん・・・おいしいわ」

也幸「・・・・・」

 

指くわえてみてる・・・あ、もそもそとこっちへ来た!

って、行き先は雪沙ちゃんの所だ、でも雪沙ちゃんはもう飲み干して・・・

 

雪沙「おいしかった〜〜」

也幸「・・・・・」

雪沙「みすずおね〜さんにもらってよ〜」

也幸「・・・・・・・」

雪沙「なりゆきがじぶんでいうの〜!」

 

ちら、ちら、と美鈴ねえさんを見てる・・・

でもこれだと、いつまでたっても貰いに行けそうにないな・・・よし。

 

僕「じゃあ、僕のをあげよう」

也幸「!!!」

雪巳「はい、どうぞ」

 

まだ開けてない僕のをあげちゃった、

缶を開け・・るのに奮闘してる、爪が伸びてるなぁ・・・

 

雪沙「あけたげる〜」

也幸「・・・(コクコク)」

 

プシュッ!

 

雪沙「はい〜」

也幸「・・・・・」

 

缶を両手で持って、少し傾けてピチャピチャ飲んでるや。

 

もどる めくる