ミニフリーマーケットでは結局、何も買わずに見て回るだけで終わった。

商店街に戻って屋台を見回る・・・お、金魚掬いでもなくヨーヨー釣りでもなく、

ザリガニ釣りなんてやってるぞ?今はこんなのがあるのか、どれどれ・・・

 

僕「すいません、1回やります」

雪巳「私もするー」

雪菜「・・・見てる・・・です」

雪沙「ゆきさするする〜〜〜」

僕「お、さきいか付きの竿か、よーし・・・」

 

イカをザリガニの前に落として・・・

おお、簡単につかまるぞ!ハサミで挟んでる。

これを持ち上げて・・・ああっ、駄目だ!上げるのが難しい!!

 

雪巳「すぐに落ちちゃうー」

雪沙「でもおもしろ〜〜〜い」

僕「糸が切れるまでは大丈夫だから再チャレンジだ!」

 

はさみに挟ませて・・・

ちょっと食べさせて・・・

いまだ!上にあげて・・・

あ、向こうで釣ってる少女、

ヒザを拡げたしゃがみ座りだから白いパンツがモロ見え・・・

小3くらいでもパンツが見えちゃうのはやっぱり・・・見とれちゃ・・・

 

ポチャッ!

 

僕「ああっ!餌ごと落ちちゃった」

 

パンツに見とれてるからだよ!

まったく僕は、さっきの管理人で反省したんじゃなかったのか?

それをパンツが見えたくらいで・・・・・はぁっ、男って、悲しいね・・・

 

雪菜「ゆきさ・・・はやく動かせば・・・とれる・・・よ」

雪沙「うん〜〜〜・・・やったぁ〜〜〜、とれたぁぁ〜〜〜」

僕「すごい、そんなに大きいやつを!このお店のヌシじゃない?それ」

雪沙「えへへ〜〜〜、すごいでしょ〜〜〜」

僕「えらいえらいえらい!!」

 

と思ったらザリガニのハサミが雪沙ちゃんのかわいい指を!

 

雪沙「いたぁ〜〜〜い!!」

 

ぽちゃんっ!!

 

雪菜「あ・・・もったいない・・・」

雪沙「はさまれたぁ〜〜〜」

僕「あーあ、振りほどいて落としちゃった・・・大丈夫?」

雪菜「血は出てないから・・・ふ〜ふ〜すれば治るよ・・」

雪沙「おにぃちゃ〜ん、ふ〜ふ〜して〜〜」

 

はいはい、ふー、ふーーっ・・・と

 

雪巳「そーだー、いい方法を考えたよー」

僕「え?釣る方法?どんなの?」

雪巳「こーするのー」

 

小さいザリガニが餌のイカを挟んだのを確認して・・・

 

雪巳「えいっ!!」

僕「うおっ!真上に、釣り上げた!?」

雪巳「こっちに落ちてくるー」

 

まさに一本釣り!!

高く弧を描いたザリガニが雪巳ちゃんの、

首のところへ飛んで来て・・・すぽっ、と胸元のシャツの中に入ったっ!?

 

雪巳「きゃー、きゃー、きゃー!!」

 

慌てて立ち上がりシャツをめくる雪巳ちゃん!

ぶ、ブラが・・・丸見えだよ、みんな注目してる・・・

あっ、ザリガニが胸の谷間に挟まってる・・ようやく落ちた。

 

ぽちゃんっ!!

 

我に帰ってあわててシャツを下ろす雪巳ちゃん!

顔を真っ赤にしてしゃがみこむ・・・って僕も顔が熱いよ!!

竿を返して、さっさとここから逃げよう・・・みんなの竿を回収して、と・・・

 

僕「手を洗いに行こう」

雪沙「おうちぃ〜〜?」

僕「公園だよ、あっちあっち」

雪巳「はずかしーよーー」

雪菜「そんなに・・はしら・・・ないで・・・」

僕「ごめんごめん・・・ついた」

雪沙「いいにおい〜〜〜」

 

ビアガーデンのある公園だ、

水飲み場で手を軽く洗って・・・

雪菜ちゃんは大丈夫そうだ、やってないから・・・

雪沙ちゃんは手を洗いながらお水をビチャビチャ飲んでる、

雪巳ちゃんは・・・シャツの中がちょっと気になるみたいだけど、汚れては無いっぽい。

 

僕「タオル持ってくれば良かったね・・・コンビニで買う?」

雪巳「んー・・・大丈夫ー」

雪菜「ゆきさ・・・シャツで拭いたら駄目・・・」

雪沙「あ〜〜、みんないる〜〜」

僕「え?あ・・雪巳ちゃんたちの家族・・・」

 

ビアガーデンのテーブル席に、

ビックマザーと酒飲み親父と、

後は・・・3悪兄弟はいないみたいだけど、

それ以外の、雪巳ちゃんたちの弟妹はみんな揃ってる、

上の弟2人、雅幸くん隆幸くんは焼きそばを速攻で食べて商店街へ掛けて行った、

下の妹2人、雪絵ちゃん雪音ちゃんは1つの焼きそばを半分こしてゆっくり食べてる、

一番下の也幸くんは・・・ビッグマザーが也幸くんの髪の毛を引っ込むいて、焼きそばに、入れた!?

 

雛塚母「ちょっとー!この焼きそば、髪の毛が入ってるじゃないのー!」

 

クレーマーだあああああああああああ!!!

 

雛塚父「・・・・・」

 

あー、お父さんもビールぐびぐび飲んで・・・

こ、ここは・・・逃げたほうが身のためだな・・・

巻き込まれないうちに・・・そろり、そろーーり・・・みんなも一緒に・・・

 

僕「・・・・・ここまで来ればもう大丈夫だろう」

雪巳「ほっとしたらおなか空いてきちゃったー」

雪菜「おひる・・・ごはん・・・」

雪沙「どっかでなんか〜〜」

僕「そうだな・・・丁度いい所にタコスの屋台が!あれにしよう」

 

4人分買って・・・

後は自動販売機でジュースを4本・・・

そのまま大きい公園へ・・・中央みどり公園・・・

 

雪巳「あそこ座ろー」

僕「はい、みんなどうぞ」

雪沙「いただきま〜〜〜す」

雪菜「タコス・・・食べるのはじめて・・・」

僕「僕もめったには食べないな、味はどうかな・・・」

 

僕「うん・・・おいしい、普通に」

雪巳「辛いお好み焼きみたーい」

雪菜「でも皮は・・・ぱりぱり・・・です」

雪沙「からいけどおいしぃ〜ね〜〜

僕「うん、ひき肉が結構贅沢に使われてて・・・」

 

にゃあにゃあにゃあ

 

ん?足元にでかい猫が・・・

これは・・・昨日、也幸くんが世話してた猫だ、

仔猫はどうしたんだろう・・・ダンボールで待ってるんだろうな。

 

雪沙「かわいい〜〜〜」

雪巳「なつっこい猫ー」

雪菜「あんまりきたなく・・ない・・・」

僕「じゃあタコスの皮をちょっとだけ・・・」

雪巳「あー、咥えてすぐ逃げちゃったー」

 

仔猫が心配なんだろうな・・・

僕だって心配だ。でも下手に見に行かない方がいいだろう。

也幸くんならまだしも、大勢の子供に見つかったら仔猫たちがどうなるか・・・

 

雪巳「見てー、お神輿はじまったよー」

僕「ほんとだ、神社から出てきた」

雪菜「重そう・・・です」

雪沙「食べ終わったらいく〜?」

僕「うん、ちょっとだけ見に行こう」

 

急いで食べて・・・

あ、ジュースの空き缶はちゃんと回収して捨てないと、ね。

 

 

 

わっしょい!わっしょい!わっしょい!

 

活気があっていいなあ、お神輿・・・

そばで見る分にはいいもんだ、担ぎたくはないけど。

後ろに続く子供みこし・・・かわいいもんだ、僕も昔は引っ張らされたっけ。

 

雪巳「あー!あそこー」

 

ん?全然見当違いの方を指さす雪巳ちゃん、

そこは神社・・・もう誰もいない、もぬけのカラなはず・・・

って、誰もいないのをいい事に三悪兄弟が賽銭箱に腕を突っ込んでる!!

 

僕「あいつら!!」

 

今日はお祭りで常設とは違う大きな賽銭箱が用意されてる、

そこへ手を・・・みんながお神輿に目を向けてると思って・・・

捕まえな・・ああ、もう遅い!お札持って逃げてっちゃった・・・

 

雪菜「どうしよう・・・」

僕「大丈夫、どのうちバチが当たるから」

雪沙「け〜さついく〜?」

僕「うーん・・・そうだ!あそこ行こう」

雪巳「えー、お兄ちゃんもー・・・するのー?」

 

するの、って・・・?あ、盗むってことか。

・・・・・誰がするかああああああああああああああああ!!!

 

 

 

僕「さて・・・この千円を・・・」

 

お賽銭箱に入れて・・・

 

パンッ、パンッ!!

 

・・・・・どうかあの三悪兄弟にバチがあたりますように・・・

 

雪巳「あー、もったいなーい」

雪菜「5円で・・・いいのに・・・」

雪沙「なにおねがいしたの〜?」

僕「内緒。こういうのは誰にも言わないものだよ」

雪沙「そ〜なんだ〜〜」

 

これでお賽銭、プラスマイナスゼロ、だよな?

・・・・・さっき三悪兄弟が盗んだの、千円札に見えたけど、

まさか五千円・・一万円・・・そこまで行くと、もう僕はフォローできないや。

 

雪菜「・・・・・ありがとう」

僕「ん?なにが?」

雪菜「・・・・・・・・・」

 

うん、雪菜ちゃんだけは、わかってくれてるみたいだ。

 

もどる めくる