ジュースが出てきた頃にはみんな機嫌が直ってる、

雪菜ちゃんだけちょっと微妙だけど、でもとりあえずは安心かな?

 

雪巳「じゃあ私から雪音にプレゼントねー」

 

かわいらしいリボンを結んであげる、

これっでネズミーランドで買ったお土産についてたリボンじゃ・・・

 

雪菜「はい・・・あげるね・・・」

 

雪菜ちゃんはビーズで作ったブレスレットだ。

 

雪沙「手ぇだして〜〜〜」

 

かわいい手のひらにジェリービーンズをぱらぱらと・・・

僕がネズミーランドで買ってあげたやつだ、貴重なおやつを・・うぅ、泣ける。

 

雪絵「これ〜〜」

 

そう言って雪絵ちゃんが出したのは、白い石っころ・・・

あ、ジェリービーンズと一緒にポケットに入れちゃった、

飲み込まなきゃいいけど・・・って僕は雪音ちゃんにプレゼント用意してないぞ!?

 

雪巳「お兄ちゃんからはケーキがプレゼントだよー」

 

そうそう、これから来る・・・

って、それじゃなくって、きっと雪巳ちゃんたちが作ったケーキが、

ネズミーランドで買ってあげたお土産だったから、僕からの、って事だったんだろうなあ・・それを・・・

 

雪菜「あ・・・曲・・・」

 

場内のBGMがハッピーバースデーになった!?

 

♪〜〜〜

 

場内放送「本日、ひなつかゆきねちゃん8才のお誕生日です!みなさん拍手でお祝いください!」

 

ぱちぱちぱちぱちぱち・・・

 

タイミング良くケーキが運ばれてきた!

ちゃんと8本のローソクに火がついている。

さらにチョコプレートには「ゆきねちゃんおたんじょうびおめでとう」の字が!!

 

雪巳「雪音ー、歌い終わったら吹くんだよー?」

雪沙「♪はっぴば〜すで〜つ〜〜ゆ〜〜〜」

女性店員「ハッピバースデートゥーユー♪」

みんな「はっぴば〜すで〜でぃあ・雪音ちゃ〜〜ん、はっぴば〜すで〜とぅ〜ゆぅ〜〜〜」

雪音「・・・・・ありがとう・・・」

 

ふぅ〜〜〜〜〜〜っ・・・

 

パチパチパチパチパチ!!!!!

 

女性店員「さあ、記念撮影のサービスです、みなさんケーキと雪音ちゃんに寄ってください!」

 

・・・僕は外した方がよさそうだな、なんとなく。

 

雪巳「ほらー、お兄ちゃんもー」

僕「いや、いいよ・・・」

雪沙「はずかしがらないで〜〜」

雪菜「おねがい・・・です」

僕「いやいやいいよ、僕はトイレ行ってるから」

 

はぐらかして逃げる・・・

背後ではフラッシュの光りが・・・

一生に残る記念撮影だもんな、へたに僕が入る訳にはいかない。

・・・・・トイレで考える。これで本当に良かったんだろうか?連れて来て・・・

みんなが周到に準備した雪音ちゃんのお誕生会を、こうもあっさり僕がお金で代替して・・・

 

僕「でも、ああなっちゃった責任は僕にもあるし・・・でも・・・」

 

雪菜ちゃんだけスッキリしない表情だった理由は、わかる。

メチャクチャにされた誕生会を、お金さえあればって感じで上塗りして、

これで全て解決している訳じゃない、ひょっとしたら僕は間違ったことをしているのかも・・・

 

ジャー・・・

 

手を洗ってテーブルに戻ると、

ケーキを頬張る雪音ちゃんの満面の笑み!

みんなももう食べはじめてる、雪菜ちゃんだけ待ってたみたいだ。

 

僕「じゃあ僕も食べるね、いただきまーす」

雪菜「・・・いただきます・・・」

女性店員「ジュースのおかわりはいかがですかー?」

雪巳「おねがいー」

雪沙「ゆきさも〜〜〜」

 

うん、うまい!

不二家のケーキは歴史があるね!

この伝統的な甘さはそう簡単に真似できるものじゃない!

 

雪菜「ほら・・・雪音、お口拭いて・・・」

雪沙「ゆきえもだよ〜、ふいてあげるね〜」

雪巳「そう言ってる雪沙もお口拭きなよー」

雪音「・・・おねえちゃんたち・・みんな・・・ありがとう・・・」

雪絵「・・・・・えっく・・えっく・・・」

 

ゆゆゆ、ゆきえちゃん、また泣いてる!?

 

雪巳「どうしたのー?」

雪絵「けぇきが・・・おいしぃのぉ・・・」

雪沙「も〜、たんじょ〜びはゆきねなのにぃ〜」

雪音「・・・・・」

雪絵「雪音も、もらい泣きしちゃ・・・だめ・・・」

 

あれ?女性店員さんが何か持ってきた!?

 

女性店員「はい皆さん、お土産のお菓子とおもちゃをどうぞー」

雪沙「え〜、みんなに〜?」

雪音「わぁ・・・」

雪絵「うれ・・しぃ・・・ひっく・・・」

雪菜「ペコちゃんの人形・・もらっちゃった・・・」

雪巳「お兄ちゃんは新幹線だねー」

僕「うん、ありがとう・・・あはは」

 

これどうしよう・・・也幸くんにでもあげるか!?

 

 

 

 

 

お誕生会が終わってマンションの前でタクシーを降りる、

あれ?雪菜ちゃんが雪絵雪音ちゃんのお菓子を回収してる?

 

雪菜「取られちゃうから・・食べたくなったら・・きてね・・・」

雪絵「うん〜」

雪音「うん〜〜」

 

なるほどね、悪夢は繰り返したくないってことか。

・・・ん?雪音ちゃんがやってきて・・・上目遣いで、じーっと僕を・・・

くいくいっとソデを引っ張られて・・・あ、そうか、視線の高さを同じにしてあげないとね。かがんで、と・・・

 

雪音「・・・・・ろりこんのお兄ちゃん・・ありがとう・・・」

 

ちゅっ

 

僕「!!???」

 

口にキスされたぁ!

しかも・・・ロリコンって、おいこら!

 

雪巳「雪音!失礼だよー」

雪絵「ねぇ・・まさゆきお兄ちゃんとか言ってる・・ろりこんにいちゃんって・・どういういみぃ?」

雪音「ろりこんの・・・おにぃちゃん・・・だよ・・・ね」

僕「そんな呼び名つけられてたのか・・・雛塚家では!」

雪菜「雪音・・わるぎは・・ないの・・ゆるして・・・」

 

・・まあ、あそこの男兄弟から見たら僕はロリコンなんだろうな、

いいやいいいやい、あえて汚名を着てやる!って変な噂立っちゃうじゃないか!!

しかも、マンションの前で8才の誕生日の少女にキスされちゃってるしぃ!!!

 

僕「じゃあ、ね・・またね・・ははは・・そ、そうかぁ・・・」

 

 

 

 

 

軽い夕食を終えてお風呂へ・・・

ロリコンの僕はもちろん雪沙ちゃんと一緒に入ってるさ!

どうせ僕はロリコンだよ!だって雪巳ちゃんとあんなこと、雪菜ちゃんとあんなこと・・・

 

雪沙「おにぃちゃ〜〜ん、ごめんね〜〜」

僕「いいよ、もう・・・」

雪沙「きょ〜は、ありがと〜、だから〜・・・」

 

ちゅっ・・・んちゅううっ・・・

 

雪沙「ゆきさもお礼のキスだよ〜〜」

僕「ありがとう・・・はぁ・・・ケーキもったいなかったね」

雪沙「おわったことは〜〜わすれよ〜〜〜」

僕「うん、そうだね、雪沙ちゃん偉いこと言うね、えらいえらい」

雪沙「えへへへへ〜〜〜」

 

そうだ、前向きに前向きに・・・

にしても、今回の元凶は雅幸くんだな、

誕生日会の計画がどこからか雅幸くんに漏れて、

台無しにするためにあの三悪兄弟に・・・むかつく!

かといって、どうこうする訳にも・・・ま、いっか、前向き前向き。

 

前向きといえば旅行だ、

美鈴姉さん、調べてくれたかな・・・

お風呂を出たらメールチェックしよう。

 

 

 

 

 

僕「ふう、良いお湯だった・・・」

雪巳「ねー、今夜は4人で寝ようよー」

雪菜「おねがい・・・です」

雪沙「へんなことしないから〜、ね〜〜」

僕「んー、そうだな、じゃあそっちの部屋へ行くよ」

 

その前にメールチェック、と・・・

・・・・・届いてる、いつでもOK、か、値段は・・そこそこだな。

3泊4日かぁ、で、お盆は花火大会があると・・よし、これに合うように調整してもらおう。

 

枕を持って三姉妹の寝室へ・・・

お?右の布団に雪菜ちゃん雪沙ちゃんが寝てて、

左の布団に雪巳ちゃんが・・・僕のために真ん中があけてある!ありがたい。

 

僕「じゃあ、おやすみ」

雪巳「おやすみー」

雪菜「おやすみ・・・です」

雪沙「おやすみぃ〜〜〜」

僕「おやすみ」

 

・・・・・罠とかじゃ・・ない・・よ・・・な。

 

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