僕「今日も涼しいなぁ」

 

もうすぐ8月だというのに冷夏かな?

そういえば明日は雨とか天気予報が言ってたよな。

そうだ、8月の旅行先をもういいかげん決めないと・・・

 

銀行から出た僕は旅行代理店の入り口でパンフレットをあさる、

あの子たちを連れていくなら、やっぱり国内しか、ありえないよな、

パスポート発行は手間がかかりそうだし、海外となるとさすがに僕もあの子たちの安全を保障できない。

 

僕「でも、島っていいよなあ、あと温泉・・・それとホテルは豪華でなきゃ」

 

沖縄とかかな・・でも沖縄って温泉ってイメージないよなあ・・・

 

少女「よっ!」

僕「わっ!びっくりした・・あ、君は・・・」

少女「ひっさしっぶり、雪香っす。雪巳たちは元気ぃー?」

 

あいかわらず、コギャルだなあ・・・

 

僕「何か変な喋り方だな」

雪香「そー?あ、旅行すんだー」

僕「まあね」

雪香「そっかー・・・ねー、雪巳たち妹のことで大事な話があんだけどさー」

僕「な、何?大事な話って」

 

ひょっとして、おおごとか!?

 

雪香「んー、ここじゃ言えないっすよー」

僕「じゃあ、どこで?」

雪香「そこでー」

 

ファミレスかぁ、そこなら込み入った話もできそうだけど・・・

 

僕「あそこでなきゃ駄目?」

雪香「あたし、今チョーいかそうめん食べたいんだー」

僕「う・・・わかったよ」

 

これもあの子たちのためだ、いたしかたない。

 

 

 

雪香「あたし、いかそーめん丼とドリンクー」

僕「僕はウィンナーとドリンクで」

雪香「そんだけでいーの?」

僕「お昼ご飯食べたから」

雪香「あっそ」

 

なんかファミレスに入ったとたん、

口調が戻ったというか荒くなったというか・・・

外でのあれって、ひょっとして雪香なりの敬語か!?

 

僕「じゃあドリンクバーへ・・」

雪香「あたしコーラ」

僕「い?・・・わかった」

 

コレも雪巳ちゃんたちのためだ、がまんがまん。

コップにそそいで・・・にしても大事な話って何だろう、

僕の知らない過去か、隠された秘密か、それとも重要なヒントか・・・

 

僕「ほい」

雪香「あーい」

僕「うお、一気飲み!?」

雪香「・・・・・はい、おかわり」

僕「・・・・・・・・」

 

しょうがない・・・

って、目を離した隙に僕のオレンジジュースまで飲もうと!

 

僕「こら!めっ!」

雪香「けちー」

僕「まったくもう」

 

 

 

いかそうめん丼とウインナーが来た。

 

☆いかそうめん☆

☆いかそうめん☆

雪香「うまそー・・んぐ」

僕「うわ、食べるの早っ!」

雪香「んー、んまーい」

 

おひつから茶碗に素早く移し、

かっくらって再びおひつから・・・

雛塚家にいた時に身に付いたのか?

僕はソーセージを控えめに食べる。

雪香は・・・もう食べ終わりそうだ。

 

僕「で、大事な話って?」

雪香「んぐ・・んん・・・」

僕「食べ終わってからでいいから」

 

言ってるそばから食べ終わっちゃった。

 

雪香「そうそう、そのことなんだけどさ」

僕「うん」

雪香「交換条件しよー」

僕「え?何を?」

雪香「チョコパフェおごってくれたら教えてもいいよ」

 

おいおいおい、

いかそーめん丼は!?

 

僕「そう言って、いま食べたのもどうせ僕が出すんでしょ?」

雪香「とうぜんじゃん」

僕「それだけで良くない?」

雪香「・・・じゃあ帰る」

僕「わかったわかった!・・・すみませーん」

 

店員にチョコパフェを頼む。

 

僕「さ、聞かせてもらおうか」

雪香「そーいえばさー、アンタ、もーやったの?」

僕「いっ?」

雪香「どこまでやったの?まさかアンタ・・」

僕「そんな話じゃないだろ!」

雪香「・・・・・やったんだ」

僕「やってないっ!」

雪香「ほんとー?」

 

うくっ・・・

 

僕「それで、雪巳ちゃんたちの大事な話は?」

雪香「チョコパフェ食べてからでいいっしょー」

僕「いま、聞きたいの」

雪香「せっかちは嫌われるよ」

僕「都合のいいこと言って・・・」

 

でも気になる事は早く知りたい。

 

雪香「あわてなくても食い終わったら言うから。ドリンクバー取ってきて」

僕「わかったよ・・・コーラでいいんだな?」

雪香「もちー」

 

注いで戻ってくると丁度おおきなチョコパフェが届いた。

 

☆チョッパフェ☆

雪香「んー・・・冷たくて、うまー」

僕「はいはいはいはい」

雪香「んぐんぐんぐ・・・」

 

よく食うなあ・・・

それにしてもコギャルだ、

耳のピアスにアイシャドウに、

変なブレスレットに・・・染めた髪の毛に・・・

雪巳ちゃんたちがこんなのにならない事を祈るよ。

 

雪香「ごち〜♪」

僕「さあ!」

雪香「わーってるってば!」

僕「聞かせてもらおうか」

雪香「そうそう、雪巳たちね」

 

どきどきどき・・・

 

雪香「広幸彦幸信幸に、いじめられてっからー」

僕「うん、それで?」

雪香「だから、助けてあげなよ」

僕「うん、わかってる、それで・・・」

雪香「そんだけ。じゃーねー」

 

え?それだけ!?っておい!

 

僕「こら!」

雪香「あとよろしくー」

僕「逃げ足、はやっ!」

 

やられた・・・してやられたよ、まったくもう!

このタダ飯喰らいめ!ほんとにもう、むかつくなあ・・・

あー腹がたつ、騙された僕自身にも腹がたつよ、くそっ!!

 

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