コンビニ袋を片手にエレベーターは19階についた。
あれ?小さい2人がいるぞ?あれは雪沙ちゃんたちの妹の・・・
雪絵と雪音、だっけか。どっちがどっちでどっちがどっちかわかんないけど。
僕「どうしたんだい?こんなところで」
雪絵「・・・・・ねぇ・・」
雪音「・・・・・・いれてぇ・・・」
2人の少女はスカートをたくしあげた!!

雪絵「いれて〜〜・・・」
雪音「・・い・・れ・・てぇ・・・」
僕「いいいいい、いれて、って!?」
2人とも泣きそうな顔になってるぞ!?
雪絵「わたしたちも〜・・・」
雪音「こっちの家に・・いれてぇ・・」
僕「そ、そういう意味か・・・」
びっくりしたぁ、
スカートめくって入れて、だなんて、
こんな年齢一桁な少女たちに言われて心臓飛び出そうだよ。
僕「とにかくスカート下げて!」
雪絵「だってぇ・・」
雪音「まさゆきおにぃちゃんがこうすれば入れてもらえるってぇ・・・」
なんて情報だ!
雪絵「それでぇ・・かわりに雪巳おねぇちゃんたちを・・・」
雪音「もどにもどしてってぇ・・・」
僕「そんなこと吹き込まれたのか」
雅幸くん必死だなあ、
雪巳ちゃん雪菜ちゃんを取り戻すために、
交換で雪絵ちゃん雪音ちゃんをよこしたのか・・・
僕「駄目だから!誤解されるから、スカート戻して1階に降りて!」
雪絵「やぁ・・・」
雪音「おねがいぃ・・・」
僕「だ〜〜〜め!ほら、人が来ちゃうから!」
2人「・・・・・・・・」
やばいなあ、
涙目でスカート揃ってめくられて、
こんな現場、児童相談所とかに見られたら1発でアウトだよ。
僕「雪巳ちゃんたちは僕の家でお手伝いさんだから!ね?」
雪絵「・・・・・」
雪音「・・・・・」
僕「そ、それじゃ・・・」
彼女たちから逃げるようにしてキーをあけて階段をあがる。
う、まだじっと僕のほうを見つめて・・・まいったなあ、ほんとに・・・
玄関に入って下へのモニターを見ると・・あきらめてエレベーターに乗った、よかった。
雪巳「どーしたのー?」
僕「雪巳ちゃんのちっちゃい妹2人が、入れてほしいって」
雪巳「だめなのにねー」
僕「うん、あせっちゃった」
雪巳「言ってこよっかー?」
ありがたい・・・任せよう。
僕「お願いできるかな」
雪巳「わかったー、今からいってくるー」
僕「ごめんね」
髪を結んで出て行く雪巳ちゃん、
ちゃんと説得というか説明してくれるといいけど・・・
と同時に雪巳ちゃんと2人っきりじゃなくなって助かったかも?
雪沙「だめなのにね〜」
僕「え?どこ?」
声はすれども姿が・・・あ、いた!
僕のベットの中で、布団をかぶって漫画を読んでる!
ぺらっ、ぺらっ、とめくって・・・気がつかなかった、あんなとこに・・・
僕「なんでそこで!?」
雪沙「だって〜、おにぃちゃんの匂いがするから〜」
僕「だからって・・・」
雪沙「これ読んだら、ばんごはんつくるね〜」
僕「うん、お願い・・・」
逆に雪沙ちゃんの匂いがついちゃうよな、
ベビーパウダー多めの甘い匂い・・でも良い匂いなんだよな、
寝ちゃってよだれでも垂らさない限り、別にいっか。
僕「インターネットでもしよ・・・」
メールチェック、と・・・
お、もう美鈴姉さんからメールが来てる、
携帯電話からのメールだ、どれどれ・・・
「お土産の評価・50点、まあ普通ね、ありがと」
ズコッ・・・普通かぁ。きびしいなあ。
すっかり日が沈んでもう午後7時半、
雪巳ちゃんが戻ってこない・・・どうしたんだろ?
もうとっくに夕食はできてるし、雪沙ちゃんは先にお風呂へ行っちゃった。
トゥルルルルルルルル・・・・・
電話だ!
雪巳ちゃんからか?
何かあったのかも・・・玄関へ行って受話器を取る。
僕「もしもし?」
雪菜「お兄ちゃん・・・」
僕「その声は、雪菜ちゃん」
雪菜「うん・・・夕ご飯、食べ終わったの・・・」
僕「そう、楽しんでる?」
今夜も報告か、律儀だな。
雪菜「うん、たのしい・・・」
僕「晩御飯どうだった?」
雪菜「今日は、海老とかイカとかホタテとかお魚を焼いた・・です」
僕「シーフードバーベキューかぁ、いいなぁ」
雪菜「ゆきさとか・・・わがまま言って・・ない?」
家の心配もしてくれてる。
僕「雪沙ちゃんのは、ほら、いつものことだから」
雪菜「・・・・・・・・・・」
僕「どうしたの?」
雪菜「はやく・・・お兄ちゃんに・・・あいたい、です」
僕「そうなんだ、うーん・・・」
もうホームシックにかかっちゃったのか、
楽しいって言ってたのに・・・女の子って繊細だなあ。
僕「僕は逃げたりしないからさ、明日帰ってくるんだよね?」
雪菜「うん・・・」
僕「待ってるから」
雪菜「・・・・・お兄ちゃんの声聞いたら・・胸が楽になった・・・です」
僕「そう、よかった」
とたとたとた・・・
雪沙「お風呂でたよ〜〜〜」
僕「こら!パンツくらい履いて!」
雪沙「はかして〜〜〜」
雪菜「・・・・・」
僕「あれ?雪菜ちゃん?もしもし?」
プツッ・・・つー・・つー・・つー・・・
電話が切れちゃった、
公衆電話かな?お金が切れたんだろうか。
まあいっか、重要なことを言い忘れたならまたかかってくるだろう。それより・・・
僕「ちゃんと体拭いてきたの?」
雪沙「そだよ〜、廊下よごしたら掃除するのゆきさだも〜ん」
僕「でもパンツくらいはちゃんと向こうで・・」
雪沙「これつけて〜〜」
僕「え?ああ、ベビーパウダーか」
雪巳ちゃんも雪菜ちゃんもいないもんな、
やってあげなくっちゃ・・・だからパンツ履いてなかったのか。って!
僕「届かない背中以外は自分でできるでしょ?」
雪沙「だって〜、全部してほし〜も〜ん」
僕「・・・・・しょうがないなぁ、もう」
雪巳ちゃんと2人っきりじゃなくなって安心してたら、
雪沙ちゃんとの2人っきりだって、危険って言えば危険なんだよな、
とにかく、冷静に、お、大人として、雪沙ちゃんの幼い体を、ちゃんと・・・
ガチャッ
雪巳「ただいまー」
僕「あ、おかえり」
雪沙「あ〜、かえってきちゃった〜」
残念そうな雪沙ちゃん、
僕は助かった・・ほっ、とため息をつく。
僕「どうしてたの?ちょっと心配しちゃった」
雪巳「弟たちに甘えられちゃってー、離してくれないんだもーん」
僕「雅幸くんたちか、困ったもんだね」
雪巳「それでー、夕食作らされちゃってたのー」
僕「それはご苦労様、一緒に食べてきたの?」
ううん、と首を左右に振る。
だよなあ、あの雛塚家がそこまで気を使うはずがない。
雪巳「隆幸が一緒に来るってきかなくってー」
僕「あのやんちゃ坊主か」
雪巳「雪音と雪絵はわからせたけどー、雅幸は行っちゃ駄目って引っ張るしー」
僕「大変だったんだね」
雪巳「雅幸ったらー、『雪巳お姉ちゃんが犯されちゃう』だってー」
しょ、小5が何て発言を!
しかも・・・犯されたのは、僕のほうだぞ!!
僕「とにかくご飯を・・あれ?雪沙ちゃんがいない?」
雪巳「パジャマ着てるんじゃなーい?パウダーつけてくるねー」
僕「じゃあ台所で待ってるよ」
うーん、弟たちの説得にはまだ時間がかかるかな、
どうしたらわからせる事ができるんだろう?というより、
もう自分では姉がいない現実を受け入れたくないんだろうなあ・・・
そんなこんな日曜日であった。
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めくる |