コンビニ袋を片手にエレベーターは19階についた。

あれ?小さい2人がいるぞ?あれは雪沙ちゃんたちの妹の・・・

雪絵と雪音、だっけか。どっちがどっちでどっちがどっちかわかんないけど。

 

僕「どうしたんだい?こんなところで」

雪絵「・・・・・ねぇ・・」

雪音「・・・・・・いれてぇ・・・」

 

2人の少女はスカートをたくしあげた!!

 

☆ねぇ・・いれて☆

 

雪絵「いれて〜〜・・・」

雪音「・・い・・れ・・てぇ・・・」

僕「いいいいい、いれて、って!?」

 

2人とも泣きそうな顔になってるぞ!?

 

雪絵「わたしたちも〜・・・」

雪音「こっちの家に・・いれてぇ・・」

僕「そ、そういう意味か・・・」

 

びっくりしたぁ、

スカートめくって入れて、だなんて、

こんな年齢一桁な少女たちに言われて心臓飛び出そうだよ。

 

僕「とにかくスカート下げて!」

雪絵「だってぇ・・」

雪音「まさゆきおにぃちゃんがこうすれば入れてもらえるってぇ・・・」

 

なんて情報だ!

 

雪絵「それでぇ・・かわりに雪巳おねぇちゃんたちを・・・」

雪音「もどにもどしてってぇ・・・」

僕「そんなこと吹き込まれたのか」

 

雅幸くん必死だなあ、

雪巳ちゃん雪菜ちゃんを取り戻すために、

交換で雪絵ちゃん雪音ちゃんをよこしたのか・・・

 

僕「駄目だから!誤解されるから、スカート戻して1階に降りて!」

雪絵「やぁ・・・」

雪音「おねがいぃ・・・」

僕「だ〜〜〜め!ほら、人が来ちゃうから!」

2人「・・・・・・・・」

 

やばいなあ、

涙目でスカート揃ってめくられて、

こんな現場、児童相談所とかに見られたら1発でアウトだよ。

 

僕「雪巳ちゃんたちは僕の家でお手伝いさんだから!ね?」

雪絵「・・・・・」

雪音「・・・・・」

僕「そ、それじゃ・・・」

 

彼女たちから逃げるようにしてキーをあけて階段をあがる。

う、まだじっと僕のほうを見つめて・・・まいったなあ、ほんとに・・・

玄関に入って下へのモニターを見ると・・あきらめてエレベーターに乗った、よかった。

 

雪巳「どーしたのー?」

僕「雪巳ちゃんのちっちゃい妹2人が、入れてほしいって」

雪巳「だめなのにねー」

僕「うん、あせっちゃった」

雪巳「言ってこよっかー?」

 

ありがたい・・・任せよう。

 

僕「お願いできるかな」

雪巳「わかったー、今からいってくるー」

僕「ごめんね」

 

髪を結んで出て行く雪巳ちゃん、

ちゃんと説得というか説明してくれるといいけど・・・

と同時に雪巳ちゃんと2人っきりじゃなくなって助かったかも?

 

雪沙「だめなのにね〜」

僕「え?どこ?」

 

声はすれども姿が・・・あ、いた!

僕のベットの中で、布団をかぶって漫画を読んでる!

ぺらっ、ぺらっ、とめくって・・・気がつかなかった、あんなとこに・・・

 

僕「なんでそこで!?」

雪沙「だって〜、おにぃちゃんの匂いがするから〜」

僕「だからって・・・」

雪沙「これ読んだら、ばんごはんつくるね〜」

僕「うん、お願い・・・」

 

逆に雪沙ちゃんの匂いがついちゃうよな、

ベビーパウダー多めの甘い匂い・・でも良い匂いなんだよな、

寝ちゃってよだれでも垂らさない限り、別にいっか。

 

僕「インターネットでもしよ・・・」

 

メールチェック、と・・・

お、もう美鈴姉さんからメールが来てる、

携帯電話からのメールだ、どれどれ・・・

 

「お土産の評価・50点、まあ普通ね、ありがと」

 

ズコッ・・・普通かぁ。きびしいなあ。

 

 

 

すっかり日が沈んでもう午後7時半、

雪巳ちゃんが戻ってこない・・・どうしたんだろ?

もうとっくに夕食はできてるし、雪沙ちゃんは先にお風呂へ行っちゃった。

 

トゥルルルルルルルル・・・・・

 

電話だ!

雪巳ちゃんからか?

何かあったのかも・・・玄関へ行って受話器を取る。

 

僕「もしもし?」

雪菜「お兄ちゃん・・・」

僕「その声は、雪菜ちゃん」

雪菜「うん・・・夕ご飯、食べ終わったの・・・」

僕「そう、楽しんでる?」

 

今夜も報告か、律儀だな。

 

雪菜「うん、たのしい・・・」

僕「晩御飯どうだった?」

雪菜「今日は、海老とかイカとかホタテとかお魚を焼いた・・です」

僕「シーフードバーベキューかぁ、いいなぁ」

雪菜「ゆきさとか・・・わがまま言って・・ない?」

 

家の心配もしてくれてる。

 

僕「雪沙ちゃんのは、ほら、いつものことだから」

雪菜「・・・・・・・・・・」

僕「どうしたの?」

雪菜「はやく・・・お兄ちゃんに・・・あいたい、です」

僕「そうなんだ、うーん・・・」

 

もうホームシックにかかっちゃったのか、

楽しいって言ってたのに・・・女の子って繊細だなあ。

 

僕「僕は逃げたりしないからさ、明日帰ってくるんだよね?」

雪菜「うん・・・」

僕「待ってるから」

雪菜「・・・・・お兄ちゃんの声聞いたら・・胸が楽になった・・・です」

僕「そう、よかった」

 

とたとたとた・・・

 

雪沙「お風呂でたよ〜〜〜」

僕「こら!パンツくらい履いて!」

雪沙「はかして〜〜〜」

雪菜「・・・・・」

僕「あれ?雪菜ちゃん?もしもし?」

 

プツッ・・・つー・・つー・・つー・・・

 

電話が切れちゃった、

公衆電話かな?お金が切れたんだろうか。

まあいっか、重要なことを言い忘れたならまたかかってくるだろう。それより・・・

 

僕「ちゃんと体拭いてきたの?」

雪沙「そだよ〜、廊下よごしたら掃除するのゆきさだも〜ん」

僕「でもパンツくらいはちゃんと向こうで・・」

雪沙「これつけて〜〜」

僕「え?ああ、ベビーパウダーか」

 

雪巳ちゃんも雪菜ちゃんもいないもんな、

やってあげなくっちゃ・・・だからパンツ履いてなかったのか。って!

 

僕「届かない背中以外は自分でできるでしょ?」

雪沙「だって〜、全部してほし〜も〜ん」

僕「・・・・・しょうがないなぁ、もう」

 

雪巳ちゃんと2人っきりじゃなくなって安心してたら、

雪沙ちゃんとの2人っきりだって、危険って言えば危険なんだよな、

とにかく、冷静に、お、大人として、雪沙ちゃんの幼い体を、ちゃんと・・・

 

ガチャッ

 

雪巳「ただいまー」

僕「あ、おかえり」

雪沙「あ〜、かえってきちゃった〜」

 

残念そうな雪沙ちゃん、

僕は助かった・・ほっ、とため息をつく。

 

僕「どうしてたの?ちょっと心配しちゃった」

雪巳「弟たちに甘えられちゃってー、離してくれないんだもーん」

僕「雅幸くんたちか、困ったもんだね」

雪巳「それでー、夕食作らされちゃってたのー」

僕「それはご苦労様、一緒に食べてきたの?」

 

ううん、と首を左右に振る。

だよなあ、あの雛塚家がそこまで気を使うはずがない。

 

雪巳「隆幸が一緒に来るってきかなくってー」

僕「あのやんちゃ坊主か」

雪巳「雪音と雪絵はわからせたけどー、雅幸は行っちゃ駄目って引っ張るしー」

僕「大変だったんだね」

雪巳「雅幸ったらー、『雪巳お姉ちゃんが犯されちゃう』だってー」

 

しょ、小5が何て発言を!

しかも・・・犯されたのは、僕のほうだぞ!!

 

僕「とにかくご飯を・・あれ?雪沙ちゃんがいない?」

雪巳「パジャマ着てるんじゃなーい?パウダーつけてくるねー」

僕「じゃあ台所で待ってるよ」

 

うーん、弟たちの説得にはまだ時間がかかるかな、

どうしたらわからせる事ができるんだろう?というより、

もう自分では姉がいない現実を受け入れたくないんだろうなあ・・・

 

そんなこんな日曜日であった。

 

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