3つ目のスタンプを押し終え、
後はゴールに向かうだけだ!
でも、僕のすぐ後ろに雪巳ちゃんがいる・・・
僕「まさか、ついてきて直前で抜こうとしてない?」
雪巳「そんなことないよー」
僕「・・・じゃあ僕はこっち行くから」
雪巳「私もー」
僕「と見せかけて、やっぱりこっち!」
よし、雪巳ちゃんと別ルートになった!
気がつくとゴールはもう目の前まで見えている、
このままこっちをこう行けば・・・入り組んでるな、
ということは・・・よーし、どうやら僕の勝ちみたいだぞ!
あそこが最後のカーブだろう、いよいよ出口へ・・・ついに・・・出口へ!!

僕「そ、そんなあ!!」
最後の最後で行き止まり・・・
しまった!急いで戻らないと!
この行き止まりまで距離があった分、
戻るにも時間がかかる・・うぅ・・やばいなぁ、
ここをこう戻って・・ここでこっちへ行くべきだったのかな?
僕「うー、子供が邪魔!」
雪沙ちゃんが着てた体操着の子がいっぱいやってきた、
それをかき分けるだけでも大変だ・・お、やっとゴールだ!
僕「ついたぁ〜!!」

タイムレコードにスタンプカードを差し込む!
かかった時間は・・・21分46秒か、結構手間取った。
雪巳「お兄ちゃんおつかれさまー」
雪沙「おそいよ〜〜」
僕「あー。やっぱり負けたか」
出口のベンチで座って待っていた2人、
持っているスタンプカードを見せてもらう。
僕「雪巳ちゃんは19分57秒か」
雪沙「ゆきさ、もっとはやいよ〜」
僕「雪沙ちゃんは・・・8分31秒!」
雪沙「すごいでしょ〜」
僕「駄目!失格!怒られるよ」
ワープはまずいよ、ワープは。
僕「あれ?そういえば、リュックは?」
雪沙「クラスでまとめて置いてあるよ〜?」
僕「サイフも?」
雪沙「おさいふあるよ〜〜?・・・あれ〜?ない〜!!」
僕「ほら、あんなに転がるから!」
めちゃくちゃ焦る雪沙ちゃん!
少女「雪沙ちゃーん!お財布落ちてたよー?」
雪沙「あ〜〜!はねみちゃんありがと〜〜!!」
胸の表示が同じクラスの女の子が持ってきてくれた!
良かった良かった・・・カラフルなサイフにはちゃんと雪沙ちゃんの名前が書いてある。
雪巳「中のお金、落ちてないー?」
雪沙「ん〜、だいじょ〜ぶ〜」
僕「よかったよかった、もうあんなズルするんじゃないよ?」
雪沙「は〜い・・それでおにぃちゃんとゆきみおねぇちゃん、ど〜しているの〜?」
僕「それは・・・雪巳ちゃんが小学校のとき、これな・・」
雪巳「デートだよー」
雪沙「いいな〜〜〜」
う、デートの一言で片付けられてしまった!
雪沙「ゆきさもこんど、でぇとする〜」
僕「そうだね、夏休みの間にどこか2人でね」
雪巳「・・お兄ちゃん、行こー」
僕「えっ?う、うん、じゃあ雪沙ちゃん、楽しんでね」
雪沙「うん〜、またね〜〜」
雪巳ちゃんに引っ張られて巨大迷路を後にする、
今の時刻はもう3時、さあ、次はどこへ行こうかな。
雪巳「ねー、お兄ちゃん、私、勝ったよねー」
僕「迷路、だよね、うん、僕の負け」
雪巳「何でも言う事きいてくれるんだよねー」
僕「そうだね・・・何を、して、ほしいのかな?」
雪巳「何にしようかなーー・・・」
うー、こんな約束するんじゃなかった・・・かも。
どうしよう・・・何を言われるか・・雪巳ちゃんのことだ、
みんなの前でキス、とか言われたら・・僕、断れない、よな・・・
雪巳「ねーねー」
僕「な・・に・・・かな?」
雪巳「おなかすいたー」
僕「え?おやつ?」
雪巳「お昼、ちょっとしか食べなかったからー」
そういえばそうだ、
ミルクラーメン、ほとんど残したもんな、
言われれば僕もお腹が空いている・・・よーし。

僕「あそこにしよう」
雪巳「ジンギスカンって、どんな料理だっけー」
僕「羊の肉だよ」
雪巳「おいしいー?」
僕「僕は好きだけど・・・」
どうだろう?
結構、臭みがあるからなあ、
雪巳ちゃんに合うかどうか・・・
僕「他にする?」
雪巳「んー、食べてみるー」
僕「決まりだね」
早速、ジンギスカン料理屋さんへ・・・
かなり大きいお店だなあ、と思ったら・・・

雪巳「すごい広いねー」
僕「でも、誰もいない・・・」
雪巳「閉まってるのー?」
僕「いや、ここは団体専用みたいだ、見てごらん」
雪巳「ほんとだー」
入り口に予定が書いてある、
午後7時から小学校6年の貸切・・・
雪菜ちゃんたちだな、良かった、雪菜ちゃん、ジンギスカン食べられて。
僕「個人のお客は、あっちみたいだ」
雪巳「はやく食べてみたいー」
僕「あったあった、ここだここだ」
やはり午後3時という微妙な時間だけあって、お客さんが少ない。
屋外席と屋内席が丁度半分くらいずつあるな、どっちにしようか。

僕「どっちがいい?」
雪巳「どっちもいいなー」
僕「じゃあ、どっちでもいい?」
雪巳「真ん中にしよーよー」
僕「真ん中って?」
屋内席の、一番屋外席に近い席に座る雪巳ちゃん、
丁度境い目だから、太陽があたるうえに屋根がついている。
僕「なるほど、ここなら急な雨でも平気かも」
雪巳「注文どうするのー?」
僕「あ、自分で買うセルフサービスみたいだ、行ってくるね」
雪巳「待ってるー」
僕「食べられない物とかないよね?」
レジで食券を買う、
ジンギスカンセットにシーフードセット・・・
羊が駄目だったときのために、ウインナーも買っておこう。
お金を払って・・・4000円で足りた、後は食事を貰わなきゃ。
カウンターで食券を渡して・・・2人分のトレイに次々と肉や魚、ご飯が乗せられた。
雪巳「運ぶの手伝うよー」
僕「あ、ありがとう」
雪巳「お肉のタレも持っていくねー」
テーブルに並べる・・・
うう、おいしそうだ、じゅる・・・

僕「さあ、焼くぞー」
雪巳「海老から乗せるねー」
僕「待って!まず油の固まりを乗せなきゃ」
白くプリプリした油の固まりを鉄板の山へ乗せる、
ジュウジュウと良い音がして軽く油が飛び散りはじめた。
僕「いま近づくと熱いよ」
雪巳「ほんとあついねー」
う・・服ごしに見えるブラに目が・・・あちちっ
雪巳「だいじょうぶー?」
僕「うん、あちっ・・・油がちょっとついた」
雪巳「赤くなってないー?」
僕「へーきへーき、雪巳ちゃんも気をつけて」
雪巳「うんー」
やがて、良い感じで油が広がってきた。
僕「そろそろいいかな」
雪巳「のせるねー」
僕「最初はソーセージからがいいかな」
雪巳「もうお肉乗せちゃったー」
僕「はは、まあいいや、羊肉はすぐ焼けるよ」

じゅぅ〜〜〜じゅうじゅうぅ〜〜〜・・・
僕「いただきます」
雪巳「いただきまーす!」
小皿に入れたタレにつけて、
僕は羊肉をぱくぱく食べる、
雪巳ちゃんも羊肉をはむはむ食べる。
僕「うん、おいしい!」
雪巳「・・・・・」
僕「あれ?ひょっとして、合わなかった?」
と思ったら、無言で次の羊肉を急いで食べる、
喋る隙もないくらい気に入ったみたいだ、急いで焼かなきゃ。
僕「シーフードも乗せるよ?」
雪巳「んー、ひゃはふはへはひとひゃひゅひゃひゅひょー?」
僕「飲み込んでからしゃべろうよ」
雪巳「んっ・・・はやく食べないとなくなるよー?」
僕「なくなったら追加注文するから安心して食べて」
まだ焼けきってないの平気で食べるからなあ、
おなかこわさなきゃいいけど・・・ウインナーもそろそろいいかな?
ジンギスカン・・・うまい、うますぎる、こりゃまた来たくなる美味しさだ。
雪巳「ホタテもおいしー」
僕「海老の殻、気をつけてむくんだよ」
雪巳「そんままたべるからいいよー」
僕「え?あーあ、ばりばり食べちゃった」
雪巳「ごはんもおいしいねー」
こうしてジンギスカン料理を堪能したのだった。
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