3つ目のスタンプを押し終え、

後はゴールに向かうだけだ!

でも、僕のすぐ後ろに雪巳ちゃんがいる・・・

 

僕「まさか、ついてきて直前で抜こうとしてない?」

雪巳「そんなことないよー」

僕「・・・じゃあ僕はこっち行くから」

雪巳「私もー」

僕「と見せかけて、やっぱりこっち!」

 

よし、雪巳ちゃんと別ルートになった!

気がつくとゴールはもう目の前まで見えている、

このままこっちをこう行けば・・・入り組んでるな、

ということは・・・よーし、どうやら僕の勝ちみたいだぞ!

あそこが最後のカーブだろう、いよいよ出口へ・・・ついに・・・出口へ!!

 

☆残念でしたぁ☆

 

僕「そ、そんなあ!!」

 

最後の最後で行き止まり・・・

しまった!急いで戻らないと!

この行き止まりまで距離があった分、

戻るにも時間がかかる・・うぅ・・やばいなぁ、

ここをこう戻って・・ここでこっちへ行くべきだったのかな?

 

僕「うー、子供が邪魔!」

 

雪沙ちゃんが着てた体操着の子がいっぱいやってきた、

それをかき分けるだけでも大変だ・・お、やっとゴールだ!

 

僕「ついたぁ〜!!」

 

☆はいゴール☆

タイムレコードにスタンプカードを差し込む!

かかった時間は・・・21分46秒か、結構手間取った。

 

雪巳「お兄ちゃんおつかれさまー」

雪沙「おそいよ〜〜」

僕「あー。やっぱり負けたか」

 

出口のベンチで座って待っていた2人、

持っているスタンプカードを見せてもらう。

 

僕「雪巳ちゃんは19分57秒か」

雪沙「ゆきさ、もっとはやいよ〜」

僕「雪沙ちゃんは・・・8分31秒!」

雪沙「すごいでしょ〜」

僕「駄目!失格!怒られるよ」

 

ワープはまずいよ、ワープは。

 

僕「あれ?そういえば、リュックは?」

雪沙「クラスでまとめて置いてあるよ〜?」

僕「サイフも?」

雪沙「おさいふあるよ〜〜?・・・あれ〜?ない〜!!」

僕「ほら、あんなに転がるから!」

 

めちゃくちゃ焦る雪沙ちゃん!

 

少女「雪沙ちゃーん!お財布落ちてたよー?」

雪沙「あ〜〜!はねみちゃんありがと〜〜!!」

 

胸の表示が同じクラスの女の子が持ってきてくれた!

良かった良かった・・・カラフルなサイフにはちゃんと雪沙ちゃんの名前が書いてある。

 

雪巳「中のお金、落ちてないー?」

雪沙「ん〜、だいじょ〜ぶ〜」

僕「よかったよかった、もうあんなズルするんじゃないよ?」

雪沙「は〜い・・それでおにぃちゃんとゆきみおねぇちゃん、ど〜しているの〜?」

僕「それは・・・雪巳ちゃんが小学校のとき、これな・・」

雪巳「デートだよー」

雪沙「いいな〜〜〜」

 

う、デートの一言で片付けられてしまった!

 

雪沙「ゆきさもこんど、でぇとする〜」

僕「そうだね、夏休みの間にどこか2人でね」

雪巳「・・お兄ちゃん、行こー」

僕「えっ?う、うん、じゃあ雪沙ちゃん、楽しんでね」

雪沙「うん〜、またね〜〜」

 

雪巳ちゃんに引っ張られて巨大迷路を後にする、

今の時刻はもう3時、さあ、次はどこへ行こうかな。

 

雪巳「ねー、お兄ちゃん、私、勝ったよねー」

僕「迷路、だよね、うん、僕の負け」

雪巳「何でも言う事きいてくれるんだよねー」

僕「そうだね・・・何を、して、ほしいのかな?」

雪巳「何にしようかなーー・・・」

 

うー、こんな約束するんじゃなかった・・・かも。

どうしよう・・・何を言われるか・・雪巳ちゃんのことだ、

みんなの前でキス、とか言われたら・・僕、断れない、よな・・・

 

雪巳「ねーねー」

僕「な・・に・・・かな?」

雪巳「おなかすいたー」

僕「え?おやつ?」

雪巳「お昼、ちょっとしか食べなかったからー」

 

そういえばそうだ、

ミルクラーメン、ほとんど残したもんな、

言われれば僕もお腹が空いている・・・よーし。

 

☆じんぎすかーん☆

僕「あそこにしよう」

雪巳「ジンギスカンって、どんな料理だっけー」

僕「羊の肉だよ」

雪巳「おいしいー?」

僕「僕は好きだけど・・・」

 

どうだろう?

結構、臭みがあるからなあ、

雪巳ちゃんに合うかどうか・・・

 

僕「他にする?」

雪巳「んー、食べてみるー」

僕「決まりだね」

 

早速、ジンギスカン料理屋さんへ・・・

かなり大きいお店だなあ、と思ったら・・・

 

☆ひろーーい☆

雪巳「すごい広いねー」

僕「でも、誰もいない・・・」

雪巳「閉まってるのー?」

僕「いや、ここは団体専用みたいだ、見てごらん」

雪巳「ほんとだー」

 

入り口に予定が書いてある、

午後7時から小学校6年の貸切・・・

雪菜ちゃんたちだな、良かった、雪菜ちゃん、ジンギスカン食べられて。

 

僕「個人のお客は、あっちみたいだ」

雪巳「はやく食べてみたいー」

僕「あったあった、ここだここだ」

 

やはり午後3時という微妙な時間だけあって、お客さんが少ない。

屋外席と屋内席が丁度半分くらいずつあるな、どっちにしようか。

 

☆屋内席☆ ☆屋外席☆

 

僕「どっちがいい?」

雪巳「どっちもいいなー」

僕「じゃあ、どっちでもいい?」

雪巳「真ん中にしよーよー」

僕「真ん中って?」

 

屋内席の、一番屋外席に近い席に座る雪巳ちゃん、

丁度境い目だから、太陽があたるうえに屋根がついている。

 

僕「なるほど、ここなら急な雨でも平気かも」

雪巳「注文どうするのー?」

僕「あ、自分で買うセルフサービスみたいだ、行ってくるね」

雪巳「待ってるー」

僕「食べられない物とかないよね?」

 

レジで食券を買う、

ジンギスカンセットにシーフードセット・・・

羊が駄目だったときのために、ウインナーも買っておこう。

お金を払って・・・4000円で足りた、後は食事を貰わなきゃ。

カウンターで食券を渡して・・・2人分のトレイに次々と肉や魚、ご飯が乗せられた。

 

雪巳「運ぶの手伝うよー」

僕「あ、ありがとう」

雪巳「お肉のタレも持っていくねー」

 

テーブルに並べる・・・

うう、おいしそうだ、じゅる・・・

 

☆食べるぞー☆

 

僕「さあ、焼くぞー」

雪巳「海老から乗せるねー」

僕「待って!まず油の固まりを乗せなきゃ」

 

白くプリプリした油の固まりを鉄板の山へ乗せる、

ジュウジュウと良い音がして軽く油が飛び散りはじめた。

 

僕「いま近づくと熱いよ」

雪巳「ほんとあついねー」

 

う・・服ごしに見えるブラに目が・・・あちちっ

 

雪巳「だいじょうぶー?」

僕「うん、あちっ・・・油がちょっとついた」

雪巳「赤くなってないー?」

僕「へーきへーき、雪巳ちゃんも気をつけて」

雪巳「うんー」

 

やがて、良い感じで油が広がってきた。

 

僕「そろそろいいかな」

雪巳「のせるねー」

僕「最初はソーセージからがいいかな」

雪巳「もうお肉乗せちゃったー」

僕「はは、まあいいや、羊肉はすぐ焼けるよ」

 

☆おっにくぅ〜☆

じゅぅ〜〜〜じゅうじゅうぅ〜〜〜・・・

 

僕「いただきます」

雪巳「いただきまーす!」

 

小皿に入れたタレにつけて、

僕は羊肉をぱくぱく食べる、

雪巳ちゃんも羊肉をはむはむ食べる。

 

僕「うん、おいしい!」

雪巳「・・・・・」

僕「あれ?ひょっとして、合わなかった?」

 

と思ったら、無言で次の羊肉を急いで食べる、

喋る隙もないくらい気に入ったみたいだ、急いで焼かなきゃ。

 

僕「シーフードも乗せるよ?」

雪巳「んー、ひゃはふはへはひとひゃひゅひゃひゅひょー?」

僕「飲み込んでからしゃべろうよ」

雪巳「んっ・・・はやく食べないとなくなるよー?」

僕「なくなったら追加注文するから安心して食べて」

 

まだ焼けきってないの平気で食べるからなあ、

おなかこわさなきゃいいけど・・・ウインナーもそろそろいいかな?

ジンギスカン・・・うまい、うますぎる、こりゃまた来たくなる美味しさだ。

 

雪巳「ホタテもおいしー」

僕「海老の殻、気をつけてむくんだよ」

雪巳「そんままたべるからいいよー」

僕「え?あーあ、ばりばり食べちゃった」

雪巳「ごはんもおいしいねー」

 

こうしてジンギスカン料理を堪能したのだった。

 

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