
僕「お土産売り場だよ」
雪巳「何を買うのー?」
僕「なんでもいいよ、選んで」
雪巳「えー?いいのー?」
僕「もちろん!だって雪菜ちゃん雪沙ちゃんにお金あげたんだからさ、雪巳ちゃんも当然」
その言葉に早速、物色しはじめる雪巳ちゃん!
まずは服から・・って値段が高いなあ、でもそんなもんか。
牛さん模様のTシャツに、お、このTシャツいいなあ、羊が2匹なんだけど、
上がビフォーで普通の毛むくじゃら羊、下へ向かう矢印があってアフターで刈られた羊・・・
こういうデザイン好きだぞ、フリーサイズだし、これを買おう!で、雪巳ちゃんは?
僕「決まった?」
雪巳「んー、服はいっぱいあるから、いいかなー」
僕「ネズミーランドでも結構買ったもんね」
別の商品へ移動する、
今度は食料品系だな、
牛乳にヨーグルトにチーズ、
ワインもあればオリーブオイルや醤油もある、
羊肉の燻製とかも・・・冷凍エリアが涼しいなぁ。
雪巳「今夜の材料買うねー」
僕「夕食か、でも今買うと冷凍ものは溶けちゃうよ?」
雪巳「じゃー帰る前にもう1度くるー?」
僕「そうだね、とりあえず今はリュックに入る程度のものにしとこう」
と、やってきたのは御菓子エリアだ。

雪巳「おいしそー」
僕「いちご餅に牛キャンディか、買う?」
雪巳「どっしよー、これ絶対、雪沙買ってくるよー」
僕「じゃあ、買わないでおく?」
雪巳「んー、でも雪沙だけで食べちゃうかもー」
さすが姉だ、妹の事はよくわかってる。
僕「安いから2個ずつ買ってあげるよ」
雪巳「ほんとー?ありがとう!」
僕「あとはいいの?」
こうしてお土産売り場を僕らは堪能した。
僕「もう3時か」
雪巳「んー、おひいひゃんひょほひひゅー?」
僕「こら!牛キャンディー咥えながら喋らないの」
歩いている僕らの前に現れたもの、それは・・・!!

僕「巨大迷路か、懐かしいなあ」
雪巳「入ったことなーい」
僕「そう?僕が小さい頃に日本中で大ブームになってたけど」
雪巳「どのくらい前ー?」
僕「12・3年前かな」
雪巳「私が生まれたくらいー?」
僕「そうだね、そうか、じゃあ知らないはずだ」
東京にもいっぱいあったけど、今では1つも無いかも。
ここは是非、体感しておかないと・・中は子供がいっぱいいるな、
雪巳ちゃんの思い出作りのためにも、入ろう・・・入り口は・・ここかな?

僕「さあ、入るよ」
雪巳「あー、そーだー」
僕「何?」
雪巳「競争しよーよー」
僕「どっちが先に出るか?」
楽しそうだな、よし、やってみよう。
雪巳「それでねー」
僕「それで?」
雪巳「負けたら1つ何でも言う事きくのー」
僕「何でも?なんか、こわいなあ」
雪巳「あー、お兄ちゃん自信ないのー?」
そんなこと言われたら、やるしかない・・・
僕「よし、いいよ」
雪巳「これからねー」
僕「わ、もう走った!ずるい!」

入口に飛び込む雪巳ちゃん!
負けてはいられないぞ、僕も・・・
と、すぐに追いついた!あれ?なんで?
雪巳「入場料ここで払うみたーい」
僕「はは、2人分ね・・・はい、お金、と」
迷路には迷路の入場料が必要だったのか、そりゃそうだ。
おかげで対等にスタートできるぞ、入場料を払うとスタンプカードを貰う、
正式な入り口でタイムを刻んで各所3つのチェックポイントにあるスタンプを押し、
出口へ行くシステムになっている、よし、勝って雪巳ちゃんに言う事きかすぞ!
でも負けたらどんな命令をされるか・・・ぜっっったいに、負けられないぞーーーーー!!

雪巳「スタート〜!」
僕「よし、僕はこっちだ!」
雪巳「あとでねー」
早速、ふたてに別れる!
そして僕の進んだ先は・・・いきなり行き止まり!
やばい・・もうすでに先こされてるぞ!?急がなくっちゃ。
こっちかな〜こっちかも・・・こっちか?
まず最初のチェックポイントは・・あそこだよなあ、
このままここ通れば行けるのかな?それにしても子供が多すぎ・・・
雪巳「あー!」
僕「あっ!」
僕が行こうとした道から出てきた!
ということは、この先じゃないってことか、よし!
僕「お先にー!」
雪巳「もーー!!」
よし、追い抜いたぞ!
多分、こっちをこう遠回りして・・・
迷路の壁の下は大人でも寝転がって通れるくらいの隙間がある、
緊急時の脱出用なんだろうけど、ここを覗けばヒントになる・・うん、
あっちをああ行けば最初のチェックポイント、砦に行けそうだぞ!急ごう!

僕「・・・・・よし、ついた!」
砦の階段を登り、まずは1つ目のチェックポイント到着だ。
雪巳ちゃんはまだだよな、このままリードを保たないと・・・
スタンプを押すにはまだ前に3人くらい並んでる、早くしてくれー!
僕「まだか、まだか・・・」
僕の後ろにも次々と人がやってきて・・・4人くらい並んだところで、来た!
息を切らした雪巳ちゃん、まだ僕に気がついてないみたいだ!
と思ってたらスタンプの順番が来た。
ぽんっ
僕「次だ!」
先へ・・と、その前に!
ここはせっかく高い砦になっているんだ、
次のチェックポイント、砦への道をここから見下ろしておこう。
僕「あそこか・・・どれどれ・・・」

う〜〜〜〜〜〜ん・・・
考えるより行動だ!
僕「ゴールで待ってるよっ」
雪巳「あー!はやいーー!」
このリードを大事にしなきゃ。
さて、こっちをこう行って・・あっちかな・・
確かこっち・・2つ目はすぐのはずなんだけど・・・
うーん、思ってた以上に手ごわい迷路だなこいつは。
何か裏技でもあればいいんだけど、ってテレビゲームみたいにはいかないか・・・
ごろごろごろごろごろ・・・
僕「わわっ!人が転がってきた!!」
壁の下にある隙間から体操着姿の小さな子が横回転しながら・・・
ごろごろごろごろごろごろごろ・・・
通り抜けて行った、僕の前を・・・
い、いまの土ころび、雪沙ちゃんに似てたような・・・?
ごろごろごろごろごろ!!
僕「うわ!リバース!?」
戻ってきた!
ごろごろごろ・・・ぴたっ!
雪沙「あれ〜?おにぃちゃ〜ん!」
僕「何やってんだ!?」
雪沙「ちかみち〜〜」
僕「それ、反則だよ」
雪沙「でも〜はやいも〜ん」
土ぼこりだらけ・・・
まったくしょうがないなあ。
雪沙「ぢゃ〜ね〜〜」
ごろごろごろごろごろ・・・
行っちゃった。
雪沙「あれ〜?ゆきみおねぇちゃ〜ん!」
まずい!追いつかれる!
2つ目のチェックポイントは・・・あった!
行けるぞ、3つ目は遠いけど、このままなら勝てる!!
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