「オイシ!オイシッ・・・イ・・・ウ・・・ウッ・・ウウゥゥゥ・・・・ゥゥ・・・」

 

体の動きが止まるカイーダ、

ミジューの方も何だか様子がおかしいみたいだぞ!?

 

「クッ・・・苦しいっ!ど・・・どうしてっ・・・?夜明けは・・ま・・だの・・・はず・・・」

 

しゅるしゅると触手が力なく解け、

俺の上のカイーダも苦しいのか全身を抱えている・・・

ぢゅぽんっ、とペニスが抜け、ベットの上でのたうっている・・・

 

「ウウウウウゥゥゥゥゥ・・・ゥ・・・・ゥ・・・ゥ・・・・・」

 

一体何があったんだ!?

ミジューは窓の方へ行き空を見上げる・・・

 

「まさか・・・そんな・・・こんな時にっ!!」

 

ようやく視界がはっきりした俺も窓の外を覗く・・・

何も・・・ないぞ?本当になんにもない・・・月さえも見当たらない有様だ。

 

「まさか・・・まさかこんな時に・・・キーーーッ!!!」

 

慌てて部屋を飛び出すミジュー!!

一体何がどうしたのか・・・とにかく助かったのか!?

自分の体を確認する・・・ミイラになりかかってる!!危ない所だった・・・

立ち上がるもよろよろ状態の俺、それよりカイーダは?まだうずくまったまま・・・

い、いや、これは・・・ガインだ!男の体に、戻っている!元のガインになっている!!

 

「ガイン!!」

「うぅ・・・だ、大丈夫だ・・・」

「良かった・・・よし、落ち着いてる暇は無い、逃げるぞ!!」

 

俺とガインは裸のままミジューの間から脱出した!!!

 

 

 

「・・・・・はぁ、はぁ、はぁ・・・何とか城から出れた・・・ガインすまない、肩を貸してくれて・・・」

「いや・・・それよりサキュバスが1匹もいなくなったのはなぜだろう?」

「さあ・・・外にもいないな、空にも・・・雲ひとつ無い綺麗な星空だ・・・」

 

俺は状況も忘れ空に見とれる・・・何か・・・変だぞ!?

 

「何してるんだ!とにかく山を降りるぞ!」

「あ、ああ、ガイン・・・とにかく奇跡が起こったみたいだな・・・」

 

ガインもさっきの肉体変化で疲れているのだろう、肩で息をしている・・・

決して走っているとは言えない速さで城からとにかく離れ、芝の上を進む・・・

誰も追ってこない、何もこない・・・まさに奇跡・・・あとは朝を待って逃げるのみか・・・!?

 

「・・・・・・・・・・」

「どうした?ガイン、急に立ち止まって・・・」

「・・・・そ、そうか・・・・わかった・・・」

 

空を見上げるガイン、そしてしゃがみこむ・・・

 

「ガイン?ガイン?」

「・・・に・・・にげ・・・ろ・・・」

「どうしたんだ!一緒に逃げるぞ!!」

「俺は・・・もう・・・駄目・・・みたい・・・だ・・・」

 

うずくまって体を震えさせる・・・

背中が盛り上がってきた!?これは・・・つ、翼!?

しっぽも伸びてきた・・・ま、また・・・でもどうして・・・!?

 

ガインがさっき見ていた空を見上げる・・・

細い細い光りが見える・・・あれは・・・何だ?あれは・・・??

 

「さあ行くぞガイン!」

「・・・ゥ・・・ゥゥ・・・ニゲテ・・・ハ・・ヤ・・・ク・・・・・」

「・・・くそっ!駄目かっ!!・・・うわっ!!!」

 

俺を突き飛ばすガイン!!

弾みで仰向けに倒れる・・・頭上に見える光・・・

その正体がわかった!あれは・・・あれは、細い月だ!それが段々と三日月になっていく!!

 

「そうか・・・月の光り・・・月食だったのか!!」

 

サキュバスは夜の魔物、

その力の源は月だったのだろう、

それが月食によって遮断された・・・本当に奇跡だったんだ!!

 

「ウウウウウ・・・オトコ・・・オトコォォォオオオオオ!!!」

 

ガインはもうすでにほとんどカイーダになっている!

捕まったら終わりだ、今のうちに逃げないと!月が復活したら追っ手も来るだろう!

ボロボロの体に最後の力を振り絞り、城から、そしてカイーダから逃げる逃げる逃げる!!!

 

「・・・・・月が完全に復活しちまった・・・」

 

煌々と照らす満月・・・

後ろからサキュバスの影は無い・・・

でも、いつ来るかわからない・・・

朝までどこかに身を隠すか?いや、匂いでばれそうだ、

じゃあ川に潜って・・・とにかく今は歩き続けるしか・・・

 

ズボッ!!

 

「ああう!!」

 

穴ボコに足をとられた!?

思いっきり転んでしまった・・・

立ち上がろう、とするも足が抜けない!?

 

「え・・・ええっ!?」

 

見ると、恐ろしくもおぞましい光景が!

地中から腕が伸び、俺の足首をしっかりと掴んでいる!!

 

「そんな・・・そんな・・・・・うわあああっっ!!!」

 

さらにもう一本の腕が!

そのままずるずると穴が広がり地中に引きずりこまれる!!

だ、駄目だ!恐ろしい程の力で、まったく抜け出せない!助けてっ!!

 

ずるずるずるずるずる・・・・・

 

土が沼のようになり、

腰まではまり、さらに胸まで・・・首と腕だけに・・・

はああ!!俺の股間がまさぐられてるうっ!しゃぶられたあっ!!

誰か・・・あぁぁ・・・首も埋まる・・・うぐ・・・ぐ・・・むぐぐぐぐぐぐぐぐ・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ずるずるずるずるずるずるずるずるずるずる・・・・・

 

もどる めくる