朝になり、完全武装した私は白竜に乗り込んだ。

 

「ミルよ、それでは行ってくる」

「はいぃ、洗濯や残りのお掃除、色々と準備しておきますぅ」

「ひょっとしたら時間がかかるやも知れぬが、必ず戻るゆえ待っていてくれ」

 

白竜に気合を付けると勢い良く舞い上がる、

荷物が無い分、軽々と・・・あっという間に別荘が小さくなる、

まわりの枝には他の白竜たち・・・挨拶するように旋回したのち、ぐんぐんと地上に向かって滑空する。

 

「雲に入るまではあまり幹から離れるでないぞ、寒さで凍え息もできなくなる」

 

さすがに下りは早い、極端に言えば落下しているようなものだからな。

やがて雲に突っ込み、真っ白な視界が続いたのち、すぐに森林が、そして街並みが目に入った。

とえいあえず城の位置を確認し、そこから国境を越えるための道をたどり、宿屋を探す・・・あった。

 

「まずはアバンスへ行く方向からだ」

 

・・・あの宿に泊まったとすれば道は1つだ、

しかも長い・・・いた!あの人影は4姉妹と、愛しいお方に間違いない!

さあ、問題はうまく奪えるかどうかだ、この高さならまだ気付かれていないと思うが・・・

 

「4姉妹にも4姉妹なりの筋書きがあってついて行ってるのだからな」

 

私がプランを練ったように、

あのお方をこれから、そして将来どうやって共に生きていくか、

どう愛し合っていくかを4姉妹も考えに考えて、ああして一緒に旅をしているはずだ。

それを横から奪うのだ、そう簡単に行くであろうか?私が奪いに来るのも想定内であろう、

まさか4姉妹で私を倒すとっておきの必殺技でも開発を・・・ええい、悩んでいても仕方が無い、突撃だ!

 

「白竜よ、人をさらうゆえ、私が捕まえたらすぐに舞い上がるのだぞ!」

 

ランスを構え、真っ直ぐにターゲットへと突っ込む!

途中で気付いた4姉妹が愛しいお方を後ろへと隠し、

口々に何か言っておるようだが、私はかまわずランスを振り回す!!

 

ガキィ!

ガキャァン!

ガシャァーン!

ガッキャーーーン!!

 

「ああっ!!」

「あんっ!!」

「あうっ!!」

「ああぁ!!」

 

4姉妹の悲鳴ごと振り払った私は、

あっけに取られている愛しいお方に狙いを定める!

急いでランスを鞍に挿し、左腕と私の胸で一気に抱え込む!

 

ガシッ!!!

 

「うわ、うわあ!!」

「暴れるな!怪我するぞ!!」

 

強引に座らせ、

そのまま上空へ・・・!!

 

「旦那様ーーー!!」

「御主人様ーーー!!」

「アナターーー!!」

「ダーリーーン!!」

 

叫ぶ4姉妹の声はあっという間に小さくなり、

見事、愛しいお方の奪還に成功した!よかった・・・

うまく行く時はこんなものだ、だがこれを簡単と思ってはいけない。

 

「すまない、親衛隊が迷惑をかけたようだ」

「ハプニカ様・・・なぜこのような事を・・・」

「そなたを救ったのだ、あの4姉妹から」

「ええっ!?」

「言い寄られて迷惑だったであろう、あそこまでついていってしまって・・・」

 

あくまでも、4姉妹から保護をしたのだ、

そう、さらうのは簡単にできても本当に難しいのはこれからだ、

保護をしている期間でいかに、城での失態を返上できるか、本当の愛を信じてもらえるかだ。

 

「その、ハプニカ様、実は・・・」

「大丈夫だ、良い隠れ家がある、そこでしばらく身を隠すといい」

「隠れ家、ですか!?」

 

ガルデス城を見せ付けるように越え、

さらにズバラン山脈を上がるり、曇に入る。

真っ白な視界をどんどんどんどん上へと進む・・・まだ寒いな。

 

「そろそろだ・・・もう少しの辛抱だ」

「どこまで上空へ・・・あ、山頂だ、あれは・・・!?」

「大きな木であろう、世界最大の木・スバランの木だ」

 

その迫力に驚いているようだ。

どんどんどんどん上昇を続けながら幹へ近づく。

 

「あれ?あたたかくなって・・きた!?」

「ああ、この木が熱を発しておるのだ」

「そうなんですか・・・薄かった空気も濃くなってきました」

「この木は生きておるからな、良い酸素を出してくれる」

「それにしても、この木、どこまで・・まさか天国まで!?」

「・・似たような所だ、もっともっと上がる、しっかりつかまっているのだぞ!」

「は、はい・・・うわっ!!」

 

びゅーーーーーん・・・・・

 

追われる心配も無いのに急いでしまう、

それだけ早く、愛しいお方を別荘へ連れて行きたい!

ぐんぐんぐんぐんぐんぐんぐんぐん上がって上がって上がりきると・・・・・

 

「見ろ、ここが我が王国に伝わる隠れ家だ」

「す、すごい・・・すごすぎる・・・!!」

 

私とてこのお方の住んでいたモアス島を初めて見たときは驚いたものだ。

何も無いはずの海の真ん中に突然、巨大な島があったのだからな、しかも要塞都市だ。

それに比べればまだまだ小さい、まあこのお方がモアスを当然のものと考えるように私もここが当然のものなのだ。

 

「あれが私の別荘だ」

「あれが、ですか!?」

「そうだ、降りるぞ」

 

別荘の前に着地し降りる、

さっさと白竜は家族のもとへ・・・、

愛しいお方は別荘を見上げて再度、驚いている様子だ。

 

「疲れたであろう、さあ中へ入ろう」

「こんな所に別荘が・・・」

「もしもの時の避難場所だ、この場所はほんの一握りの者しか知らぬ」

「立派ですね、どうやって・・・!?」

「先祖代代、自らの手で作ったのだ、落ち着くまでここにともに住もうぞ」

「ともに・・・!?」

「そうだ、私は女王の座を降りてきた、代わりのものに任せてある」

 

別荘に入とミルが笑顔で迎えている。

 

「いらっしゃい、お姉様、おにいちゃん!」

「ミルちゃん!?」

「うん!私もお城出たのぉ」

「出たって・・・じゃあ、お城、空っぽなんじゃ?」

「平気だよぉ、だってもう平和なんだからぁ」

「だからって、王様がいないんじゃ・・・」

「王様がおにぃちゃんじゃなかったら誰がやっても一緒だよぉ」

 

愛しいお方の胸へ一直線に飛びつき、、

まるで猫のようにゴロゴロと甘えておる・・・

私とてそうしたいが、まだ少し神経が高ぶっている、

一戦交えて勝った所だからな、息を整え落ち着こう・・・、

スバランの木から発する空気のおかげで、すぐにクールダウンできた。

 

「さあ、そなたも中へ・・・ミルも、甘えるなら後にするのだ」

「ハプニカ様、ダルトギアは・・・国はどうされるのですか?」

「そなたが心配する事ではあるまい、もちろん私ももう関係ない」

「ミルちゃんも、それで、いいの?」

「うん!お城よりおにぃちゃんと一緒にいる方がいいのぉ!」

 

何かを考えている愛しいお方、

少しこんがらがっているのか悩ましげな表情だ、

まあ、きちんと整理して話し、わかってもらうしかないだろう。

 

「いつまでもそこにいても仕方あるまい、詳しい話は中だ」

「あ・・・はい」

「おにぃちゃん、ミルもおにぃちゃんにお話したいこといっぱいあるのぉ」

 

 

中に入るとキョロキョロしておる、

後で案内してさしあげねばならぬな、

3階や屋上も整理せねば、うまくいけば一生、共に過ごす可能性もあるのだから・・・。

愛しいお方もようやく気分が落ち着いてきたようだ、心の戸惑いはまだ残っているだろうが、

連れ去って来た事に対して激怒するという様子はまったく見られないな、素直に話を聞いてもらおう。

 

「ここがリビングだ、まあ座るがいい」

「はい・・それにしてもびっくりしました、ズバラン山脈の頂上にこんな場所があるなんて」

「おにぃちゃん、すごいでしょ?ここをしっているのは王族だけだよぉ」

「うん、ハプニカ様から聞いた・・・ここなら大戦の時も安全だったのでは?」

「そうだ、実際、大戦中も父の目を盗んでもし我が血脈が途絶えたときのための遠縁を住まわせていた」

「へえ・・・そうですよね、そういう可能性もありましたから・・で、今は?」

「私たちだけなのぉ、隠居してきたからぁ、ここにずっと住んでいいことになったのぉ」

「ここに・・・住む?」

「そうだ、私たちは疲れた・・もう疲れきってしまった・・・だから、ここで余生をおくる事もできる」

「そんな、ハプニカ様はまだ26歳ではないですか!ミルちゃんなんて16・・・」

「私はぁ、おにぃちゃんと一緒にいられるならどこでもいいのぉ」

「えっ!?」

 

愛しいお方の胸に潜り込むミル、こういう時、幼さは武器になる。

 

「おにぃちゃん、ミル、おにぃちゃんと一緒に行くぅ、ついてく事に決めたのぉ」

「ミルちゃんまでそんな事を!?」

「・・・ミル、それはミルだけでは決められる事ではあるまい」

 

私も愛しいお方の横につき、迫る。

 

「・・もちろん私もそなたについて行きたいのだが、それはそなたの決める事だ、

とりあえずここへは私の白竜でしか来れぬ、邪魔者はおらぬ、1週間ほどここで身を隠し、

4姉妹の目の届かぬ所へ送ろう、私達がついて行ってもよいか、その時に決めてほしい」

「1週間ですか・・・」

「ああ、今すぐ行っては追われてしまうかもしれぬゆえ・・・」

「念のためだよぉ、それまでおにぃちゃんのお世話、ちゃんとするねぇ」

「・・・ちゃんと逃がしてくれるのですね?」

「もちろんだ、私達の心配はいらぬ、そなたと別れてもここでミルと幸せに暮らすつもりだ」

 

とりあえずは1週間、この最低ラインは確保せねばならぬ。

強引に連れてきたという事実を認識したとしても、1週間なら、いてくれるはず・・・!

 

「とにかく今はここでくつろぐがよい」

「はぁ・・・」

「おにぃちゃん、またミルの日記聞いてくれるぅ?」

「う、うん・・・」

「では私はここの掃除をもう少しするとしよう」

 

まずは成功、と言って良いだろう、

思わず口元が緩んでしまう、まあ、笑顔は隠しても仕方がないであろう。

 

・・・・

・・・・・・・

 

昼下がり、屋上を軽く片付ける、

さすがに外だけあって落ち葉などが大変だ、

洗濯物はとりあえずミルが2階の窓で干しているが、

ここが綺麗になれば一度に大量に干せる・・・

お、これは兄者が作ったハンモックではないか!

 

「まだ座れるか?・・・丈夫であるな」

 

屋上の角、手すりと柱にうまく結び付けてある、

ここで寝ながら木の外や、別荘の周りを見渡せる・・・

 

「おや?あのお方、どこへ行くのだ?」

 

別荘から外へ歩き出す、愛しいお方・・・

ミルが面倒を見ておったはずなのに1人で何を?

まさか逃げ出そうとしているのでは、と慌ててハンモックを降りる!

 

「会って聞くのが一番早いぞ!」

 

階段を駆け降り玄関を飛び出る、

どうやらこの場所を色々と見て回っているようだ、

逃げようというのではなく、ただ物珍しいだけか、よかった。

 

「どうした、散歩か?」

「はい・・・外の景色を見たかったのですが・・・」

「別荘の屋上からなら見渡せるぞ」

「そうですか・・あと、この木の実は、食べられるのですか?」

「もちろんだ、スバランの木の実は種類・栄養豊富、全て美味であるぞ」

 

・・・ガサガサガサ!!

 

「な、何かいる!?」

「心配いらぬ、あそこを見よ」

「あそこ?・・あ、白竜!あれ!?」

 

沢山いる白竜を見て驚いておる、

地上では私のしか見たことが無かっただろうからな、

ここが群生地だったとは知るまい、だが驚くと同時に少し怯えているようにも見える。

 

「白竜の親子だ」

「本当・・あ、あっちにも!」

「あそこにいるのが私の白竜だ、丁度子供に餌をあたえておる」

「本当だ、小さい白竜が3匹・・そのとなりの大きいのは、白竜の奥さん?」

「そうだ、この場所は元々は白竜の棲み家なのだ、今も200匹ほどの白竜が住んでいる」

「なるほど、そうだったんですか、気づかなかった・・・よく見るとちらほら上にいますね」

「白竜は平らな場所は本来好まぬからな、皆、上の枝にいる」

「恐く・・・ないですか?」

「よく見るがよかろう」

 

仲むつまじい白竜の親子・・・

こうした生態はまず普通では見られぬからな、

穏やかな白竜を見て、愛しいお方も少し安心したようだ。・・・

 

「そなたが恐れていた山の神も、真実はこのようなものだ」

「そうですね、白竜への考えを改めさせられました」

「ダルトギアの民も同じだ、戦いが全てではない」

 

幸せそうな白竜の、甲高い鳴き声が響く。

 

「人を傷つけるために戦う民族ではない、人を、森を守るために強くなるのだ」

「それは・・・海の民も同じです」

「そう、山の民も海の民も同じ・・・海も山も同じであろう」

「おっしゃりたい事はわかりますが、でも・・・」

「私は海で暮らすとしてもかまわぬ、魚の獲り方もすぐに覚えてみせるぞ」

「・・・確かに鯱も陸の人は最初、怖がりますけど、実際は人の事をよく理解しています」

「白竜も同じであるぞ、鯱の事はくわしくは知らぬが、どこに違いがあろうか・・・」

 

こうして互いの考えを話し合い、きちんと説得すべきであった・・・

ならば、誤解も時間をかけて解消する事ができたというのに、生き返った、

そして傍で看病させてもらえる、それだけで幸せを感じ、満足し、愛も当然受け入れられると勘違いしていたのだ。

 

「空を泳ぐのは楽しい、海を泳ぐのも楽しい、ともに同じ楽しさに思えるのだが」

「・・・考え方ですね、海も空も、まったく違うとも言えるし、まったく同じともいえる・・・」

「そうだ、民族も同じだ、違うと思えば違うが、同じ人である事には変わりあるまい」

 

愛するお方への答えをまずはひとつ導き出した、

これで私へ出された疑問を1つ解消できたと言って良いだろう、

怯えていた様子はすでになく、これならば白竜とも自然に会話できるであろう。

もっともっと時間をかけ、全ての疑問、宿題を解いたその時に、はじめて、、

私は結婚を申し込めるのではないだろうか?それにはもっともっと時間が・・・1週間では足りない。

 

「ここは楽園ですね・・・」

「私には・・・そなたといる場所が、楽園だ・・・」

 

きゅっ、と愛しいお方を抱きしめる・・・

ああ、もう離したくない、離れたくない・・・

いつのまにか私は唇を合わせていた・・・舌まで絡ませて・・・

これもひとつの答えだ、それを納得するかのように力を抜く愛しいお方・・・

私の体中が熱くなる・・・離れたくないどころか・・・このままひとつになりたい・・・!!

 

「・・・はぁっ・・・」

「・・ハプニカ様・・・」

「もう、言葉などいらぬ・・・あとは私を感じてほしい・・・」

 

そのまま押し倒してしまう・・・

邪魔な服など脱がしてしまおう・・・

 

「そんな、そ、外なのに・・・」

「ここは誰の邪魔もおらぬ・・・」

「白竜が、見てます・・・」

「見せつけてやろうではないか、人間の愛を・・・」

「そんな、やめ・・・あああああぁぁ・・・」

 

心をこめて服を1枚1枚脱がす、

すると抵抗がまるでない、いや、男であるから形だけの抵抗はあるが・・・

これが、女が男に、抱かれたいのに「いや、やめて」と言う心理と同じなのだな、勉強になる。

ならば、恥ずかしがっているなら私も脱げばよい・・・よし、これで私も愛しいお方も、丸裸だ。

 

「まさにアダムとイブだな」

「ああ・・・頭がぼーっと・・」

「何も考えるな、素直に感じればよい」

 

そう、私も素直になる・・・

愛しいお方の体が熱い・・・肌の香りが私をときめかせる・・・

このまま、本当の意味で私は、このお方と、ひとつになりたい!

徐々に力が抜けていく愛しいお方の上に覆いかぶさると、私の胸がのしかかり、

それをまるで心で受け止めてくださっているようだ、うれしい・・・もっと、もっとだ!

 

「あっ・・やわらかいっ、です・・・」

「そなたの心を、私で全て覆いつくしてみせよう・・・」

「そ、そこは・・・はああ!!」

「もう何も、悩む事などない、私を・・信じて・・もらうだけだ・・・」

「ハプニカ様の、そ、そこはぁ・・・い、いいっ!!」

 

看病の時に覚えた手技、きゅっ、きゅっと指で亀頭をつまみこする・・・

私は熱い恥部を軽くあてがうと、愛液がぽたぽたと、その上にたれていく・・・

再び唇を重ねられる・・今度は覆い被さるキスだ、舌が深く入る・・・いやらしく舐め回す・・・・・

 

ぴちゃ、ねちゃ、ぬちゃ・・・

舌も唇も感じすぎて震えてしまう・・・

それが全身をビクビクと痙攣させ、子宮の奥が軽く弾ける・・・

 

「・・・ふぅ・・キスだけでイッてしまったではないか・・」

「あ・・・ああ・・・」

「何だ?もっとして欲しいのか?よしよし、もっと味わおう」

 

三度重なり合う唇・・・

股間も、恥部と亀頭を何度もかすらせる、

愛液のローションが亀頭をもてあそぶ、あぁ、入れたい、

だがまだ我慢だ、欲望のまま、何の確認もせず入れてしまえば、

同じ過ちの繰り返しだ、これはこれで、焦らすという意味もあるかも知れぬが・・・

 

「・・ん・・・んん・・・」

 

すっかり身も心も私に委ねた愛しいお方、

ここからが肝心だ、喋らずとも愛をつぶやかねばならぬ、

右手で顎を捕まえ、左手で頭をやらしく何度も撫でてさしあげる・・・

このままいただいても良いか?と目で問いかけると、トロンと無言の了解をされているようだ、

だが、これが思い込みであってはならぬゆえ、無言の、ではなく、言葉として、ちゃんと聞かねばならぬ。

 

「・・・はぁっ・・そ、そなたが欲しい・・欲しいぞ・・」

「そ、その・・あの・・・」

「私の中に・・そなたをもらっても・・良いか?」

 

やはり言葉で聞くと躊躇するようだ、

言葉にするのが恥ずかしいからかも知れぬが、

やはりちゃんと言ってもらわなければ、何せこのお方が意識を取り戻してからは、、

きちんと「膣の中」で射精させる事は禁止としてきた・・・だからこそある意味、これは初夜なのだ、

このお方の認識では、私がはじめて、このお方のペニスを膣へいただこうとしている事になるのだから・・・・・

 

「そ、それだけは・・」

「嫌か・・私はそなたを愛しているというのに・・」

「その、やっぱり・・外で・・・」

 

今にして思えば、看病の時に、意識を取り戻してから、、

さっさと挿入してしまえば私への認識も違ったかも知れぬ、

ちゃんと愛していたと・・・うぅ、入れたいがまだ入れられない、は、はやく入れたい!

 

「・・私の愛を信じてもらえなかったのは、今までそなたのこれを私の中へ入れなかったからかも知れぬな」

「ち、ちがい・・はああ!!」

「もう、私は自分に素直になるぞ、欲望を隠さぬ、そなたにありのままの私を見てもらう・・」

「そんな!そ、それじゃあ!?」

「もう容赦せぬ、そなたに信じてもらうまで・・私の心をそなたにぶつけるぞ!」

 

ううぅ・・・涙が零れ落ちる、

愛しいお方の頬を、ぽたぽたと濡らしてしまう・・・

 

「ここにはもう敵などおらぬ、だからそなたを守ったり、そなたに守られたりする必要などない・・・

もう力などいらぬのだ・・そして私はそなたを偽りなく愛している・・愛して・・・嘘ではない・・・

もういくら言っても言い訳にしかならぬなら・・私の体で・・真偽を見てもらいたいのだ・・気持ちを・・・ 

私が欲しいのは強い男でも、国王になれる男でもない・・私が欲しいのは・・そなただけだ・・そなたなのだ・・

残りの・・私の残りの人生は・・そなたにどうすれば愛してもらえるかだけに捧げるつもりだ・・もし叶わぬなら・・

ここで、そなたを想い続ける事のみに一生を費やすつもりだ・・もう、そなたしかないのだ・・私には・・本当に・・

私にはそなたがいる場所が楽園・・そなたのいない場所が地獄だ・・どうか私を地獄へ落とさないで欲しい・・だが・・

そなたの裁定が私に・・地獄で償えというのであれば・・私は罰を受け、そなたを想い続けて朽ちよう・・・

毎日、いないそなたに語り掛けて暮らすとしよう・・それでしか・・もう自分を保てないであろう・・私は・・

大戦で全てを失ってしまったと思ったが・・そなたが手に入るのならば大戦に感謝したいぐらいだ、たとえ父や兄の命と引き替えにしても・・

だが、そなたまで失ってしまったら・・いや、失いかけたのだ、私の手で・・だから、この罪を受けているのであろう、

そなたに愛を信じてもらえぬという形で・・どうか罪深き私を救ってくれぬか・・・情けをかけてくれぬか・・・たのむ・・

もう、もうそなたにすがるしか、私の幸せはないのだ・・そなたをあんな目にあわせて幸せを、などと言うのは間違っているだろうが・・

しかし、しかし私にはもうそれしかないのだ、そなたは私の全て・・私を・・私を・・・・・うぅぅぅぅ・・・ぅぅ・・・」

 

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