こうなると止まらない、胸の中の熱い感情と共に、ぼろぼろと・・・!
「でも、目が・・・涙が・・・ちゃんと洗い流してきた方が・・・」
「本当に、すまなかった・・・そなたには・・・生涯詫び続けても足りぬ事をしてしまった・・・」
「そなたには、大戦が終わったにもかかわらず、この国を、この私を、命懸けで助けてくれた・・・私の目が足りなかったばかりに・・・こんな目にまであわせてしまって・・・うう・・・」
「大丈夫なものか・・・私の手で、そなたを殺してしまうところだったのだ・・・ううう」
「いえ、ハプニカ様のせいではないです、俺が・・・俺が弱いばかりに・・・」
「・・・そなたは強い、世界で一番・・・少なくとも私にとっては・・」
「そ、そんなに悲しまないでください、俺、どうしたらいいか・・・」
「何もしなくてよい、あとは・・今度は私の手で、そなたを幸せにさせて欲しい・・」
まだ伝えねばならぬ事、聞かなくてはならぬ事は山ほどあるのに・・・
これからこのお方を守るべき私が、このような状態でどうする・・・
意を決し顔を上げ、口付けでもするかのごとく顔を寄せ、私は静かに告白する。
「どうか・・私に一生、償わせてくれぬか、そして、永遠にそなたを守り、愛したいのだ」
この気持ちに応えていただけるのは、もう、この世の中で、このお方のみ・・・
このお方が欲しい、このお方のものになりたい、どちらでも良いから・・・愛し合いたい。
「ハプニカ様、とにかく俺が動けるようにならないと、何もできません」
しかし、元を補う、いや、それ以上に幸せな環境を作れば良いだけの事だ。
必ず、必ず幸せにしてみせる、そう、このお方が言った通り、全てはそれからなのだ!
私だけではなくミルも、4姉妹も一緒になって毎日ひたすら恋人のように接する。
シャクナは残念ながら教会での仕事と皇級僧侶就任へ向けての勉学で忙しく来れないが、
まあ、私としてはそれだけあのお方の体が1人分空く訳だから良しとしておる、
1年後にはマリーと共に戻ってくるのだから、それまでの間、少しでも恋のレースのリードを広げておこう。
「はい・・・ハプニカ様、毎日いらしてますが、お忙しいのでは・・・?」
「心配するな、さっき2時間ほど時間を作ってきた、私を追い返したいのでなければ共に過ごそう」
ベットの上で膝を出し、そこに頭を乗させてもらう・・・これで耳は今、私のものだ。
耳掃除にもこれだけ手間がかかるが、愛しいお方の気持ち良さそうな表情が私を幸せにする。
「ならばこのまま眠るがよい、そなたにはまだまだ休息が必要だ」
「取れたぞ・・・・・横にもへばりついておる・・・少し掻くぞ・・・」
そう毎回毎回襲っていたのでは、私がまるで淫魔のように見られてしまうではないか!
「皆さんそうおっしゃってくださいますが、リハビリはしないと」
そうか、もう恋愛小説を読んで、私の想いを間接的に伝えるのは難しそうだな。
「天気が良ければ海の幸を、飛竜が運んでくれるはずであったがこの悪天候では・・・」
「なに!?・・・確かに、あの雷の隙間をぬって飛んできたのは飛竜であるが・・・まさか・・・」
ん?一番前を飛んでおるのは白竜か?いや違う、竜のように鍛えられた天馬だ!
「女性みたいですね、髪も服もびしょ濡れ・・・あれ?ララさん!?」
「おまたせいたしました!夕食の材料を仕入れてまいりましたわ!」
「私、初めて知りましたの、荒れている海は大物が一番かかるのですね、ご覧ください!」
「ララ、貴重な休暇にご苦労であった、では雨が入るので閉めるぞ」
「ララさんが釣り上げたのでしょうか?モアスの漁師でもあれは大変なのに」
「皆で協力したのであろう、アバンスに寄ってモアスの漁師にも手伝ってもらったのかも知れぬな」
「そうか、ならばその時は私の白竜で行くとしよう、あの魚の何倍も引き上げられるであろう」
「戻りました、魚は屋上から厨房へと運んでいただいております」
「凄く嬉しいです!ダルトギアの魚も美味しいけど、やっぱり海の魚が恋しくって」
「荒れた天候は大漁のチャンスと、文献で読みまして、その通りでしたわ」
「・・・ララよ、それは良いとして、濡れたままで来るのは失礼ではないか」
「どうしてもご報告を真っ先にしたかったもので・・・ではシャワーを浴びてまいりますわ」
いや違うな、これはララの濡れた服から下着が透けたからのようだ、
こんな形でもアピールをしおって、さては計算であるな?これは負けられぬ!
私とてもっともっと、愛しいお方の気を引かねば・・・そうでなければ第一王妃の意味が無い!
「ああ、森の果実と生クリームをふんだんに使った・・・待っておれ」
・・・それを裸で私の体に乗せれば・・・いや、それはまだ早い!
体を密着させて、「あ~ん」するくらいで留めておくか・・・それくらいが丁度良い、
問題はどのような感じでするかだな、セクシーにか、やさしくか、それともクールにか・・・・・
だが今夜は皇務も早く終わり、明日朝まで一緒にいられる・・・だが・・・
「はい、なんというか、深い海の底で泳いでいるような、そんな感じです」
なんとか回復させても歩けるか歩けないかのぎりぎりまでしか・・・
筋肉もグシャグシャであったため、もう強く鍛えることはできまい。
あっても朝や昼が多いため、あまりいやらしい、いや、淫靡といっておこう、
そういう妖しげな事ができなかったゆえ、今夜こそはこのお方を気持ちよく、
この私の体で射精させてさしあげたい、本心は挿入までしてしまいたいが今は我慢だ。
今日はちと重い報告があった・・・というのも謀反の主要メンバーの1人、
ジュビライの事だ、いや、ジュビライはとっくに処刑されたのだが、その妻、ジュビライ夫人・・・
息子のジュビライJrが中心となって集められたジュビライ本人への恩赦署名は、結局、叶わなかった。
しかし、それはジュビライの謀反を知りながらそれを補佐していた妻に適応された、
ジュビライ夫人は結果、収監されたもののその恩赦で今日、釈放されたのであるが・・・
牢から出されたその足でジュビライの墓へ行き、そこで自決してしまった、息子にも会わずに。
まったくその気配が無かった訳ではないゆえ、私も生前に直接、牢へ出向いて忠告しておいたのだが・・・
死んだ夫を取るのか、まだ生きている息子を取るのか、冷静に考えよと伝えたのだが、愛する夫を取ってしまった。
刑期が終わり国への償いを済ませたのち、今度は自分で自分の償いをする・・・
強く止められなかったのは、おそらく私も同じ立場であるなら似た結末をたどっだからであろう。
この愛するお方がもし、あのまま亡くなってしまわれれば、私は死を避けられはしない。
そうと決断してしまった者はどうにもならぬ・・・案外、双子を産んで出産によるショック死をした事になっているラーナンも、
実の所は自決したのではないであろうか?もちろん薬なり魔法なりで安らかに処刑されていても、私はそれに何の異議も唱えぬが。
「ん・・・はぁ、はぁ・・・すみません、ハプニカ様に見られてて、はりきっちゃったかも」
このお方の唇を何のためらいも無く奪う所であるが、どうしても今日は胸の重みが取れぬ・・・
「そうか?いや、そなたが気にするような事ではない、すまない」
「俺なんかでよければ、その、何か悩みがあるのでしたら・・・」
いや、それはいかぬ!それでは私は、まるで頼りない女ではないか!
もう、か弱い少女くらいの力しか出せぬこのお方を、私が守れなくてどうする!
それに何より、今夜はこのお方を好きにできるチャンスなのだ、慰められて過ごす訳にはいかない!
「ハプニカ様がそうおっしゃるなら・・・ハプニカ様の髪って、綺麗ですよね」
「そうか?そなたが褒めてくれるのならば、これほど嬉しい事はない」
「きらきら輝いてて、星が流れるような・・・指ですくってみたくなります」
「ならば触るがよい・・・ん?そなたの髪も良い匂いがするではないか」
「ええ、さっき、っていっても2時間くらい前ですが、リリさんが洗ってくれて」
「リリがか・・・リリは仕上げが上手いからな、料理でも洗濯でも、私の髪を洗うシャンプーも、適量というものが抜群に良い」
「いや、リリは判断してるのではない、適した量ではなく、あれは適当なのだ、だがその適当がいつも正解の量なのだ」
「じゃあ才能ですね、教えてもらってできるような物じゃないや」
「そうですか?よく拭いてはもらったけど、さっきのストレッチでちょっと汗が・・・」
「そんな、わ、脇とかきたな・・・いっ・・・あ・・ああっ・・・あああああ!!!」
しかもパンツ一枚だけの姿で放置され・・・体は風呂上りのように、茹で上がっている。
「ルルちゃんにっ・・・すごい長い時間、すごいマッサージをして・・もらいまし・・・たぁ・・・」
「あんまり凄すぎて身動きができなくって・・・あ、ルルちゃんなら衛兵との稽古に行きました」
その、後戯というものがあろう、いやマッサージをしただけだからそれはいらぬのか?
だがこの脱力しきった様子に、パンツの中がすっかりおとなしい様子を見ると、
マッサージと同時に激しく精を搾り取ったであろう事は容易に想像できる、愛しいお方も目がとろけているからな。
「ハプニカ様が、この時間に、いらっしゃるのは・・・はぁっ、はあっ」
「珍しいと申すか?時間が空いたのでな・・・ふむ、汗が滲んでおるな」
「あれ?ルルちゃんに全身拭いてもらったんですが・・・また吹き出ちゃったかも」
「ならばもう1度、私が拭こう・・・この乾いている方のタオルでよいか?」
「はい、その方が、また汗が出たりはしにくいでしょうから、申し訳ありません」
昼間でよかった、これが夜ならこのお方は脱力感にたちまち深い眠りへと誘われ、
せっかく私が来てもいびきをかいて熟睡しておったであろう、ルルもやはり油断できぬ存在だ。
「最初マッサージされただけでこんなにも体力使うなんて思ってもみませんでした」
「もう、体中の関節や肉が、揉み解されて、とろけちゃって、おかげで感覚がかなり戻ってきました」
疲れるのはおそらく、体力の上限そのものが低くなっているからであろう、
筋肉の防御力もゼロに等しいため、指で押されただけでモロに力が伝わってしまう、
よって全身をマッサージし尽くされれば、犯されて放置されたようになってしまうのも無理はない。
「いや、まだ裏側がある、うつ伏せにさせてもらうぞ・・・蒸れておるな」
「はい・・・マッサージ終わった時は体中が汗で光ってましたから・・はぁっ、はぁっ」
だからといって、このようにバテきった状態の体をさらに責める事は心苦しい、
ならば癒すか・・・とりあえず外気を入れて、火照った体を冷ましてさしあげねば。
「ありがとうございます・・・ん・・・寝返りはもう自分の力でなんとか・・・」
「あっ、遅れてまた3つ4つ・・・こういうのって流れてくるんですね」
「ああ、綺麗な乾いた羽根だ、この天馬はよく洗っているようだな・・・」
「ついでに全身の感覚も、どれほど復活しているかチェックさせていただこう」
「良い反応をするな、この条件反射が体の感覚復活を早めるかも知れぬ」
「み、耳はっ、耳はすごく、くすぐったぁっ・・・ぁぁぁっ・・・」
「では胸はどうだ?特にこのあたり・・・ほらほら乳首が立ってきたぞ」
「あああ!乳首は、ルルちゃんにしつこく乳首もマッサージされて、敏感にっ!」
「そうか、ならば乳首も疲れているであろう、念入りにこの羽根で癒させてもらう」
「ルルは筋肉や筋、関節をほぐしたようだが、ならば私は皮膚をほぐしてみせよう」
「も、もう、もう、おかしく、なって、きちゃい、ますっ、ああぁ・・・」
「パンツの中も膨らんできたようだな、あとでじっくりこの羽根で撫でてさしあげよう」