私は皇務に忙しいが、手の空いた親衛隊が、かいがいしくあのお方を世話しておる、
本当の愛をもってしての看病、それでこそ目が覚める・・・よし、私も今日は僅かな合間でも、あのお方を見に行こう!
「はい、確かララ姉さんだったと思います、あとシャクナさんがいるかいないか」
しっかりと、あのお方を本当に愛して看病しておるのか確かめるために・・・そっと、そーっと・・・
「んー・・・ちがいますわね・・・どういたしましょうか・・・」
色々と忙しいのであろう、あのお方は自発呼吸が安定しているゆえ、
もう四六時中、寝ずに治癒魔法をかける必要は無いからな・・・ただし、
必ず誰か1人はついておらねばならぬ、それが今のララなはずだが・・・何をしておるのだ?
この過ちが消えることが無いならば、例え哀れみでも・・・違うかしら?
哀れんで、蔑んで、という後ろ向きな言葉は本来、愛を告白するような歌には
どうしても暗くなってしまうゆえに、適しませんが・・・それを感じさせない、
静かで迫力のある、それでいて、流れるそよ風のような歌声で想いを込めれば・・・
きっとわかってくださるはずですわ、歌うほうも聞く方も涙が出るようなくらい・・・
問題は歌詞の組み合わせですわ・・・過ちが消えることが、違うわ、過ちが・・・もし・・・」
ふむ、仕事でも持ち込んであのお方の看病をおろそかにしているのかと思ったら、
どうやら歌詞を作っておったようだ、あのお方を目覚めさせるために歌うつもりなのか、
あのお方が目覚めてから歌うつもりなのか・・・どちらにせよ、その気持ちは、わかった。
「はいぃ、朝見たときはぁ、リリお姉さまがミルちゃ・・・ミルさまとついていましたぁ」
これは楽器の、しかもヴァイオリンの音であるな?・・・そーっと部屋を覗くと・・・
ミルはおらぬようだ、仕方あるまい、立場的には僧侶を全て束ねる身、
自発呼吸が安定したあのお方に、まだつきっきりという訳にはいくまい・・・しかしリリは・・・?
「・・・・・いかがでしたかー、今のが『目覚めの朝』という曲ですー、
本当に目を覚ましていただいたらー、目覚めのコーヒーと共に聞いていただきたい曲でしたー、
では続きましてー、『春の鳥たち』という曲をー、これは単調な曲のようで実は奥深くてー・・・」
ふむ、どうやらあのお方のために、たった1人のバイオリンコンサートを開いているようだ、
確かに眠ったままのあのお方に気持ちを伝えるには、変に話しかけるよりも、楽器に、音楽に、
想いを乗せて伝えたほうが、心に響くとでも言おうか、これがきっかけで目を醒ましてくれれば・・・!
「はい、ルルですわ、今日は丸一日、そばにいられるとはりきっておりました」
しっかりと、あのお方を本当に愛して看病しておるのか確かめるために・・・そっと、そーっと・・・
上から丁寧に手のひらで体を押しておる、よく見ればあのお方は、うつ伏せだ。
「ん・・ん・・・辛いよね、ずっと背中が寝たままで、床擦れになっちゃう、
だからこうやってマッサージを・・・ええっと次は・・・127ページだよね・・・
リンパ・・・この筋を上から順番に・・・これは脱がしちゃった方がいいかな、脱がしちゃおう」
体もなまって、関節もずっと曲げないでおけば弱くなるゆえ・・・大事な医療行為だ、邪魔はできぬ。
「はいー、レンですー、朝食を口移しで食べさせておりましたー」
これは何か水が流れる音・・・さらに声も3人のものが聞こえてきた。
「お待ちくださいませ!そっちの方の準備もお持ちしますから・・・」
レンはそれを率先してやろうとミルやシャクナの力を借りて・・・愛すればこそであるな。
「はい、確かミルさまだったと思います、今日はシャクナさんが教会へ戻ってるから」
「そうか、1人では大変であろう・・・よし、すぐに戻るゆえ次の書類の準備をしておれ」
しっかりと、あのお方を本当に愛して看病しておるのか確かめるために・・・そっと、そーっと・・・
まるで何かの儀式かのよう・・・ミルが杖を掲げると一斉に呪文が唱えられた。
まるであのお方を激しく焦がしてるかのよう・・・大丈夫なのか!?、
しかしこの光は、安らぐというか、呼吸が楽になる感じがするというか・・・
きつい回復魔法である事は間違い無いのだが、度を越しているような気がする。、
なぜなら、漏れた光を浴びただけで、あきらかに体が軽くなる・・・羽根でも生えたかのようだ。
最高の回復魔法をずっとかけ続けるよりもぉ、休み休みした方が、
眠った体の中に強弱を与えて、起きるきっかけのようなものを作らせるのぉ、
だから回復魔法も最初から全力で、最高の強さにするんじゃなくってぇ、
変化をつけて、微妙に場所もかえてぇ・・・眩しいけど我慢してぇ、疲れるけどぉ・・・
お兄ちゃんはもっと大変なんだからぁ、お姉さまだってもっと大変なんだからぁ・・・
じゃあ次はみんなもうちょっと近付いて、かける場所を具体的に決めてぇ・・・」
なるほど、ミルも色々と手を変え品を変え回復魔法をかけてくれている、
色々な方法を試して、何とか起きていただこうと必死だ、確かに起きる可能性は少ないであろう、
しかし可能性があるならば、全力で、どんな手でも試し、使い・・・さすが我が妹、よくわかってくれている。
これは何だ?ひそひそと話をしておるようだが・・・そーっと部屋を覗くと・・・
「このカリのあたりに指をこう引っ掛けて、こうクリクリッと・・・」
しかし、マリーの表情はいやらしいが、瞳は真剣なまなざしに見える。
「だからってやさしくし過ぎると、今度はイク事ができないから」
あのお方の生殖能力を診断しているのかも知れぬ・・・これは私が入ると逆に気まずい。
「よしララよ、これでとりあず皇務は落ち着いたのではないか?」
「はい、早急にしなければいけない対処はひと段落付きました、ただ・・・」
「わかっておる、まだまだしなければいけない仕事が多い事は・・・だが・・・・・私は行くぞ」
中では治療中のシャクナと林檎をむいていたリリが、びっくりしておる。
「いたっ・・・びっくりして、ちょっと指を切ってしまいましたー」
明日からなどという我慢はできぬ、たった今から、私もこのお方を世話するローテーションに加わるのだ!
「はいっ!時折、ピクピクと眉間や頬が反応なされる事が・・・」
私ですらまだ3回しかしておらぬのに!ならば今夜にでも4回目を・・・
「はいっ!その、このお方の、せ、せせ、精液を、色々と調べました所・・・た、種が・・・」
「種が、す、すごく、す、すす、少なく、なっている、そう、で・・す」
「それはまことか・・・やはり怪我のせいか?それともまさか、そなた達がやりすぎたせいで・・・」
「受胎できるかどうかの資料といたしましてー、いただいた精液を検証しましたところー、
生体反応がまったくといっていいくらいー、ありませんでしたー、つまりー、おそらく今の状態ではー、
いかに私たちが妊娠する気じゅうぶんでもー、このお方の方がー、準備が整っていないとでもいいますかー・・・」
なんと・・・では、今まで犯してしまった行為は、無駄だとでもいうのか!?
「いえー、原因を書物から調べたり生態的に研究したり、特級僧侶の皆さんが推測した所によりますとー、
長い間、自発的な生命活動が無かった訳ですからー、精液が作られなかった訳ですー、そこで一度、死滅とまでは言いませんがー・・・」
「はいー、ですのでー、やっと生命活動が再開されたばかりですからー、これから少しずつー、子種も増えるかとー、
現に1週間前と昨日とのではー、魔法で調べた結果ー、生命オーラが僅かながら復活してきているそうですー、微量ですがー」
なるほど、まあそれがわかっただけでも、今までしてしまった行為は無駄では無いと言えるな、良かった。
「では時間を置いて安静にすれば、子種の精はもっともっと戻るのであるな?」
「それですがー、戻すには自然治癒だけでは足りないようですー、循環とでもいいましょうかー、つまりー・・・」
「・・・つまり?・・・そうか、種のある精を早く出せるように、何度も何度も射精させれば良いのであるな!」
ますます私の、いや、我々の取った行動は正しかった事となる!これは喜んでよかろう。
「その通りですー、肉体的に負担をかけすぎない程度にー、それにー、こういった刺激が目を醒ましていただくきっかけにもなるかとー」
「なんと都合の良い・・・いや、これはだな、あくまでも、このお方のために・・・負担がかけられぬなら、もう無理に犯す事はできぬな」
「犯すと申しますかー、受胎しようとする事は控えたほうが良いそうですー、これは体に無理をさせるという理由の他にー、効率的な問題ですー」
うむ、本当に心と心で繋がれるまで、目を覚ますまでは我々もお預けという事であるな。
「わかった、それで・・・・・・今は、どう、なのだ?その・・・した、ばかり、なのか?」
「いえー、これからしようかとー・・・シャクナさまが昨日ー・・・」
「はいっ、マリーさんから、お、教えていただきまして、何とか、その、手、で・・・」
ならばあのまま部屋に入って、シャクナと供に、マリーに教えてもらうべきであった。
「マリーさんには髪の毛や、道具を使う方法も慣れればあると、教えていただきましたっ!」
・・・・・よし、愛するお方に気持ちよく目覚めていただくために・・・・・心をこめて、いたそう。
ではこのお方はどうであろうか、男であっても感じるのであろうか?
まだこれだけで反応が無いのは当然だ、はやく目を覚ましていただいて、
恥ずかしがるのか喜ぶのか確かめたい、もちろん私も脱がされて、感じてみたい・・・
「い、いや、考え事だ・・・では・・・やさしく、心をこめて・・・揉ませていただこう」
まだ緊張する・・・しかも今日からは私の中へと入れる事はできぬのだ、
初めから終わりまで、手でする手法を学ばなければならぬ、シャクナも心配そうだ。
「あのっ、リリさまは指を怪我してらっしゃるので、わたくしめが、指導を・・・」
「でもっ、手でイッていただくには、こつが・・・この筋のあたりを、こう・・・」
「でも指ですと、反応がよくわかります、ご覧のように尿道から・・・」
「喜び始めてくれたようだ、では動きを素早くすれば良いのか?」
「早くすると申しましても、握りを少し緩めて、奏でるように、とでも言いましょうか・・・」
「なるほど・・・音楽を聞かせるかのように、だな・・・うむ、私の手の中で、熱く脈打ってきたようだ」
「下に手を降ろす時、あまり勢いをつけて睾丸に当たらないように、気をつけて・・・かなり痛いそうですから」
「透明なのが溢れてきたな・・・出てきたのは吸わなくても良いのか?」
「そ、それはまだ、多少早いかと・・・目を覚まされてからの方が・・・今はとりあえず・・・あ!」
「ハプニカ様っ、まだ中にいっぱい溜まってますので、最後までっ・・・」
ああ・・・私の中へ入れられぬのならば、こうして浴びるのも一興であるな・・・・・
びゅびゅびゅびゅびゅ〜〜〜〜〜・・・びゅくっ、びくびくびくっ・・・
「うむ・・・それで、これは何時間おきにすれば良いのだ?1日何度が目安だ」
「はいっ、あまり頻繁にしますと、今度は精液自体が薄くなりますので、1日2回が良いそうですっ」
あまりに急ぐと逆に精の質が悪くなり、体にも負担がかかる・・・
地道に行くしかないな、私もこういう腕を磨く良い機会だと思うことにしよう。
「すっきりなされたと思います、ではお拭きしますね、こちらの濡れタオルで・・・」
「ではー、私はー、この林檎を口移しでー、召し上がっていただく事にいたしますー」
「待て!・・・それも私にさえてはもらえぬか、一方的に下だけして終わるのは後味が・・・」
「構いませんがー、しかしー、お顔をー、髪を拭いてからにした方が良いかとー・・・」
冷たい林檎を私の口で溶かして、この愛するお方にさし上げるには、
汚れた匂いのままでは失礼・・・とはいえ私の股間もすっかり熱くなってしまっている・・・
「早く・・・早く愛し合いたい・・・だからこそ・・・するべき事を、慎重に・・・」