あの身のこなし・・・大きな鎧を身にまとっているとはいえ、ま・・まさか!?
「あの魔物、敵の能力を学習し模写する能力がありまして・・・」
「そうか・・・あのお方がトドメをささぬという事は、レンに任せたという事か」
1度剣を交えた以上は、責任を持って倒す・・・はず・・・だが・・・
脇に挟み込んだまま、こう着状態が続く・・・持久戦だとレンに分が悪いか・・・?
そういえば大戦中も、あのお方が魔王の体力を9割以上削ってから、
今にして思えば、それはわざとなのかも知れぬ、最後はやはりリーダーのセルフが仕留めるべきだと。
ならば、こうして魔物をレンに任せたのも合点が行く、普通の雑魚敵ではない、この国にとって最後の大ボスなのだからな。
「はっ、はいっ!ゲングラード教会の1級僧侶、シャクナと申します!」
「やや、なりませぬぞ!ハプニカ様と会話を許されるのは特級と上級僧侶のみ!話は私めが・・」
「ハプニカよ!このシャクナという僧侶が、スロトがハプニカの命を狙っていると申しておるぞ!!」
「いえ、違います!あのお方は人間でお城の兵士・・・そのお方です!!」
シャクナがまっすぐ指をさした、その先は・・・私のペンダント!!
「ムホッ?こんな小娘の戯言なぞ信じると言うのか!このスロトめより!」
「やっとわかった・・・シャクナの目を見ればわかるわ!皆よ、捕らえよ!!」
「・・・・・と、いうことは、今レンと闘っておるのは・・・!!」
レンに跳びかかるも反対側を向いた長槍の柄に兜がひっかかりクルッと回転する!
それをしめたと一気に長槍を反転し、前の見えぬトレオの鎧中央めがけ、一気に・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・突き刺した!!!
紛れもなく、間違いなく、血にまみれたあのお方の顔が・・・!!
「いやぁレンちゃん、ゆ、優勝・・・お、めで・・とう・・・強かった・よ・・・」
「ぇぇぇ・・・そんな・・・そ・・・そんな・・・ぇぇぇ・・・!?」
「ハプニカ様・・・ぶざまな姿をお見せした事をおわび申し上げます・・・
優勝したらプロポーズしようと思いましたが・・・ご覧のとおりです・・・
そのまま真横に倒れ、白目をむき・・・私の愛する人は・・・・・・死んだ。
「・・・アハ、アハ、ハーッハッハッハッハッハ!アハハハハハ・・・」
「ハプニカ?ハプニカ?おお、我が妻よ!どうしたというのだ!?」
「アハハハハハ!見ろ!見ろあれを!アーッハッハッハッハッハ!!!」
「ガッハッハ!憎きハプニカよ!我が主君・ジャイラフ様の仇、しかと討ったぞ!ムッホン!!」
「アハハハハハハハハハ!!なんとおかしい事か!私が愛したこのお方が!死んでしまったではないか!ハーハハハハハハ!!!」
魔物だと思いなぶり殺した相手が、私のこの世で一番愛する人だったとは!!
何も知らず、スロトにまんまと騙され、手を下してしまったではないか!ハハハ!!
「ハハハハハハハ!!私は馬鹿だ!愚か者だ!愛する人にまるで気付かぬとは!アハハハハハ!!!」
「落ち着くんだハプニカ!お前にはこの婚約者たる私がいるではないか!」
「アハハハハ!ヒャーッハッハッハッハ!ヒャハハハハハハハ!アヒャーーーハッハハハハハハハハハハハ!!!!!」
もうお終いだ!何もかも!私の恋も!この国の未来も!何もかも!
この世の終わりだ!私の終わりだ!もう生きてゆけぬ!アハハハハハハハハハハハハ!!!!!
「ハハハハハ!ハーハハハ!!ハハハハハハハハハ!!!!!ハハハ!!ハハハハハ!ハッハハハハハ!!!
ハッハッハッハッハッハッハ!!ヒャヒャヒャハハハハハハ!!!ハーーーーッハッハーーーーッ!ハハハハハ!!
アハッ!!アハアハアハハハハ!!!ハハハハハーーーッ!!ハハハヒャハハハヒャハハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
ハハ・・・ハハハ・・・・・ハハハハハ・・・・・・・・・ハ・・ハハ・・・ハハハハハ・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ハハ・・・・・ハ・・・ハ・・・・・
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