ぐいっ!!

 

「うわあ!!」

 

ガチャ!・バタン!!

 

危なかった、一瞬、扉が開いてしまった、

あわててまた閉めたけど・・・なんて恐ろしい攻撃なんだ!!

 

「もぉ・・・おにぃさまぁ・・・」

 

カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ・・・・・

 

「あ・・あ・・・あああああ!!!!!」

 

リズミカルな音が僕を精神的に追いつめる!

股間がズキン、ズキンと疼いてたまらない!!

で、でも、耐えるんだ!耐えて、必ず自由を手に入れるんだああ!!!

 

 

 

・・・うぅ、もうどのくらい時間が経ったのだろう?

隙間から挿し込む外の明かりがなんだか蛍光色になった気がする、

もう夕方過ぎ?夜?いや、まだ昼間なのか?腕時計でもつけていれば・・

 

「おにぃさまぁ」

 

甘い声が外から・・・

ん?こ、これは、おいしそうな匂いが・・・

 

「お食事作ってきたのお、食べてぇ」

 

ぐぅーーー・・・

 

お、おなかが鳴ってしまった・・・

 

「ね?おにぃさまぁ、お食事にしましょうよお」

 

う・・・た、食べたい・・・

 

「開けるねえ」

 

ぐいっ!とクローゼットに開く力が加わる!

それをぐっとこらえる僕!あ、開けさせてなるものか!

 

「おにいさまあ、どうしたのお?ごはんだよお」

「ほ、ほっといてくれっっ!!」

 

ぐきゅるうううーーー・・・

 

「おなか鳴ってますよぉ、ちょっと休憩しましょうよお」

「きゅ、休憩?」

「そうですう、くすぐったりしませんからぁ・・・」

 

休憩・・・一時休戦かあ・・・

い、いや!騙されちゃ駄目だ!

これは絶対罠だ!くすぐられたら、次くすぐられたらもう終わりなんだ!

 

「い、いいよ!三久ちゃんだけで食べてよ!」

「えー?有人おにいさまと食べたいのお、ねえ」

「いいから!ほっといて!あっち行って!!」

 

・・・静かになる室内。

おいしそうな匂いだけが隙間から入ってくる・・・

 

「・・・おにいさまあ、三久、ほんとうにおにいさまが・・好きなんですう」

「う、うう、うそばっかり!!」

「本当です!!本当に・・おにいさまが・・おにいちゃんができたみたいで嬉しかったし・・・

ずっと、ずっと憧れてたし・・好きでないと・・・三久、好きな人でないと、あんなことしないもん!」

 

悲しげな声だ・・・

 

「おにいさまが来て・・本当に嬉しかったの・・それまでは・・

三久、本当に心から嬉しかった事って、ずいぶんなかったの・・

パパもママもほとんど三久の相手してくれないし・・お姉様たちも・・」

 

う、涙声になってきたぞ・・

 

「三久、みんなの前では笑うしかなかったんだもん!

だって、だって、そうしないと、耐えられない・・んだもん・・・

変なおじちゃんたちにいっぱい体中さわられて・・あそこに入れられて・・・

それでも、笑ってなくちゃって・・でも、おじちゃんたち、本当に、

三久のこと好きな人っていなかった!三久だって、気持ち良くなんてなかったし、

でも、気持ちいいって言わなきゃって・・好きでもないおじちゃんに、もう、

されるのは嫌ぁ・・おにいちゃん、お願い・・三久を・・・助けて・・・」

 

悲痛な叫びだ・・・

やっぱり三久ちゃんまでも、

家を守るために、幼い体を・・・

 

「ぐすん・・・ぐすん・・・えーーーーーーん・・・」

 

あーあ、泣き出しちゃった・・・

まだ13歳だもん・・可哀相すぎる・・・

助けてあげたいけど・・でも、助けて欲しいためにやってた事・・?

僕をくすぐり調教したのは、やっぱり捕えて裕福になり、体をこれ以上汚さないため?

じゃあ、やっぱり愛なんてないじゃないか・・・同情でほだされてたまるか!!

 

「おにいさまあ、好き、好きぃ・・・」

 

もう信じないぞ!

 

「ねえ、何も言ってくれないのお?本当に好きなの、

だから、おにいさまに助けて欲しいのお、おねがいぃ・・・」

 

クローゼットに貼り付く三久ちゃん・・・

ぐじゅぐじゅ泣きながら懇願してくる・・・

でも、でも僕はもう何も答えない・・何も言えない。

 

「おにいさまは違ったもん、三久、おにいさまには本当の笑顔になれたし、

おにいさまにしてもらったのが、今までで一番気持ち良かったもん!!!

おにいさまをくすぐっている時も、今までで一番ぞくぞくして気持ちよかった!

おにいさまは三久の一番好きな王子様なんだもん!本当だもん!好きだもん!

おにいさまのためなら、三久、三久、何だってするから、だから・・結婚してえ・・・」

 

うう、僕までもらい泣きしてしまいそうだ、

どうしよう、情にほだされてしまっている・・・

たった1週間足らずでも、あれだけ一緒にいて、

くすぐられ続けたり、Hなことをされたんだから、

感情移入してしまうのはしごく当然のことだ、でも・・・

 

「・・・・・三久ちゃんごめん、その想いには、応えられない」

「いやぁ!三久は、三久は有人おにいさまと、結婚したいのお!!」

「資金援助については、うちのじいちゃんによーくお願いしておくから・・」

「そんなんじゃないの!!おにいさまが欲しいのお!おにいさまの愛が欲しいのお!!」

「・・・愛は、三久ちゃんが本当に結ばれるべき相手から、もらって欲しい・・」

「おにいさま、愛くれたもん!三久、おにいさまの愛、いっぱい感じたもん!」

「あ、あれは・・・単なる肉欲だよ、快感に操られていただけだよ!!」

「おにいさまあ・・三久、好きだからしたのにぃ・・おじちゃん相手みたいにいやいやじゃないよお」

 

・・・これいじょう小悪魔の声に耳を貸すのはよそう、

僕の心が揺らいじゃうから・・もう、黙って、とにかく朝まで踏ん張ろう。

 

「おにいさまあ、好きぃ、だあいすきぃ・・・」

 

 

 

・・・・・もう夜中かな?

多分そうだろう、僕は汗をたらしながらまだ頑張っている、

相変わらず気が抜けない、なぜならば・・・

 

ぐいっっ!!

 

ま、まただ!!

シーンとしていても、

ふいにすごい勢いで扉が引っ張られる!

ずっと三久ちゃんが貼り付いているんだろう、

ランダムに引っ張られちゃうから一瞬も油断できないい!!

 

「・・・ぅ、トイレ行きたい・・・」

「おにいさま!トイレですかあ?休戦しますう?」

「い、いや、いい・・」

「んっと・・じゃあ花瓶入れましょうかあ?」

「う・・・いいよ!受け取ろうと開けた瞬間捕まったら・・嫌だから」

「じゃあ三久、10分ぐらい外へ出てますねえ」

「え?ほ、本当?」

「はあい、嘘はつきません!」

「本当に本当に本当?」

「じゃあ行ってきまあす!」

 

・・・ガチャ!

 

三久ちゃんの部屋のドアが開く音がして・・・

 

タッタッタ・・トントントントントン・・・・・

 

廊下を歩き、階段を降りるリズミカルな音が!

ほっ、本当に降りて行った?三久ちゃんが??

大丈夫・・・かな?10分しかないなら早く出ないと・・

・・・でも罠かも?階段を降りた所で捕まえるという・・・

ならこの部屋で、それこそ花瓶に出すとか?そうだ、

一瞬外へ出て、花瓶か何かを取ってまた本へ戻れば、

ここでだってできる・・そうと決まれば早く!三久ちゃんが戻る前に!

 

・・・で、でも、開けられない・・こ、恐い!

開けるのが恐い、三久ちゃんはせっかく下に降りたというのに、

ずっと扉を引っ張っていたから・・いざ手を放そうとすると、たまらない不安感が!

これも三久ちゃんを本気で恐れているから、くすぐり中毒で心身ともに食い尽くされるのを、

本当に恐がっているから・・うう、せっかくのチャンスなのに、せっかくの・・まだ戻ってきてない、今のうちにい!

 

ぐいっっっ!!!!!

 

「えええっっ!?!?!?」

 

ひときわ強い、クローゼットの扉を引く力!

な、何?何があったんだ?扉が少し開いた!眩しい!

三久ちゃんの顔が!やばい!渾身の力で扉を思いっきり閉める!!

 

バタン!!

 

ひ、ひ、ひい!

あぶなかったあああ!!

なんで?三久ちゃん、下へ降りて行ってはずなのに!?

 

「もう・・・あーあ」

「三久ちゃん!降りたんじゃあ!?」

「おにいさまあ、もう出て来てよお・・・」

 

やっぱり罠だった・・・

す、少しちびっちゃったかも!?

さっき、確かに階段を降りて行く軽い音が・・・

 

「ひょっとして、他に誰かいるの!?」

「もう!おにいさま!早く出てこないと許さないんだから!!」

 

バン!バン!

 

「う、うわ!そんなにたたかないで!」

「出てこないとくすぐりで殺しちゃうんだから!!」

「殺すって、三久ちゃんそんな言葉使っちゃ・・」

 

バン!バン!バン!バン!バン!バン!

 

きゅ、急にヒステリックになった!

これが、ひょっとして本性、なのか!?

 

グラグラグラグラグラ・・

 

「揺らさないで!あ、あぶないよっ!わわっ!!」

 

「おにいさま!今、出てきたら最高に気持ち良くくすぐってあげますう、

でも、まだ出ないんだったら、くすぐりすぎて殺しちゃいますからあ!!!」

「おちついて!三久ちゃん!おちついて!」

「おにいさま、朝になって、どうやって出るつもりですかあ?

三久、新体操やってるんですよお、出たらすぐに捕まえて、くすぐり殺しちゃうんだからあ!」

 

ドカ!ドカ!ドカ!

 

蹴ってる!すごい勢いで乱暴に!

こんな子だったなんて、ショックだ!!

思うようにならないと、こんなに豹変しちゃうなんて・・・

結婚なんてしたら、とんでもない暴力妻になってしまうかも?

これはますます出られない!三久ちゃん、逆効果な事を・・・!!

 

「今、出たら許してあげます!さあ、すぐ出てください!!」

「う、い、いやだ」

「逃げられると思ってるんですか?もう、逃げられないんだから!!」

 

恐い・・ち、ちびっちゃう!おしっこ漏れちゃう!

どうしよう、ぶるぶる体も震えてきている、我慢できないかも・・・

はっ!まさか三久ちゃん、これを計算してわざと乱暴を?いや、まさか・・

 

バンバン!バンバンバン!

 

三久ちゃんの一瞬見えた顔・・

まさに小悪魔だった・・もう信じないぞ!

こんな恐い女の餌食に誰がなってなるものか!!

 

ぐいっ!ぐいっ!ぐいっ!

 

「くそ!くそ!耐えてみせるぞ!」

「おにいさま、おにいさまは絶対、三久と結婚するんだからあ!!」

 

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