☆巨乳のえじき☆
落ち着いた感じの一美さんの部屋、
なんだかとってもいい匂いがする。
きちんと説明すれば一美さんはわかってくれるはずだ、
なにせ大人の女性なのだから。
そう考えると僕の脳裏に急にあの大きすぎる胸が浮かんで少し赤面した。
ガチャッ
ドアが開き、一美さんが入ってきた。
まだ洋服のまま、これからお風呂に入ろうというところなのだろう、
腕には真っ白なエプロンを折りたたんでいる。
「あ、有人さま・・・いらしてくださったのですね・・・」
一美さんの笑顔が花開いた。
「うん・・・い、いや、実は話があって・・・」
「私も有人さまにお話したいことがたくさんありますわ」
「待って、まずは僕の話を・・・」
「そうですわね・・・あ、紅茶入れますね」
部屋にある小さな電気ポットから、
2つのカップにお湯を注ぎ紅茶を作る。
「どうぞ」
「あ、はい、いただきます・・・」
出された紅茶を飲む僕、
それをにこにこ見つめる一美さん。
「熱いから気をつけてくださいね」
「はい・・・あ、おいしい・・・」
紅茶を飲みながら考える、
さて、どう話そうかと・・・
「有人さま、その・・・私でいいんですよね?」
本当に嬉しそうに確認をとろうとする一美さん、
少し気の毒だ。
でも、仕方ないことなんだ、これ以上変に期待させる訳にはいかない。
「一美さん、そのことなんだけど、実は・・・」
ぼくは一美さんに、自分の今の正直な気持ちを話した。
自分の家の敷かれたレールを走らされたくないこと、
自由に生きたい、そのためにじいちゃんから今回の提案を受けたこと、
もちろん誰とも結婚するつもりはなく、1週間ここにいたらすぐ出て行くということ。
一美さんは僕の話を、ただ黙って聞き続ける。
けげんそうな顔ひとつせず、ただにこにこ微笑んで僕の言葉を聞いてくれている。
僕は誠心誠意、自分の思っていることを話し、
最後に「期待を裏切るようで本当にごめんなさい・・・」と言って、
紅茶の残りをぐいと飲み干した。
しばしの静寂のあと、
一美さんが静かに口を開いた。
「・・・羨ましいですわ・・・」
そう言うと、綺麗な薄紅の唇を紅茶のカップにつけ、
湿らせ程度でカップを置き、一息ついて語りだした。
「私には、この家から離れるなんて考えられないもの・・・」
悲しげな目を伏せる一美さん。
「有人さまの考えも大変ご立派だと思います、
でも私には、そういうことを考える余裕もなかった・・・
私、この家を守ることで、精いっぱいだったんです」
僕の空のカップを取り上げ、
再び紅茶を注ぐ。
「父は・・・それほどの名家ではありませんでした。
一応、菱大路グループの傘下でうちよりお金はあったけど・・・
実際は財産なんてグループ内では微々たるもの、
そんな父をこの家の一人娘だった母が一目ぼれして、強引に結婚したそうです」
そうだったんだ・・・政略結婚ではなく、美麗家が恋愛結婚してたなんて、
聞いていた話とはずいぶん違う。
「そのつけはすぐにやってきました、
数少ない資金はすぐに底をつき、父も母も私たちを育てながら、
ひっきりなしに働いていました。
菱大路様の援助があるとはいえ、それと合わせてぎりぎり・・・
この20年で菱大路様への借金は膨大な額になってしまいました」
ずいぶん深刻な状況なんだ、
すごく明るい姉妹だと思っていたのに・・・
明るく振舞っていないと、耐え切れないのだろう。
「でも、父も母もずっと幸せそうでした、
たとえどんなに周りが反対した小さな家同士の結婚でも、
愛さえあればなんとか乗り切れる・・・だから今日までなんとかもってきたのだと思います」
確かにこの世界は資金がモノをいう、
そのために政略結婚は大事なビジネスの一つだ、
そもそも美麗家はそれで代々成り上がってきた家だと聞いている。
金持ちの名家の子をたぶらかして取り込み大きくなっていく・・・
それをはじめて破ったのが一美さんの御両親なのだろう。
「しかし、それももう限界にきているようです、
ここのところの不況で父も母もめったに帰ってこれなくなりました、
私自身もこの家を助けるために、いろいろしてきましたわ、
そう、この体を武器にして・・・」
一美さんの顔がよりいっそう、暗くなった。
「資金を集めるために、たくさんの男の人に抱かれました・・・
ううん、男の人といっても、いやらしい年寄りや、
汚らしいおじさんばかり・・・抱かれたなんてものじゃない、
ひっきりなしに犯されたわ・・・」
だめだ、一美さんの顔を見れない・・・
この家を守るために、そんなことになっていたなんて・・・
「何度も何度も犯されて・・・でも生活は全然楽にならなくって・・・
だからもっともっと犯されなくっちゃならなくなって・・・
避妊する暇も、避妊薬を先にも後にも使うお金すらなくなって・・・
やがて私、妊娠して・・・おろして・・・妊娠して・・・おろして・・・」
涙声でふるえる一美さん。
僕は正直、ここから逃げ出したい気分だ。
「私のおなかはボロボロで・・・もう、赤ちゃんができるかどうかもわからないの・・・
もしできたとしても、次、おろせば・・・一生、産めないからだに・・・」
涙をぽろぽろこぼす。
僕もなんだか目頭が熱くなってきた。
「だから・・・だから、今回の有人さまのことを聞いたとき、
正直、嬉しかった・・・だって、有人さまって、他のおにいさま方と違って、
やさしいって有名なんですよ、本当、私たちになんて、手の届かない、
夢のようなあこがれの人・・・あの菱大路家の御子息様なんですもの、
ただ、莫大なお金のことじゃなくって、人としても・・・
確かにそれで父や母が楽になれる、家族揃って笑顔になれるってこともあるんですけど、
素直に、ああ、私もこれで、やっと幸せになれるかもしれない、
私が選ばれなくても有人さまがいてくれれば、幸せな家庭が・・・」
一美さんはそのまま言葉をつまらせてしまった。
どうしよう・・・そんなに、僕のことを期待していたなんて・・・
だからこそ、じいちゃんは僕をここの家の娘達ちと婚約させたのだろう。
「・・・有人さまは私たちにとって、幸せの青い鳥なんです、
私たちに残された最後のチャンス・・・それが有人さまとの結婚・・・」
あれ?おかしいぞ・・・さっきからなんだか寒気がする・・・
というよりも、ぼくの体の力が抜けて・・・
なんというか・・・しびれるような感覚だ・・・
「・・・・・私はその残された最後のチャンスを必ず手に入れるつもりです、
そう、どんなことをしてでも・・・ね、有人さま・・・」
あああ・・・意識も・・・遠くなって・・い・・・くぅ・・・・・
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めくる |