魅衣「あらおはようございます、お風呂に入っていらしたのですね」

僕「うん、おはよう・・・あ、いい匂い・・・」

魅衣「今朝は魚をグリルで・・・調理器具が揃っていて、作るのも楽しいですわ」

 

キッチンに揃った美味しそうな料理・・・

主に食事は魅衣さんが準備してくれる、

いないときはあいさん、たまにマイさんがごく簡単なものを作ってくれるけど・・・

 

僕「魅衣さんのおかげでほんと、毎日のご飯が楽しみになりました」

魅衣「嬉しいですわ、材料も毎日ふんだんで、腕によりをかける甲斐がありますから」

マイ「うい〜っす・・・腹めっちゃ減った・・・食ってすぐ寝っから」

僕「あいさんは二度寝しちゃったみたいですけど、起こしますか?」

マイ「あ、あたしと入れ替わりで風呂に入ったよ?もうちょいしたら出てくるっしょ」

 

って、マイさんショーツは履いてるけど上はトップレス!

バスタオル肩にかけて・・・せめてTシャツくらいは着てくれないと!!

 

僕「マイさん、ふ、服は・・・」

マイ「なーに今更・・このままエプロンつけたほうが燃えるってか?」

僕「そういう話じゃなくって・・・百歩譲ってブラくらいは・・・」

マイ「はいはい着てくりゃいーんでしょ着てくりゃ・・・」

魅衣「では先にいただきましょう、私もしばらくしたら仕事に出ないといけませんので」

 

席について美味しい美味しい朝食をいただく・・・

ご飯をよそってもらうと、なんだか新婚さんみたいだ。

 

僕「いただきます・・ん・・・赤だしのお味噌汁、これだけで目が覚めるよ」

 

魅衣さんは声優事務所を辞めた時に色々あったみたいだ、聞き難い事だしあまり詳しく教えてはくれないけど、

ネットの噂だと何でも有名なアニメ作品の劇場版で主要キャラの声をあてる事になったまでは良いものの、

どうやら魅衣さん得意の枕営業かなんかで無理に役を奪ったため、テレビ版本来の声をあてていた、

お局様的な声優さんを激怒させ、干されたらしい・・・まあ実力で勝ち取った可能性もあるし、その映画の監督さんが

本気で魅衣さんを育てたかったのかも知れないが、魅衣さんなら悪い噂通りでもおかしくはない・・・体感してるだけに。

 

僕「あれ?サラダにドレッシングはかけないの?」

魅衣「私は喉に刺激のあるものは避けますから、低脂肪マヨネーズだけで十分ですわ」

僕「大変なんだね、夜もボイストレーニングとかしてたし」

 

結局、その事務所もいられなくなり、色々と次の所属先を探した結果、

俳優の事務所に入ってそこそこ仕事を貰ってるみたいだ、アニメは当分やれないらしいから、

テレビ番組の声あて・・・しかもギャラの安いローカル局とか開局したばかりの衛星放送BS21とかでナレーションや、

海外番組の吹き替えを・・・いかにも安く買い叩いたような、やっすい台湾ドラマとかロシアの鉄道旅行記とか。

一体誰が見てるんだ?と思うような番組だからこそ目立たなくていいのかも知れない、ほとぼりが冷めるまでは・・・。

 

僕「そういえばテレビに出演もするんでしたっけ」

魅衣「はい、CSの通信販売番組でアシスタントを、レギュラーで」

僕「へー、じゃあタイミングが合えばチェックするよ」

 

とたとたとた・・・

 

マイ「魅衣っちーーー」

僕「わ!それ僕のジャージ着て!!」

マイ「ほい電話、鳴ってる鳴ってる」

魅衣「あら何でしょう・・・もしもし?はい、はい・・・まあ・・・」

あい「おはよう、シャワーだけで済ませてきたわ」

 

これでみんな揃った・・・魅衣さんは電話を終わらせたようだ。

 

魅衣「今日の収録が明日に延期してしまいましたの」

マイ「じゃー魅衣っち今日、休み?」

魅衣「そうですわね、一応、待機という事にはなっていますが・・・」

あい「そうそう、君のお布団、干してあるからね・・・ではいただきます」

僕「あ、ありがとう・・・今日は一日中天気が良さそうだね」

 

そういえば、あれからネットゲーム全然やってないなあ・・・

現実世界のサキュバス三人を相手してて、ほんっとに、する暇が無い。

 

魅衣「では今日は、お買い物に行きたいのですが・・・」

あい「私は残って掃除やってるね、洗濯も溜まってるし」

マイ「あたしはもう寝るよ、寝らんなかった分、ぐうぐう寝てやる」

魅衣「では2人で行きましょう!運転させてくださいね」

僕「え、僕と?まあ、別にいいけど・・・買うものは、ほどほどにね」

 

そう、3人もお姉さんがいると、

食費だけでも結構かかるんだよなあ、

さらに消耗品も・・・メイド兼恋人だから仕方ないけど。

 

魅衣「では食べ終えたら早速・・・あいちゃん食器洗いお願いね」

 

こうして食後、兄の置いていった車でデパートへ買い物に出かけたのだった。

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

買い物を終えたお昼、一緒にランチを食べる・・・なぜか豪勢なフレンチレストランだ。

 

僕「その・・・いいのかなあ、僕たちだけで」

魅衣「ええ、マイちゃんは熟睡中でしょうし、あいちゃんも夜勤に備えての時差調整でしょうから」

僕「あと、今日買ったものも・・・全部、魅衣さんが出してくれて、よかったんですか!?」

 

あ、お昼なのにワインが・・・と思ったらぶどうジュースか、そうだよな車だし。

 

魅衣「ええ、たまには還元いたしませんと・・・では乾杯」

 

チン、とグラスを軽く合わせられた、

お昼なのに・・・これが夜なら完全にデートの流れだよな。

 

僕「やっぱり育ちが違うや、こういう所ってまず来ないから・・・」

魅衣「実は私も本当は・・・でも、アイドル声優を少しだけやらせていただいていた頃、仕方なく」

僕「どうして?・・・あ、そっか、追っかけとかは確かにこういうお店は入ってこれないか」

 

ちゃんと対策を考えているんだなぁ・・・

ジュースの飲み方も上品だ、チキンソテーの切り方も・・・

こんなに綺麗なお嬢様してるのに、中は・・・中とは内面と、あと、胸の、その・・・・・

 

魅衣「まあ、そんな所をみて・・・ふふ」

僕「え?いや、チキンの切り方が上手だなーって」

魅衣「もう少し視線が上でしたわ?」

僕「その、ネックレスのチェーン、細いなーって」

魅衣「それよりも、もう少し下を見てらしたかと」

 

う・・・鋭い、細かいなぁ・・・

 

魅衣「わかりましたわ」

僕「な、なにが・・・んっぐ!喉にちょっと、ブロッコリーが・・・」

魅衣「では急いで食べましょう、デザートも、もう運んで来ていただいた方が良いですわね」

 

わ!素早く食べる仕草も上品・・・

僕も汚らしくならない程度に急いで食べよう!

 

もどる めくる