今度は両手で先生の肩をもむ・・・  硬い・・・やっぱりこれだけ大きな髪の毛をかかえていると、  こるはずだ・・・あれ?先生、何か真剣に考え事してるみたいぞ・・・  いつもの通り、先生の目は外からは前髪に隠れていて見えないものの、  そのじーっと考え事をしている様子は僕には気配でわかる・・・ 「・・・・・・・・・・」  「先生、どうしたんですか?」  「信じていいのね」  「はい?」  「私は信じたわよ」    僕が肩をもんでいるのも構わず突如、くるりと振り返り、  口元が微笑むと、僕の頭を抱き、おもむろに唇を重ねた・・・!!    「!!!ん・・・んぐ・・・せんせ・・・んん・・・」  「・・・・・んふ・・・ん・・・じゅる・・・・・」    舌が入ってきた・・・  きょ、強烈な深いキス・・・  互いの口から唾液が漏れ出す・・・すごい・・・  あ、頭がくらくらする・・・僕のファーストキス・・・  キ、キスってこんなにすごいものだったんだぁ・・・舌がとろけちゃうぅ・・・    「・・・・・・・・・・ぶはぁ」  「・・・・・せんせぇ・・・」  「かわいいわ、あなた・・・本気になっちゃった」  「そ、その、先生・・・」  「あなたのプロポーズ、しっかり受けたわよ、頑張ってね」    こぼれた涎を白衣の袖で拭きながら、  くるりと僕に背を向けて机の方へと体の向きを戻した、  僕はただ呆然とその婆で立ち尽くしていた・・・・・    「さ、肩もんで、続き続き」  「あ・・・・・は、はい」    僕は再び永井先生の肩に手をかけた、  びっくりしたぁ・・・突然、先生に唇を奪われた・・・  ぼ、僕が軽く言ったなにげない言葉を、  ほ、ほほ、本気にして、マジでプロポーズと受け取ったのだろうか?  け、けけ、けけけけけっこん!?先生と!!???    僕はパニックに陥りながらも、  懸命に先生の肩をもんだ、  ま、まさかこんなことになろうとは・・・・・  胸がドキドキ、鼓動が高まって止まらない、  足が少し震えている・・・あ、汗も出てきた・・・    「あら?もうこんな時間ね、そろそろ戻らないと駄目よ」  「・・・・・は、はい、わかり・・・ました」    僕は照れくささと恥ずかしさでしどろもどろになりながら、  先生から離れて保健室のドアに近づく。    「・・・ねえ、今日も放課後、来るんでしょ?」  「は、はいぃ、その、き、来ます・・・」  「そう、待ってるわよ」  「し、失礼します!」 「またね」    僕は逃げるように保健室を後にした、  永井先生とこんなことになるなんて・・・  僕はまだ頭の整理がつかないまま、自分の教室へ向かった。 

♪キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン    放課後の鐘が鳴った、  午後の授業が永井先生のことで頭が一杯で、  授業なんてちっとも身に入らなかった・・・    永井先生・・・ぼ、僕をからかったのだろうか?  でも、あんなキス・・・すごかった・・・まだ後味が口に残ってる・・・  ほ、本気で僕と、け、けけけ、けっこんを・・・考えて!?  と、とにかく先生に会いに行こう、  そして・・・ま、またおしゃべりしよう・・・    ガラッ    保健室のドアを開ける、  中には・・・誰もいない、  あいかわらずコポコポとストーブにお湯がかけられているだけで、  永井先生の席はぽっかり開いている・・・あれ?  ベットの方、3つあるうち一番奥、カーテンが閉まってるぞ?    ひょっとしたら永井先生が休んでるのかもしれない、  僕はそーっと近づいてベットのカーテンの隙間を覗いた、  そこには・・・・・・・・・・ 

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