「・・・どうしたの?こんな所に立ったままで」 「その、先生、その・・・」 「・・・とにかく入って。今、寝てる生徒がいるんだから静かにね」   僕はパイプ椅子を先生の机の前に置いて座る、 先生もそれに向かい合って座る・・なんだか尋問みたいな感じだ、 でも言わなきゃいけない、言わなきゃ・・・怖いけど、怒られるけど、でも・・!!   「・・・・・ちょっと待ってね」   引き出しから新しいノートを出すとペンで書き始めた。   『どうしたの?何があったの?』   僕は何とも言えない気持ちになった、 先生は僕が他人に聞かれるとまずい告白をする事を察知し、 寝てる生徒に気付かれないように筆談を・・こんなにするどい先生を・・・ 僕は・・・僕は、騙し通せるのだろうか・・・で、でも、やるしか・・・・・ない!! 鉛筆を手にとり、となりのページに反対側のまま文字を書く、先生には逆さに見えるけど・・・   『先生・・・ごめんなさい、約束をやぶりました』   キッ、と口元が引き締まる先生!   『・・・何を破ったの?』   また震え出した腕を押さえつつ返事を書く。   『ボッキしちゃって今もボッキしたままです』   そう、先生の「勃起しない事」っていう約束を破ったばかりに、 勃起がまったく治まらない・・先生はそれを知ってて約束させたのだろう、 つまり、勃起するような事をするとばれるから、浮気はするなっていう・・・   『どうして勃起したの?』   強い筆圧の文字だ、やっぱり、怒ってる・・・   『ごめんなさいごめんなさい』   すると大きな文字で・・・   『理由は?』   う、り、理由は・・・   『髪の長い女の子見て永井先生を思い出したら』   そこまで書いて手が止まった、これ以上書けないっ! ぽたっ、と涙がノートに落ちた、僕の目頭が熱くなっていつのまにか・・ うぅ、駄目かなこんな言い訳・・嘘だし・・でも、こうでも言わないとっっ!!   ・・・・・・・・・・10秒くらい間が空いて先生が書いた文字は・・・   『仕方ないわね、そういう事なら許します』   ・・・・・ほっ! 良かったぁぁ〜〜〜・・と机にうつ伏せで倒れる! しかしその耳にまだペンで何か書く音が!慌てて見ると・・   『そのかわり髪の毛はまだ当分入れ続けますからそのつもりで』   ・・・・・しょうがない、それで済んで良かった良かった。鉛筆を走らせる。   『わかりました、本当にごめんなさい』   安心して涙がボロボロ出ちゃう・・・ それをやさしくタオルで拭きとってくれる先生・・ だいぶ落ち着いてきた僕へさらにペンで文字を連ねた。   『では今から入れましょう、声は絶対出さない事』   ええっ!? くるりと回って僕の前にしゃがむ先生! 生徒が寝てるのに、こ、ここで?誰か入ってきたら・・って鍵はかけてあるか・・

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