☆18禁裏小説7☆
「どうか、このアバンスに残ってはもらえませんか?」
「私とともに・・・ガルデスの城で暮らそうぞ」
またそうやって結論を急がせる・・・
「ちょっと待ってください、俺、そんなこと急に言われても・・・
とりあえずは荷物がガルデス城にあるのでとっちへ戻ります、
・・・・・あとのことは・・・ゆっくり決めます」
その言葉に嬉しそうな顔のハプニカ様。
「それでは帰ろうか、ガルデスに」
「はい、セルフ様、それでは失礼します」
セルフ様は仕方ないな、という漢字で頬杖をつき、
去ろうとする俺に声をかける。
「いつでもあなたを迎え入れる準備はできてますから、
この国はあなたの第2の故郷だと思ってかまいませんよ」
「・・・ありがとうございます」
「それと、ひと月働いてくれたお礼を・・・」
「いえ、旅前にいただいたお金がたくさん残っていますので、それで結構です」
「そうですか?じゃあ、あとで改めてガルデス城に届させましょう」
そう話してる最中にもかかわらず、
ハプニカ様は強引に俺を連れ出すのだった。
「セルフ殿、ではな、近いうちにまた会おう」
「あ・・・セルフ様、それでは・・・わっ、わっ」
「さ、日が暮れぬうちに早く!」
あわただしく俺とハプニカは謁見室から出ていった、
セルフ様の王妃・リューム様がセルフに話し掛ける。
「ハプニカ様も必死ね、多分、もう彼はここには来れないわ」
「どうして?」
「次ぎに会う時は、2人の結婚式ね」
「えっ!?あの2人、そうだったの?」
「彼は別としてもハプニカ様はね・・・ふふふ」
「リューム、君、知っていたのか?」
「男の人は戦争中はそういうことに鈍感だから」
城の窓から外を見たセルフの目には、
逃げるように飛び去る、2人を乗せた白竜が見えた・・・・・
白竜がガルデス城を目指しびゅんびゅん飛ぶ、
太陽もそろそろ暮れようとしている・・・
いくら白竜が速いといっても往復で半日もかかってしまった、
ちょっと散歩に出るつもりだったのに、
セルフ様への報告という最後の仕事を済ませてしまい、俺は・・・フリーになった。
「今夜はそなたのために豪華なごちそうが用意されておる、
私の親衛隊、あの4姉妹が力を合わせて作るとっておきの料理だ、
おなかをすかしているであろう、すぐに戻るのでもう少し待ってくれ」
手綱で竜に気合いをつけると、
さらに白竜は加速し、日が山にかかる頃には、
ガルデスの城が見えてきた・・・夕日に照らされたガルデスシティ、綺麗だ。
・・・あれ?あれは何だろう?
ガルデス城のとなりにある、まるいの・・・あ、闘技場か。
よく見ると、少し離れた所にもいくつか・・・3、4、5、
5つの闘技場が十字に・・・いや、サイコロの「5の目」のように並んでいる、
あんなに闘技場があるのか・・・やはり竜に乗ったりして闘うのだろうか?
「ハプニカ様、闘技場が多いですね」
「ああ、城の庭に1つ闘技場がある、他にあと4つ、
東西南北に・・・その4つの闘技場では1個所につきに5つステージがある、
1度に5試合同時に戦闘が行える闘技場が4つ・・・我が国の自慢の1つだ」
「すごいですね、じゃあ4×5で20試合同時に行えますね」
「城の中央闘技場を合わせて21試合だ、それでも足りぬ時がある」
白竜が高度を下げだした、
闘技場がだんだんはっきりわかるようになる・・・
どこも何やら準備をしているようだ、あわただしく人の豆粒が動いている。
「実は我が国伝統の闘技トーナメントが復活することになってな・・・
明日は予選、明後日はいよいよ本選が行われる、私も楽しみにしている」
「トーナメントですか、面白そうですね」
「ああ、予選は見るに足りんが本選は迫力がある、
私も明後日は中央闘技場で1日中観戦するつもりだ・・・
どうだ?よければもうしばらくここに滞在して見ていかぬか?」
「面白そうですね、やはり竜に乗っての戦闘ですか?」
「いや、純粋な剣の腕を見たくてな、竜から降りての闘いだが・・・」
闘技トーナメントか、
なんかわくわくしてきた。
「わかりました、トーナメントが終わるまでは、お邪魔させていただきます」
「そうか、嬉しいぞ・・・ではトーナメントが終わったら・・・」
「・・・終わったら?」
「その・・・できれば返事を聞かせてほしい・・・私の・・こととか・・・」
「・・・わかりました、それまでには何らかの答えを出せるように・・・考えます」
白竜はゆっくりと減速し、
ガルデス城に降り立った、
城の傭兵がずっと待っていたようだ。
「おかえりなさいませっ、女王様っ!」
「ご苦労」
「すでのご夕食の用意ができておりますっ!!」
「さ、行くぞ、今日はめでたい、宴のようなものだ」
白竜から降りると、
ハプニカ様は傭兵が手に持つ籠の中にある、
山盛りの林檎を3つばかりつかみ、白竜の頭めがけてぽいぽいと投げた。
しゅるっ、ぱくっ、ぱくっ、ぱくっ、
白竜は器用にそれを舌でキャッチすると、
おいしそうにそれを飲み込む・・・見ていてなんだか面白い。
「白竜よ、ご苦労であった・・・さ、我々も食事だ」
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めくる |