☆18禁裏小説7☆
「いらっしゃい」
「すいません、宿を・・・」
「まあ珍しい、この時期にお客さんなんて」
「そうなんですか?おばさん」
「ああ、もう寒くなってきたからね、みんな天馬でひとっとびさ」
「実は俺、行きも利用させてもらったんです、半年ぐらい前に」
「おやおやそれはありがとう、で、1人かい?」
「はい、それで一泊なんですが・・・あ!」
そうだ、お金・・・!
俺、お金持ってない・・・
そういえば、早く旅立ちたい、綺麗サッパリ出て行きたいと、
金目のプレゼントは全部返した、受け取れるわけないし・・・
かといって俺の持ち金は、さかのぼればあのトーナメントでシャクナさんに全部支払った、
今、持っている物で金になりそうなのは・・・な、ないよな、モアスのメダルももうないし・・・
どうしよう・・・かといってこんな寒い場所で野宿はつらい・・・ここは一軒家だし・・・
「どうしたんだい?」
「実は・・・お金がなくなっちゃって・・あの、働かせてもらえませんか?」
「働くってあんた、客はいないよ」
「そ、そうですか、でも、その、何か・・・」
「うちも商売厳しいから、1日だけでも雇えないよ」
「う・・・どうしよう」
「出来ることなら親切で泊めてあげたいけど、うちは宿屋だからね、それはどうしてもできないんだよ」
「わ、わかりました、ごめんなさい・・・」
「こちらこそごめんよ・・・そうだ、確かいらなくなった毛布が・・・」
ガチャッ
「すみません、今夜、宿の方を用意していただけますでしょうか?」
「人数はー、4人ですー、1部屋で泊まれますかー?」
「うー寒い・・・あ!偶然だなぁ、また会っちゃったよ」
「会えて嬉しいですぅ、あれぇ?どうしたんですかぁ?困ってませんかぁ?」
よ、よんしまい・・・はかったな・・・!!
「おやおや、嬉しいねえ、お客さんが4人も!」
「あの、ご婦人、あの男の方はどうなされたのですか?」
「いやねぇ、お金がなくって泊まれないんですって」
「まー、それは大変ですー」
「じゃ、これも何かの縁だからさ、おごってやるよ」
「私たちでぇ、お金を出しますぅ」
そ、そんな展開!?
「おやまあ、いいのかい?ちょっとそこのあんた、喜びなよ!」
「いかがでしょうか?外は非常に寒いと思いますが」
「風邪でもひいたらー、大変ですー」
「このへん、ぶっそうだぜ、遠慮することないよ」
「そうですぅ、あ、お部屋はちゃんと別々にしますねぇ」
やられた・・・うーん
「その、おばさん、お客さんが来たんだし、働くってことは・・・」
「はっ!あなた様たちは、ま、まさか、ハプニカ王妃様の、親衛隊じゃあ!?」
「いえ、もう親衛隊は脱退しました、今はただの旅娘です」
「やっぱり・・・お、恐れ多い!お金をいただくなんて!!」
「いえー、ですからもうやめましたからー、はいー、5人分ー」
「しかし、まあ・・・なんてことでしょう!!」
「気にすることないよ、この宿だって苦しいんだろ?もらってよ」
「いいんですか?では、ありがたく・・・」
「サービスもぉ、普通でいいですからぁ」
おばさん、4姉妹の正体に気づいたらしいや・・・
やっかいだぞこれは、どうしようか・・・うーん・・・
「あの、その、おばさん、ここで働かせては・・・」
「何言ってるんだい失礼な!親衛隊の皆様が出してくださるんだよ!!」
「でも・・・」
「はい、それではお部屋にご案内させていただきますわ・・・ちょっとアナターーーーー!!」
拒否権はないらしい・・・
奥からさえないオヤジが出て来た、
そして荷物を持ってみんなを案内する・・・
4姉妹、本当に嬉しそう・・・俺はなーんか、はめられた気分・・・
そして隣り合わせの部屋へ・・・広い部屋だ、1人じゃもったいない・・・
「では、おやすみなさいませ」
「おやすみなさいー」
「気にすることないからな」
「遊びに来てもいいですよぉ」
そう言い残して4姉妹も自分の部屋へ・・・
俺も入ろう・・・ふう・・・疲れた・・・・・足が痛いや。
でも、ようやくゆっくりできる・・・とベットに身を委ねる。
結局こうなっちゃったか・・・
でもまあ、今日のところは仕方がないからお言葉に甘えて・・・
・・・・・って、これって彼女たちの思うつぼなんじゃあないか!?
こうやって、こんな事が繰り返されていくうちに、俺がどんどんそれを受け入れていき、
ついには彼女たちの思うが侭になってしまう・・・まさに、言いなりに。
まったく力のない俺は彼女たちに依存する事は本当に楽だ、
このままいけば自立する必要がないんだから・・・そして完全にそうなった時、
彼女たちが国へ、ガルデス城へ帰りたいと言ったら!?俺は・・・一緒に!??
そうか、そうに違いない、いや、多少違うかもしれないけど、でも、そんなところだろう、
じゃあ、どうすればいいんだろう・・・彼女たちをちゃんと断ち切らなきゃ・・・そうだ、けじめをつけよう。
コンコン
「はいー、どうぞー」
「失礼します」
「まあ!いらしてくださったのですね」
「嬉しー、さー、こちらへー」
「疲れただろう?足もんであげるよ」
「わぁい、一緒に寝ましょぉ♪」
「ま、待って!待って・・ください!」
みんなを制止する・・・
「あの、今回は宿代を出していただきまして、ありがとうございました」
「気にしないでください、善意でしたことですので」
「そ、それで、俺、何もお返しする事ができません!本当に何もないので・・・」
「おかえしだなんてー、とんでもないですー」
「いえ、貸し借りはちゃんと、返しておきたいんです!」
「・・もしそれを本気で言うんだったら、私たちは貴方に死ぬほど借りがあるよ」」
「う・・そ、それで、俺にできる・・・事が、あれば・・・」
「じゃぁ、一緒に寝てくださぁい♪」
スッと一歩前に出るララさん。
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めくる |