豪華な客間に案内された、綺麗な部屋だ、 大きすぎるベットに身をあずける・・・ふぅ、 さっきのは何だったんだろう・・・本当にあったことなのか・・・ あのハプニカ様が・・・あんなに感情を激しく表に出すとは・・・ 俺と結婚してほしいだなんて・・・どういうつもりなのだろうか・・・ ぼんやりと頭上のシャンデリアを見つめる、 あの長く厳しかった闘い・・・その中でハプニカ様は、 まさに勝つことと平和を取り戻す事しか考えていないように思えた、 たまにやさしい顔で戦地で幼い子供たちをあやしていたことがあったが、 その子供たちのためにもこの戦争に勝つと自らを奮い立たしていたっけ・・・ そのハプニカ様が、俺の王妃にだなんて・・・何の冗談だろう? 闘っていたときは、そんなそぶりはまったく見せはしなかった、 本当にそんなことは微塵も感じなかった・・・アプローチがまったくないのだから当然か。 俺はハプニカ様の事は嫌ではないが、その・・・なんというか・・・ あまりにも眩しすぎる存在なのだ、強くて美しくて凛々しくて・・・ あまりにも完璧すぎて、男としては近寄りがたい存在とでもいおうか、 ハプニカ様ほどの女性につり合うのは、それこそリーダーのセルフ様か・・・ でもそのセルフ様は歳が11も違うし、早々に戦争前からの恋人・リューム様と結婚なされたばかりだ。 俺だってハプニカ様とは歳が6も違う・・・ そもそもなぜ俺なんかを・・・うーん、よく考えよう・・・ と思案し続けるものの、どうしても「冗談」「ただのいたずら」「人違い」といった考えに・・・

コンコン 「いらっしゃいますでしょうか」 ドアをノックする音とともに、 やわらかい、聞き憶えのある女性の声が聞こえる・・・「はい、どうぞ」 「失礼します」ガチャ・・・

入ってきたのは4人の女性、ハプニカ親衛隊の4姉妹だ、 4人は一斉に俺に向って喋りだした。 「お久しぶりです」 「ほんとに久しぶりー」 「1ヶ月ぶりね」 「元気だったぁー?」 4人はそれぞれいろんな物を持っている。 「ああ、久しぶりだね・・・あの、それは?」 長女のララさんは腕一杯の綺麗な花束を抱えている。 「これはハプニカ様からあなたへの贈り物です、飾っておきますね」 次女のリリさんは大きなパイとジュースをトレイに乗せて持ってきた。 「これもハプニカ様があなたにってー、アップルパイとアップルジュース、私たちで作ったのよー」 三女のルルちゃんは長く綺麗な剣を担いできた。 「これ、ハプニカ様から、国宝よ、売らないでね」 四女のレンちゃんは小瓶を持ってきてその蓋を開けた。 「これはぁ、ハプニカ様がお疲れでしょうから足に塗ってさしあげてってぇー」

レンちゃんに足をつかまれ、 手早くズボンをたくし上げられ靴下も脱がされ、俺の素足があらわになる。 「レンちゃん、いいよ、自分でやるから」 「ハプニカ様のご命令ですー、じっとしててねぇ・・・あ、ルル姉様ぁ」 「私も手伝うわ・・・ちょっと、豆がいっぱいつぶれてるじゃないの」 ルルちゃんとレンちゃんが俺の右足、左足に丹念に薬を塗る、 ちょっとくすぐったいが、とても気持ちいい。 「じゃあ私はこのパイをー・・・はい、あーん」 リリさんがアップルパイを一切れ俺の口に運ぶ、 甘酸っぱくっておいしい。 「ではお飲み物も・・・」 続けてララさんがアップルジュースの入ったグラスを俺の口につける。 それをごくごく飲む・・・まるでハーレムみたいだ。 「ごく・・・ごく・・・ぷはぁ、みんな、ありがとう・・・まるで王様になったみたいだ」 その言葉に4姉妹はクスクスと笑い出した。

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