また沈黙する空間・・・・・俺は考える。 すでにハプニカ様は俺を本当は好きでもなく、 この国のために英雄とされている俺と結婚したがっていることは判明している、 証拠はある、状況証拠だか確信が持てる証拠だ、よって今、こんな事を言ってるミルちゃんだって、 きっと同じに違いない、あんな事件も起きた手前、よけいに俺を国王にする必要があるのもわかる。 しかし・・・俺はぶざますぎる、 レンちゃんに最後の最後で敗れた、 勝ったらプロポーズ、負ければあきらめると決めていたにもかかわらずだ、 さらにこの体・・・完治しないだろう、歩けてやっとだ、少女以下の力しか出せないとおぼろげに聞いた。 こんな俺が、もうみんなを、ハプニカ様を守ることはできない、情けなくてとても釣り合わない。 俺は一刻も早くこの国から去った方がいいだろう、 一生懸命歩けるようになって、みんなの前から姿を消そう、 これが敗者の進むべき道だ、悪い奴はもう一掃できたに違いない、 あとはハプニカ様やみんな次第・・・俺の出る幕ではとてもじゃないが、ない。 いずれまたハプニカ様を守れる、本当にふさわしい人がきっと現れるだろう、ハプニカ様になら。 「・・・・・私のどこが気に入らない?」 ミルちゃんが重い口を開いた。 「お姉様みたいに美人じゃないし、スタイルもよくないけど、 これから頑張って成長するから・・・おにいちゃん好みの女の子になるから・・・ だからお願い、おにいちゃんの、おにいちゃんの、王妃にしてぇ、何番目でもいいからぁ」 とうとう涙を流したミルちゃん・・・ そんな事言われても、困っちゃうな・・・ ミルちゃんとは別に恋人同士だった訳でも何でもないんだし・・・ 「ミルちゃんはきっと、本当の、恋、っていうのを知らないんだよ」 「知ってるもん!私だって、おにいちゃんのこと、ずっと見てたもん!」 「本当の恋だったら、俺はミルちゃんの言ってる事を信じられるはずだよ、でも信じられない、だから」 「そんな!そんなの、違う!だって、そんなー・・・」 「ミルちゃんは僧侶だ、守ってくれる強い男を探すんだよ、いいね?」 その言葉にうずくまるミルちゃん、 俺はこの国を去るんだ、嫌われるぐらいが丁度いいだろう。 「・・・おにいちゃんが守ってくれた強い男だもん」 「え?でも、もう強くないよ」 「強いもん!だから、おにいちゃんがいいの!」 強情だなあ。 ・・・う、そういえば、 ト、トイレに行きたくなってきた・・・ でも、身動きとれないし・・・どうしよう、 小さい方も、大きい方も、両方したいぞ・・・ 「あれぇ?おにいちゃん、どうしたのぉ?」 「うん、ちょっと、トイレに・・・」 「してあげるう」 え? してあげるって・・・ ベットの下から尿瓶とおおきな盥を出した、 紙も持って・・・そして俺の足元のベットに・・・入り込んだ!? 「おにぃちゃん、はぁい」 「うわっ、ちょっと、ミルちゃん!!」 俺のパンツをずり下げ、 ペニスをしびんの入り口へあてがう・・・ 恥ずかしい・・・は、恥ずかしいよお・・・ 「ミルちゃん・・・こんなんじゃあ、出せないよ・・・」 「そぅ?じゃあいつもみたいに出してあげるぅ」 「ええっ?う、うあっ!!」 ミルちゃんが手の甲で膀胱をぐいぐい押す! その圧迫感に膀胱を満たしている尿が外へ出ようとする! で、出る!出る出る、出さされるううう!うううううううーー!!! じょろじょろじょろじょろじょろ・・・・・ 「次はこっちぃ」 続いて俺の尻の下へ盥をうまく置き、 俺の下腹部、腸の部分をその小さな手の甲でえ! 「や、やめて、ミルちゃん、お願い、やめてえええ!!!」 ぐいぐいぐいっっっ!!! 「ぐはぁ!あああああああああああ・・・・・・・・・」

「捨ててくるねぇ」 丁寧に肛門を拭いた紙とともに、 尿瓶と盥を持って出て行くミルちゃん・・・ も、もうやだ・・・あんな少女に、こんな風にされるなんて・・・無理矢理・・・ 「・・・・・あのー、起きてらっしゃるのでしょうか?」 変わって今度は清楚な僧侶服に身を包んだおとなしい少女・・・ 懐かしい、トーナメントで俺の味方になってくれた、シャクナさんだ、 心配そうな表情で入ってきた・・・こんな夜中にどうしたんだろう? 「シャクナさん、お久しぶりです」 「・・・ごっ、ごめんなさいっ!私、何も知らずにあんなご無礼を・・・」 「え?何のこと?」 深々と頭を下げるシャクナさん。 「・・・沢山失礼な事をいいましたし、沢山失礼な事もしました」 「そんなことないよ」 「いえ、貴方様の頬までぶってしまって・・・この手を焼けというのならばすぐに焼きます!」 「ちょっとやめてくれよ、そんなこと」 「お詫びしても、到底しきれないほどの無礼・・・本当に申し訳ありません!!」 震えながら、心から詫びるシャクナさん・・・ 本当に、本当にそんな事しなくていいのに・・・ ハプニカ様を救ったのはこのシャクナさんだと言っても過言ではないのだから。 「シャクナさんには心から感謝してます、命の恩人みたいなものだし」 「そんな!私がもっと気をつけていればこんな事には・・・何より・・・」 「何より!?」 「お城に出入りしていながら、貴方様の顔を知らず、ただの騎士だと・・・非常に恥じています!」 「恥じることないよ・・・うーん、どう言えばいいのかな・・・」 完全に萎縮してしまっているシャクナさん、 なんかこれでは苛めてるようで何だか申し訳ない、 そうだな・・・じゃあここはひとつ・・・・・ 「シャクナさん」 「は、はいっっっ!!」 「お願いがあるんだけど・・・」 「な、何でしょうか!?」 「その堅苦しい言葉をやめてほしいのと、もう謝らないでほしい」 「でも・・・でも・・・」 「それと俺の事はトレオでいいよ、その方がシャクナさんとは自然に話せる」 「そんな・・・そんな・・・・・」 「・・・・・駄目かな?」 考え込むシャクナさん。 「・・・努力してみます、しかしせめて『トレオ様』と呼ばせてくださいませんか?」 「うーん・・・堅苦しいけどまあいいか」 「はい、ではトレオ様・・・最後にもう一度だけ・・・本当に申し訳ありませんでした!」 「じゃあ俺からも・・・シャクナさん、本当にありがとう、心から感謝してるよ」 「・・・・・あ・・・あの・・ありがとうございます・・・・・」 顔を赤くするシャクナさん、 どう反応していいかわからない様子だ・・・ と、そこへミルちゃんが戻ってきた。 「あ、シャクナさん!もぅ交代の時間なのぉ?」 「は、はい、でも・・・どういたしましょうか?」 「じゃあねえ、一緒にいよ!」 俺の横に2人が座った。 「ミルちゃん、シャクナさんと知り合いだったっけ?」 「あのあとお友達になったのぉ!」 「そんな、お友達だなんて・・・もったいないですわ」 「もう、シャクナさん、これから王室に入るんだからぁ、そんな事言わないでよぉ!」 「でも・・・・・」 シャクナさんが王室に!?

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