☆18禁裏小説7☆
「・・・・・ねぇ」
「何かな?」
「王様になってくれますよねえ?」
俺は返事に困った、
レンちゃんに負けた以上、
この国を去らなければならない・・・
それは俺の中での鉄壁の法律であって崩す気はない、
でもそれをそのまま伝えたらレンちゃん傷つくかも・・・
「なってくれますよねぇ?」
「・・・・・・・・・・」
「だって、優勝したらハプニカ様と結婚するってぇ・・・」
「・・・・・え?優勝してないよ」
「優勝ですぅ、ほらぁ」
レンちゃんの視線を見ると、
部屋の隅に豪華なカップが飾ってある、
よく見ると・・・「優勝」の文字の下に俺の名前が・・・!?
「待って!俺、レンちゃんに負けたよね?」
「ううん、私の負けですう」
「どうして?」
「殺そうとしたからぁ・・・」
「でも特別ルールでそれは許されたはずだよ?」
「だって、でも、でもぉ・・・とにかく私の負けですう」
「・・・じゃあ、あの戦いは何だったんだよ!?」
俺はなんだか腹が立ってきた。
「だってだってぇ、ハプニカ様のぉ、みんなのためにぃ、トレオって名前でぇ・・・」
「それと試合、勝敗は関係ないだろ!?」
「この国をぉ、命懸けで助けたんですものぉ、優勝は当然ですぅ」
「だから!そんなの意味ないじゃないか!!」
「こ、恐いぃ・・・」
いけない、レンちゃんがまた泣きそうだ。
「ご、ごめん・・・でもレンちゃんが勝ったんだからさ、
強かったよレンちゃん、とっても、あれならハプニカ様も安心だよ、
だからこれからもその力でハプニカ様を守ってあげてくれよな」
「・・・・・負けだもん、私の・・・負けだもん」
「これだけは譲れないんだ・・・そこの優勝カップはレンちゃんのものだからね」
「いやぁ・・・いやぁ・・・いやあああああああーーーーー!!!」
「レ、レンちゃん!?」
泣きながら部屋から出ていくレンちゃん・・・
でも、でもこれだけは曲げちゃいけないんだ、
俺は負けた、だから・・・だから俺はこの国を去る!!
「な、何があったのー?」
今度はミルちゃんが入ってきた。
「ごめん、レンちゃんを泣かせちゃった・・・」
「仕方ないなぁ、レンちゃんはぁ」
「どうしよう・・・」
「放っておいていいです、あとでお姉様に叱ってもらうから」
「叱るだなんて・・・」
「だって、おにいちゃんを放って逃げたんだもの、せっかくおにいちゃんをもう絶対、1人にさせないって決めたのにぃ」
「1人にさせない、って・・・?」
「おにいちゃん1人で戦うしかなかったから、あんなことになっちゃったでしょ?だからぁ」
「でも、俺1人だったからスロトの正体を暴けたのかも」
「そんなー、とにかくもう、おにいちゃんは絶対1人っきりになっちゃ駄目なの!」
俺のベットに寄り添うミルちゃん。
「おにいちゃん・・・おにいちゃんから何て呼ぼうかなー・・・
旦那様?国王様?・・・お兄様って呼びたいなあ・・・でも王妃になるんだしー・・・
ねー、おにいちゃんは私が第二王妃になったら何て呼んで欲しい?」
「・・・その話、聞いたけど・・・俺に拒否権はないの?」
「ええ!?」
とまどうミルちゃん。
「・・・・・俺の意志はまだ何も決めてないよ、
ハプニカ様との、ここへ来て最初のときも言ったよね?」
「だってー、だってぇー・・・」
「・・・同情や貸し借りだけで結婚するのはまっぴらだよ」
重くなる空気・・・
間を置いて、あわてて立ち上がるミルちゃん。
「そうだ!おにいちゃんに治癒魔法かけにきたの、するね」
ポワッと光が俺を包む・・・
少し楽になった気がしたが、
俺のからだはあいかわらず動かせられないままだ。
「・・・私はおにいちゃんと結婚したい・・・」
「突然そんな事言われても信じられないよ」
「お姉様の妹だよー、好みだって同じでもおかしくないでしょー?」
「なおさら信じられないよ、ハプニカ様だって」
「・・・・・本当なのにぃ・・・」
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