☆18禁裏小説7☆
「私たちが残した者のせいで、迷惑をかけた」
「父と私は今、地獄で罪を償っているところだ」
「じゃあここは・・・地獄!?」
俺は地獄に落ちたのか!?
「いや、違う・・・とにかく今すぐ引き返してくれ」
「こちらに来られては・・・もう誰も償えなくなってしまう!」
「償うって!?」
闇を自然と進もうとする俺。
「お願いだ!このままでは・・・娘まで・・・地獄に落ちてしまう!」
「妹だけは・・・妹のハプニカだけは助けたいのだ!!」
「ハプニカ・・・様?」
うーん、引き返そうにも足が勝手に・・・
「頼むっ・・・頼むっ・・・!!」
「ハプニカのために・・・ハプニカのためなのだっ!!」
「・・・引き返せば、ハプニカ様が助かるんですか?」
「そうだっ!だから、すぐっ!!」
「早く!はやくっっ!!」
・・・・・足が重いけど・・・引き返そう。
う・・・ほんとに重い・・・あ、光だ・・・
「・・・ハプニカよ、あとは頼んだぞ・・・父の最後の詫びだ」
「ハプニカ・・・これで兄を少しは許してくれ・・・
あとはお前の・・・愛だけだ・・・」
・・・・・光に吸い込まれる・・・・・
「・・・・・」
「・・・・・・・・・」
何か会話が聞こえるぞ?
「・・・な・・・って・・・・ですか」
「ええ・・・・・だ・・・も・・・・・」
話しているのは女性2人の声だ・・・1人はシャクナさん?
「ミル様の診断では間違いないですわね」
「はい・・・おにいちゃんが意識を取り戻すのは1割もないです・・・」
シャクナさんとミルちゃんだ。
「もし意識を取り戻しても・・・残酷ですわね」
「私ぐらいの・・・ううん、もっと下の、か弱い少女ぐらいの力しか、
もう出せない体に・・・一生・・・おにいちゃんは・・・」
「でもそれも意識が戻ったらですから・・・」
「おにいちゃん・・・おにいちゃん・・・おにいちゃん・・・」
「大事な筋肉がズタズタなまま、とうとう治癒しませんでしたものね・・・」
「あれから2週間も回復魔法し続けてるのに・・・まだなのぉ?」
「・・・私は一生続けるつもりでいますが・・・」
「わたしもそうするぅ・・・おにぃちゃぁん・・・」
そうか・・・あれから2週間か・・・
か弱い少女ぐらいの力しかもう出せないのか・・・
情けない・・・ハプニカ様に合せる顔がない・・・あれ、ハプニカ様は・・・!?
・・・・・
ん・・・・・
んん・・・・・・・
目がさめた・・・真っ暗だ・・・
ここは・・・どこだ・・・体が・・・起こせられない・・・
誰か・・・俺の胸に顔をのせて寝てる・・・誰だこれは・・・
目がなれてきた・・・今は夜みたいだ・・・寝てるのは・・・ミルちゃん!?
「・・・・・ミルちゃん」
「・・・・・・・」
「ミルちゃん、寝てる?」
「・・・・・・・・・・」
「そうか、寝てるか・・・」
そっとしてあげといておこう。
「・・・・・・・!おにいちゃん?」
「ごめん、起こしちゃった?」
「おにいちゃーーーん!!!」
泣きながら飛びつくミルちゃん。
「おにいちゃん!おにいちゃん!おにいちゃん!」
「ミルちゃん、おはよう」
「よかったぁ・・・もう起きないと思ってたぁ!!」
「はは、そんなに眠ってた?」
「もう3ヶ月もぉ」
「嘘?そんなに?」
身動きとれないはずだ・・・
「・・・また夢ぇ?」
「え?」
「何度も何度もおにぃちゃんが起きる夢を見たからぁ」
「夢じゃないよ」
「ほんとにぃ?」
「うん・・・お待たせ」
「えーーーーーーーーーーーーん!!!」
俺の胸で泣くミルちゃん、
しばらくしてその声が届いたのか部屋のドアが開いた。
「何かありましたか?」
「ミルさまー」
「恐い夢でも見たのか?」
「あ・・・あれっ・・・ああっ・・・!!」
4姉妹だ、レンちゃんが最初に気づいて驚いている。
続けて他の姉妹も・・・
「きゃあ!お・・・起きられ・・・たの・・・ですね」
「・・・夢のようですー」
「・・・・・嘘じゃ・・・ないよな」
「ん・・・ぐす・・・えーーーーーん!!」
レンちゃんまで泣き出しちゃった・・・
よく見ると他の3人も涙をこぼしている・・・
「ハプニカ様をお呼びしてまいります!!」
ララさんが慌てて出ていった・・・
ハプニカ様・・・どんな顔で会えばいいのだろうか・・・
「私ね、ミルね、おにいちゃんが起きるまではってケーキ食べなかったんだよぉ」
「そう、えらいえらい、もう起きたから食べていいよ」
「おにいちゃぁん、おにいちゃぁん・・・」
バタッ、とドアが開いた、
そこにはほとんど下着姿の、
K懐かしいハプニカ様の姿が・・・!!
「・・・・・・・・・・」
黙ったままこちらを見ている・・・
目からは涙をぼろぼろとこぼしながら・・・
そして・・・・・・・・・・・・・・・
「えぐっ・・・えぐっ・・・う・・・うう・・・うあーーーーーーーー!!」
俺の横になってる足元に飛びついて号泣するハプニカ様・・・
まるでミルちゃんやレンちゃんと同い年かのように・・・・・
幼い子供のように泣きじゃくっている・・・俺の胸の中で・・・
手を伸ばしたかったが腕をピクリとさえ動かせられない、
感覚が無い訳ではないが痺れて・・・これが3ヶ月の月日なのだろう。
「うぐっ・・・うああああっ・・・」
あとはもうみんな泣いてばかり・・・
なぜか俺までもらい泣き、涙が出てきた・・・
その頬を伝う涙をぬぐいたいが、腕に力が入らず動かせない・・・
俺は涙をあふれさせながら、たった数分目を覚まして会話しただけなのに、
その疲労感から再び眠くなり、そのまま静かに目を閉じた・・・・・
もどる |
目次へ |
めくる |