誇らしげに僕を紹介するキャプテン、まじまじと僕の全身を見る薩川さん、僕は綺麗だなーと思いながら自然と少し緊張気味になり挨拶をする。
その後どう続けていいか言葉につまった、彼女の抜群な容姿に見とれて金縛りのように口が動かない。
「ふぅん、珍しいですわね、この時期に新入部員なんて、あなた実績はあるのかしら?」「いえ、ほとんど・・・ないです・・・」
よく見ると薩川さんの大きなバストの先端に水着ごしで2つのポッチが見える、それが1度気になってしまうと、恥ずかしくてまともに薩川さんの方を見られず、 薩川さんの質問にも目を逸らしながら口少なく答えた。
「薩川君、聞いて驚かないでくれよ、100mのタイムが53秒出たんだ!すごいだろう、彼、いきなりなんと53秒で泳いだんだ!まだ1年生なのに!」
興奮を押さえ切れない様子のキャプテンと対照的に、落ち着いた様子で淡々と話す薩川さん。
「それはまた随分と早く時計を止めたことですわね、わざとタイムを速く伝えてメンタル的に上達させる方法かもしれませんが、それを私たちに自慢するのはどうかと・・・」
「嘘じゃないさ!タイムは正確に押した、早く押したりなんかしてない!」「信じたくないのはわかるけど、あきらめな!」
「何よ!今まで全然まともなタイム出せなかったくせに」「急にそんなタイム言われても信じられる訳ないわよねー」
「あのー、もう一度、泳ぎましょうか?」「その必要はありませんことよ」
薩川さんのその声に静まるプール。余裕の表情で話を続ける薩川さん・・・
「どっちにしろ、明日の対抗戦で全てはっきりしますわ、そこで本当に正確なタイムで勝負しましょう」「・・・え!?対抗戦って、明日なんですか?」
「ああ、今回も僕が出る予定だったが、全て君に任せた!なあに、さっきの調子で泳いでくれれば楽勝さ」「まあ、せいぜい明日までに猛特訓することですわね、おほほほほ・・・」
そう言い残すと薩川さんは踵を返し、女子部員を引き連れて自分たちのプールサイドへと帰っていった。
「キャプテン、もう少し泳がせてください!」「よし、じゃあ1つのコースを君専用にあげるから頑張ってくれたまえ!」「はい!!」
更衣室でキャプテンが僕の背をポンとたたく、気が付くとみんなもう帰った様子で僕とキャプテンしかいない。
ますます陸上部とは大違いだ、運動部は縦社会が厳しいはずなのに・・・僕はなおさらこの水泳部のために頑張ろうと誓う。
そう言い残してキャプテンはいそいそと帰っていった。僕は黙々と男子更衣室の掃除と片づけをする・・・
・・・そろそろこんなものでいいかな?そう思った背後に人の気配がした。
更衣室の入口に立っていたのは、女子水泳部キャプテン・薩川かつみだった。