山本杏鹿堂薬局

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症状別漢方についての説明

霍乱篇 嘔吐してしかも下痢するような方は必見!

張仲景という人が書いた、傷寒論という漢方の古典の中からの 一節です。

お時間の許すかぎりごゆるりと御観覧ください

辨霍乱病脈証并治

問曰「病有霍乱者何。」 

答曰「嘔吐而利,此名霍乱。」

「病に霍乱というのがあるそうやけど、一体どうゆう事なん?」と

たずねると、先生は答えてくれました。

「それは、嘔吐して、しかも下痢する事を指すんだ。」と

喜多村直寛という先生はこう解釈してくれました。

外は邪気に感じ、内は飲食に傷つき、内外共に、激しく戦い、

上からは吐き、下からは下痢をする状態を霍乱というんだと。

???もう少し進んでみましょう。

霍乱

問曰「病発熱頭痛,身疼悪寒,吐利者,此属何病。」

答曰「此名霍乱。霍乱自吐下,又利止,復更発熱也。 」

今度は、先生からこんな質問です。

「熱が出て頭痛がして、節々が痛み寒気がする。そして吐き下しがあるんだがこれは何の病だね?」

「はい、それは霍乱と申します。霍乱は、嘔吐して下痢し、また、下痢が止めば発熱する病だということです。」

と、答えたそうな。

森枳園という先生がこう解釈してくれました。

発熱・頭痛、身痛・悪寒という症状は、傷寒とほぼ同じです。

しかし、嘔吐と下痢という症状が加われば、傷寒とは異なるね。

これらの症状が加わったものは今まで解説されていません。

そこで、これを明らかにしたものがこの一説だということです。

これを、霍乱となずけましょう、と。

また、内藤希哲という先生はこう説明してくれました。

これは、夏場に納涼を取りすぎたり、あるいは陰の涼しいところで睡眠を取り、

邪気が虚に入ったがゆえに起こる症状であると。

その人は中焦が虚していなくて、邪が太陽にあるだけならば、

嘔吐・下痢なんて症状は起こらないものだ。

たとえ、邪が太陽にあっても、中焦が虚している場合には

嘔吐・下痢がおこり頭痛・発熱や身疼痛などが起こるのだ

こんな時に、陽気を回復させて、陰陽を調和してやれば、

その病は治まるものだ。

こんなときには、理中四逆湯を用いればよいのだよ。

理中四逆湯

現在では、クーラーにあたりすぎたり、クーラーをつけっぱなしにして寝たために起こる寝冷えと似てますね。

悪寒,脈微而復利,利止,亡血也。

四逆加人参湯主之。

寒気がして、脈はあまり触れず、しかも下痢しているのだが,、

下痢が止んだと思ったら、出血してしまいました。

こんなときには四逆加人参湯を用いなさいという章です。

 四逆加人参湯方

 甘草二両(炙) 附子一枚(生用,去皮,破八片) 乾姜一両半 人参一両

 上四味,以水三升,煮取一升二合,去滓。分温再服。

喜多村直寛の説をご紹介いたしましょう。

霍乱で嘔吐と下痢は止まったけれど、病はまだ回復せず、

また、悪寒して脈が微を呈し下痢するのは、陽気が虚して、

津液が枯渇するからである。

今下痢が止まるのは、陽気が回復して止まるのではなくて、

津液が枯渇して下すものがなくなって止まるのである。

下痢が止まった!と喜んでいると、今度は出血する時がある。

これは亡血である。

そのような場合は四逆加人参湯を用いて、虚冷を温補すれば、

悪寒が自然と止み、脈は力を得て、下痢も自然に治る。

まあ、ここあたりはあまり一般的ではないかもしれませんね。

次は、赤ちゃんや子供に良くみられる吐き下し、

吐き下ししているのに、水を飲みたがり、

水を飲んだかと思えば、また、パ~っと吐く。

しゃべるたびに口元に白い唾を一杯ためているような方のためのページです。

漢方薬は病名により処方が決定するものではありません。

あなたの「証」にあった漢方処方さえ見つかれば、いかなる症状も改善されます。

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