☆家族が心の病にかかっているようだったら■専門医への受診をどう勧めるか
睡眠時間の変化や食欲の低下、性生活がなくなる(///)など、こころの病気の兆候に気づくのは家族である場合が多いものです。
もし、配偶者などの家族が心の病にかかっているようであれば、専門医への受診を勧めて欲しいのはもちろんですが、その際には、次のいくつかのことにも気をつけてください。
- かかりつけの医師に相談してみる
心療内科や精神科を受診することに抵抗を示しているようでしたなら、まずかかりつけの医師を受診することを勧めてみましょう。
その結果、やはり心の病の可能性が高いようであれば、専門医を受診するように説得してみましょう。
- 無理強いはしない
本人が行きたくないと言っているときは無理強いはしないこと。
ただし、自殺などの事故が起きないように見守ってあげることが必要です。
- 根気よく説得する
専門医に相談に行くことを根気強く、無理をしない程度に話しかけること。
本人が症状に気づいていないこともあるので、わかりやすい解説書を見せるなどして、本人の病気に対する理解を深めることも大切です。
「心が疲れているようだ」、「脳が疲れているのではないか」という説得は、納得してもらいやすいようです。■精神科・心療内科の治療を受けることになったとき
病気の程度が軽い場合は外来での治療になりますが、重い場合には仕事を一定期間休むことになったり、入院することになるかも知れません。
特に鬱病の患者の場合、回復期には比較的元気なため、仕事を休んでいることに本人も家族も抵抗感を感じることがあります。
しかし、完全に回復するためには十分な休養と服薬が必要です。
「怠けているだけではないか」などと考えずに、心と体を徹底的に休養させてください。
治療の際には、次のことに気をつけてください。
- 決して焦らない
心の病は回復に向かったり、また少し調子が悪くなったりと、小さな浮き沈みを繰り返して治っていくことが多いものです。
特に、仕事を休んでいる場合などは罪悪感から早く職場に復帰しようとしがちですが、その結果再発してしまう危険があります。
例えば鬱病の場合、通常は回復までに6ヶ月ほどかかるとされています。
- 服薬を自己判断でやめない
前の頁でも取り上げたように、向精神薬への抵抗感が強い人が多いですが、服薬については必ず医師の指導に従ってください。
また、治療の終了については自己判断はせず、医師の指導に従ってください。
もし医師の判断に不満がある場合は、疑問や自分の意見を医師に告げ、よく話し合い、お互いに納得できるような結論を導き出すことが大切です。
- 患者を励まさない
これは鬱病の患者に言えることですが、外から見て本人の辛さが分かりにくいため、つい「頑張って!!」と励ましてしまうことがあります。
しかし、本人は「頑張りに頑張ってダウンした」のですから、「頑張って」と言われることはますます苦しいことになります。過剰な励ましも、逆に「怠け者」と非難されることも患者には大きな苦痛となります。
周囲から見て歯がゆいことがあっても、今は病気であることを理解し、温かく見守るようにしてください。
「こころの病」ということについては、患者さんのプライバシーに関しての法律で表現がガチガチに規制されており、症例等をおおっぴらに掲載することはできません。
しかし、これらの病気について多くの人に関心を持っていただき、偏見と差別を無くしてしまいたいというのが、精神科に勤務する側の人間の願いです。以上、長々とお付き合いいただきましてありがとうございます。