・・・この森に入ってから、一体どれぐらい経ったのだろう・・・。

 「十分後にスタート」と言う合図で散開し、・・・そしてどうやら今回のこのゲームは始まったらしい。時折風に乗って聞こえてくるエアガンやガスガンの音を聞きながら、優は銀杏の樹の枝に"H&K MP5-SD6"を抱きかかえたままの姿勢で完全に気配を断っていた。

 なんのワッペンも付けていないO.D色のB.D.Uにコーコランの編み上げブーツ。そして"BORN TO KILL"とマジックで手書きしたこれはウッドランドカモのフリッツヘルメット。

 優は意外と凝り性・・・と言うよりは「素直」だった。なぜなら首からはちゃんとドッグ・タグを下げ、しかもそれらはスニーキングの最中にぶつかりあって音を立てないように二枚を重ね合わされ、ちゃんと濃いグリーンのビニールテープでぐるぐる巻きにされていた。そしてこれもO.D色のハンカチーフ(無論本物だ)を使って、顔の下半分をマスクしていた。
 多分、持てる知識を総動員してこのゲームに臨んだであろうことは想像に難くない。


"Who done it ?!"

〜あるいは「モテモテ主人公君争奪 大サバイバルゲーム大会実施の顛末」〜
(ACT-6.5)

  極めつけなのが、そのあまりにも自然と一体となっている優自身のナチュラルさだ。
 実は先ほど優のすぐ脇をあの若菜が通り過ぎたのだが、若菜は優の方に顔を向けるどころか優の存在そのものを「認識できず」に、そのまま次のポイントまで移動してしまっていた。

 もしこの状態の優を発見できる者がいるとすれば、それはずば抜けた観察眼を持つバードウオッチャーか、はたまた宝くじを一点買いして一等賞の獲得できるほどに強運の持ち主か、若しくは余程の手練れであろう。




 規則正しい呼吸を繰り返しながら、優はチャンスを伺っている・・・。




 ・・・。



 ・・・・・・。



 ・・・・・・・・・。




















・・・・・・・・・・・・優ってば、寝てるし・・・・・・・・・・・・(T^T)。

(スミマセン・・・)


To Be Continued...