この秋のクールは、見たいテレビが多くて困っていた。「八重の桜」は正月から見てるし、「相棒」は例年の通りだからいいんだが、前作が好評だった「リーガルハイ」、堀北真希の「ミス・パイロット」があり、大好きな「実験刑事トトリ」が始まり、特撮者としては外せない「怪奇大作戦」「ウルトラマンギンガ」と週末は大忙し、追い打ちをかけるように「遺留捜査」の二時間スぺシャルと、「見る」というより「消化する」に近い状況だった。
さらに、「
方言彼女」が
岩手放送で見られるようになっていた。最新シリーズのタイトルは「方言彼女0」と書いて「ラブ」と読む。テニスのスコア風ね。だが、見る余裕なし。30 分番組だけど、メモとるから 30 分じゃ終わらないし。
「トトリ」と「怪奇大作戦」が終わってやっと息がつけるようになったので、録りためてあったやつにとりかったのだが、ネット外 (製作は独立U局で、岩手放送は TBS 系) の深夜番組の悲しさで、途中で放送時間がずれており、結局、半分ぐらいしか見られなかった。
調べてみたら、「方言彼女0」の本放送は去年の秋から今年の春までだったようで、2クール 24 回分あったらしい。本当は 15 分番組で、岩手放送では、二回分をまとめて放送してた様である。
森田涼花も出たようだが、放送時間変更のせいで見られなかった。
内容は、はっきり言ってとりとめがない。まぁ、コントみたいなものだと思ってもらって間違いない。
第一回で「謎の組織・方言彼女」というのがあって、合コンで持てるために嘘の方言を使ったりする「違法行為」を取り締まったりする組織、という体での話があったのだが、二回目以降、そのネタが続くかと言えば、続くわけではない。
それに近かったのは「起源」という、ナレーションのみのコントで、なんで「方言彼女」という番組が始まったかを解説する。もはやメモが自分でよくわからん状態なのだが、どうやら我々の世界がバーチャル リアリティの中だ、と言っているようだ。「東京では方言がなくなり、地方出身者が標準語を話す世界は」「
現実ではなかんべ」などと書いてある。これを実現するために、コンピュータを駆使しているわけだが、「
コンピュータの処理能力では ど沢山の方言に対応できんもんでっだよ」とあるところを見ると、ナレーションは愛知の人であろう。
シリーズになっているのは、「上京物語」「使える方言講座」とか。
「上京物語」は、東京に出てきたばっかり、という設定で出演者が方言で道を尋ねる、というもの。
「使える方言講座」は、ラッシャー木村のリングでの台詞を各地の方言に翻訳するもの。これ、プロレスの興味のない人にはあんまりおもしろくない。
メインと思しいのは「方言デート」。内容は名前の通りで、方言を話す出演者とのデート風景。カメラが男の主観となる。男の側はモノローグ的なセリフが入るのだが、たいていの場合、押しが弱い。一緒にいるだけでうれしい、てな感じ。
もう一つの柱は「方言リレー」。毎回、特定のフレーズ (たとえば「たまには好きって言ってよ」) を各地の方言で次々に言っていく。
方言の紹介で微妙なのは、特に字で書いた場合に、「方言っぽさ」がさほど感じられないことがある、という点。隣県で語尾がちょっと違うだけ、とかいう場合がそう。
だが、「方言リレー」のような形で、十人くらいの女の子が次々に同じ意味の表現を言っていくと、字に書くと大して変わらない表現でも、イントネーションの微妙な違いとかがわかって充分に差を楽しめる。これは、意図したことではないのかもしれないが、面白い見せ方である。
東北人がクローズアップされたコントがあった。
か。け。わ。い。
これ。食べていいよ。アタシは、いらないから。
くー!!
食べる!!
どさ?
どこに行くの?
ゆさ
お風呂に行ってくる
ば
じゃあまたね
「
け」「
く」とか「
どさ」「
ゆさ」はもういいよ、と思わないこともないのだが、「
か」はちょっと新鮮。あと、「
ば」もびっくりしたが、どこだろう。
いや、誰が言ったのかをメモしておけばよかったんだけど、この番組を見始めて一気に数十人の女の子を把握、なんて無理。
覚えられたのは、
大谷澪と
知念沙也樺くらい。いや、好みのタイプだってだけの話なんだが。
というわけで後編へ。