Speak about Speech/Sentiment Subjects: Shuno the Fault-finder




鞄屋の誤用ふたたび



 2 年前にもやった。
 とある鞄屋の、「ツッコミどころ満載」なチラシ。

 まずは表記。
「ハンプ」。
 これは「帆布」であろう。
 まだカタカナで書くほどこなれた表記ではないと思うが、「帆布」を「はんぷ」と読むかどうか迷う人がいるかも、というのも事実だろうなぁ。
 つぎは「マチ」。
「襠」と書く。難しい字だなぁ。
 つぎ、「Dパック」。
 アルファベット表記はまず置いとくとして、「デイバッグ」だと思ってる人が多いのでここで書いておく。これは「パック」である。「バッ/バッ」の勘違いも原因だろうけど。
 表記の最後。
「カッコイイカラビナつき」
 日本語にカタカナ・ひらがな・漢字・アルファベットと多彩な文字があることのメリットは、単語の切れ目が分りやすいことである。それを捨てた表記。

 これは、俺が知らなかった言葉。バンジーロープ。
 そういうリュックやなんかに交差させた紐がついていることがある。ちょっとしたものならそこに挟んでおける。その紐を言うらしい。

「中がカンゴール柄が使用」。
 おかしいけど、「あの店で新しいお菓子が売ってたよ」って言い回しはよく耳にする。それと同じと言えないこともない。

「男女問わず持て、機能性バツグンだよ」
 この中止法が最近、気になる。
 これは、会話で使う形式ではない。なのに、テレビドラマみてると、台詞として出てくることがある。スタッフの誰一人としておかしいと思わなかったんだろうなぁ。
 というわけで、「持て」と「バツグンだよ」のミスマッチが痒い。「持てて」だったらよかったのに。

「ツヤ感がなく、サイズが大きめで収納力バツグン◎」
 鞄にツヤがある、というのはマイナス要因なんだろうか。「ツヤ感」そのものについては、もう何も言わない。

「見た目にカワイイこのデザイン」
 見た目以外にカワイイと感じる方法ってあるのだろうか。あるいは「なにげに」と関連がある?

「ショルダーの人気が急上昇中で、縦長デザインがすごく新鮮」
 文の前半と後半に関連性がないのが痒い。

 以上、2004 年版。
 このカバン屋、どこに依頼してこのチラシ作ってるのかちょっと関心がある。




"Shuno the Fault-finder" のページに戻る
ホームページに戻る

shuno@sam.hi-ho.ne.jp