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携帯




 今どきは、「携帯」と言ったら電話である。「燃料」でもなければ、「灰皿」でもない。あえて、「ケータイ」「ケイタイ」と書くことすらある。
 手元の国語辞典で見出し語と用例を調べてみた。
  日本語大辞典
初版、1990、講談社 
大辞林 
初版、1989、三省堂 
大辞泉 
増補・新装版、1998、小学館 
用例  ラジオ  燃料、食料、品  電話 
見出し  (なし)  口糧  口糧、食料、燃料 
 時代の産物であることがはっきりわかる。

 さて、こないだ (2000/10) の『日本語学』誌の特集が「ケータイ・コミュニケーション」であった。中々面白かった。
 その中の「『ケータイ』にひとこと」という文章で、このタイプの略語は少ない、というようなことがかかれている。
 このタイプ、というのは、「携帯ラジオ」も「携帯食料」もあるのに、「携帯」と言えば電話を指す、というようなものを言う。
 が、今まで手元に集めた例がこれくらいある。
携帯 (電話)、高速 (道路)、スーパー (マーケット、インポーズ)
中体連 (競技会)、選手権 (大会)
湾岸 (首都高湾岸線)、外環 (外郭環状道路)
紅白 (歌合戦)
カントリー (エレベーター)
 に「仮面ライダー クウガ」における「未確認」も引いた。

 修飾語+主体というパターンの語から主体が落とされたのにも拘わらず成立してしまう、というのは理屈から考えると不自然だが、多いとは言わないまでも、少ないということはないと思われる。




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