在日ユーゴスラビア市民から内閣総理大臣への手紙


総理大臣閣下

閣下の政府と閣下自ら一貫して強力に推進しておられる平和と国際理解の政 策を念頭におきまして、私達日本に住むセルビア共和国、ユーゴスラビア連邦 共和国市民はコソボ問題に関して閣下に下記のことをお願い申し上げます。

・独立した主権国家であり、国際連合の創設メンバー国であるユーゴスラビア 連邦共和国に対するNATO軍の挑発されたわけでもない不当な侵略を止めさ せるために国際連合体系及び先進八ヶ国グループの中で貴国の影響力を行使し て下さい。

・私達の国中の主に民間施設に対する凶暴なNATOの空襲に反対する世界中 の増大する理性の声を支援して下さい。空爆は今までに三百人の人命を奪い、 数兆円とも見積もられる民間施設への破滅的被害をもたらしました。

・コソボとメトヒア州に住む全ての民族共同体によって受け入れられ、セルビ アと主権のあるユーゴスラビア内での包括的解決に達する迄の政治過程、直接 的話し合いと交渉に対するユーゴスラビア政府と国民の堅い約束を御理解下さ い。

・NATOの侵略を止めさせ、平和的解決のための環境を作り出すことを目的 とした最近始められた平和イニシアチブに然るべきご注意とご支援を払って下 さい。

・人道的援助とユーゴスラビア及びコソボ、メトヒア州の経済的再建に一層関 わって下さい。そして、その歴史の中で最もきびしい試練の時期をわが国民が 乗り切るのを助けるために、いつものように、友好の手を私達に差し伸べて下 さい。

首相閣下、何年もの間日本に住んでいる市民として、私達は、日本の友人と 多くの価値を共有し、相互に理解し合っていることを知りました。平和、自由、 正義、人間の尊厳、主権の平等と繁栄はもっと公正な新しい世界秩序を樹立す る過程の中で支配的になるべきです。 私達の苦しみ、恐怖と驚愕は閣下の御 注意と御理解の対象になるものと私達は信じます。

1999年4月10日
東 京

敬 具
在日ユーゴスラビア市民

 
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